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商用バンの仕切りバーを有効利用して、折りたたみデスクをDIY

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


ハイエースやキャラバンなど商用車ナンバーのバンには、人の乗る部分と荷室部分とを区切るためのバーなどが設置されている。

後部座席がある場合は後部座席の後ろ。後部座席がたたんである、または前列シートしかない車の場合は前列シートの後ろにこれを付けておく必要がある。

こんなもので荷崩れから乗員を保護できるとも思えないのだが、これがなければ車検が通らない。

前席と後部座席の間にこれがあると、棒一本とは言え何か前後で空間が仕切られているような雰囲気にもなるから嫌う人もいて、場合によっては邪魔者扱いされてしまうようなこともある。

私のキャラバンにも前席の後ろにバーがあるが、私の場合、滅多に後部座席に人を乗せることもないから「前後の一体感」のようなことに関しては問題がない。物をぶら下げたりできて案外便利だ。

こんな風に物干し竿用の洗濯バサミやS字フックを上手く活用すると、結構使い出がある。

そしてさらに便利な活用法を考案したので、今回はそれをご紹介したいと思う。

キャラバンの室内をまた改装した

私が中古で買ったこのキャラバンは、現行型でなく先代のE25系。

グレードが高いタイプなので、後部座席は厚みがあって結構座り心地もよく、フラットな状態になるまで背もたれを倒すことができる。

しかし、この3年間程は人を乗せることも滅多になくなったので、荷物の積載のしやすさを優先し、『後部座席はたたんだ状態』を基本形として使用していた。

ところが、またちょっと改装をすることになった。

改装ばかりしているような感じもするが、実はちょっとワケあって人を乗せるためではないけど、『後部座席をたたまずに使える状態』にしておく必要性が生じてしまったからだ。

最初はこんな物を置いてみた

しばらくぶりに後部座席に座ってみると(そもそも自分の車の後部座席に座る機会は少ない)結構座り心地が良く快適で、簡単に設置できるテーブルなんぞあれば、なお良いのではと思えてきた。

それでまずは上の画像のテーブルを置いてみた。ソファーの前やベッドの脇に置いて使う簡易テーブルだ。

ソファーやベッドの下に脚が入るようになっているから、バンの後部座席の前に置いた場合も脚が邪魔にならず好都合だ。

折りたたみ式で高さも調節ができ、サイズ感も良い。車内だけではなく、外に出して使うこともできる。かなり好条件の整ったおあつらえ向きとも言えるものではある。

しかし、この手のものが常時いくつか積んである。もう一つ増えると使わない時はどこに積んでおこうかと、また悩みの種が一つ増えることになってしまう。

そして、自分で買っておきながらこう言うのも何だが、見た目の雰囲気に全く味気や色気がない。よしこれで決まりという気分にはなれなかった。

これは随分前に買った物で、家でも使わないわけではないが、大活躍しているわけでもない。可哀想だけどこのテーブルはそういう中途半端な存在感なヤツなのかもしれない。

なのに何故これがあったのかと言うと、まだ小さかった娘がテレビを観ていて、「パパこれ凄い! 買った方がいいよ!」と妙に感動し、娘からそう言われるとパパも何だか凄く良い物に思えてきてしまい、テレビショッピングで買い物などしたことなどなかったのに、つい画面の中の人に言われた通り30分以内に電話してしまったという次第だ。恥ずかしい。

多分今娘に訊いたら「へ? そんなの覚えてない。」とあっさり言われてしまうに違いない。

インスパイア

そんなことも思い出しつつ、ならどうしたものかと後部座席に座り、目の前にある件の仕切りバー(正式名称は知らない)をボーっと見ていたら良いことを思いついてしまった。

正確に言えば、思いついたと言うより「思い出した」の方が正しいかもしれない。

先日取材させてもらった知人のハイエースにこんな物が付いていたのだ。

天板の奥側がバーの上に乗り、手前に脚が1本出ているテーブルだ。脚は長さが調整でき、折りたためるようになっている。

このテーブルを裏から見るとこんな感じだ。使わない時は脚をたたんで天板はバーから吊り下げて収納できるようになっている。

これを思い出したのだ。冒頭で「便利な活用法を考案した」と書いてしまったが、これも正しく言えば「インスパイアされた」とか、悪い表現をすれば「パクろうとした」なのかもしれない。

しかし、私のキャラバンで全く同じように真似をしようとすると、高さの高い非常に使いにくいテーブルになってしまう。また、できれば脚がない方が何かと良いのではとも考えた。

インスパイアから新たな考案へ

バーに直接取り付けたらテーブルが高くなり過ぎる。

ということで、解決方法はいくつか思い浮かんだが、最もシンプルで製作が簡単そうなのは、このバーを利用して上の画像のように垂直に板を固定し、そこにテーブルの天板を取り付けるといった方法だ。

言い訳するのでもないが、仕組みが違うから、やはりパクリではなくインスパイア程度で良さそうだ。

しかし、これだけ見るといかにも取って付けたような感じで「なんか変なの。参考になどしたくない。」と思われてしまいそうだが、完成形を見てもらえばそんなこともなくなると思うので、このまま読み進んでいただきたい。

板の寸法を合わせた後の仮止めの状態なのだが、下側に回って撮った「こうやって固定する予定」の画像だ。

板を固定する金具は、水道管などのパイプ類を固定するための金具で、各種サイズがあり、幸いピッタリのものが近所のカインズホームで見つかった。この程度のサイズなら数枚入りで100円もしない。

材料

今回用意した材料はネジやニス、テーブル完成後に取り付けたオプション?類などを除くと、上の物が全てだ。

垂直に立てる構造用合板は、高さを少し切り詰めたが、置いてみたらたまたま幅がピッタリちょうど良い物が余っていたので、それを利用した。

天板用の板も何に使っていたのか思い出せないのだが、何故か幅も手頃で奥行きもちょうど良く、手前の側の角まで落としてある板を発見。

どちらの板も再利用で無駄がなかっただけでなく、僅かな加工だけで済んでしまい、手間がかからず大変ラッキーだった。

天板の固定には、なんと言う名前か知らないけど、折りたたみ式の棚受け金具を使うことにした。これを使えば脚は不要だ。

この金具も誰かに貰って(買った覚えはないが、もちろん盗んできたわけでもない。しかし不用品を貰う受けることは多い。出どころが不明なことより思い出せないことが多いことが少し不安。)在庫していたようで、ようやく日の目を見たような感じだが、買うと結構高いようだ。

これも買わずに済んだため、結局買った材料はパイプ固定用の金具だけで、ニスも余っていた物を利用したから、今回の出費は100円にも満たなかった。

製作に取りかかる

先程の画像では垂直に立てる構造用合板が仮止め状態だったが、仮止めの理由はサイズの確認と、この板を固定してしまう前に先にこの板に棚受け金具とテーブルの天板を固定してしまった方が作業がしやすいからだ。

天板と金具を付け終わった状態が下の画像。ここまで出来上がってから車側に取り付けた。

後になって気づいたのだが、ここまでの製作中の画像が板を仮置きした場面以外全くなかった。しかし、板はほぼ加工済みだったし、特に難しいことなど何もなかったので撮っておく必要のある場面がなかったのも事実だ。

少し面倒だったことや注意点を強いて挙げると、
● 棚受け金具のビス用の穴が金具の支えの部分(可動部分)とオフセットされていなくてドライバーと干渉してしまい、非常にビスを打ちにくかった(もう少し考えて作れないものだろうかと感じてしまった)こと。
● 2つの金具を高さも向きも正確に合わせて取り付けないとスムーズに可動しなかったり傾いてしまう(幸いこれも一発で上手く行ったけど)ことくらいだ。

出来上がったユニットの取り付けも特に難しいことはないが、1人での作業だから、板が反対側に倒れてしまわないように、ビスを打つ間は表側を棒で筋交のようにして支えている。

出来上がり

「製作に取りかかる」の項目があまりに短かったが、取り付け終わるとこうなる。

そしてテーブルをたたむとこうなる。

上の画像2枚が、取り敢えず取り付け終わっただけの素の状態だ。しかし、これだけでは全く味気なくてつまらない。

ランタンをかけるための柱とフックを付け、メッシュパネルも取り付けた。

ボードに直接フックや物入れを取り付けても良いと思ったのだが、メッシュパネルがあると配置換えや付けるものも簡単に変えられるので、メッシュパネル(これも家に余っていたもの)を付けることにした。

だんだんと完成に近づいてきたが、まだこれは自分にとっての完成形ではない。

絵を飾り、フェイクグリーンなども使って装飾も施すとこんな感じになる。ここまで終わってようやく完成した気分になる。

仕事モードにするとこんな感じだ。

テーブルの奥行きと座面の位置関係は、使い心地において大変重要だと思うのだが、実際に座ってみてもこうして横から確認しても大変良好だ。

我ながら結構良い出来に仕上がったと思う。

食事モードにするとこんな感じ。

車内やキャンプの食事で何枚も皿やボウルを並べるわけではない。1人で使うのには十分な広さだ。早く本当にここで食事をしたい気分になってきた。

後部座席を復活させた理由

後回しになってしまったが、後部座席を復活させたくなった理由を説明すると、私事で恐縮だが実は脚を患ってしまい、まだ海には復帰できていないのだが、座らないと左足を上手くウェットスーツの裾に通すことができなさそうになってしまったことが原因だ。

危うい状態でポンチョを被ったりタオルを巻いて着替えていて転けたりしたら、現在のか弱い体では場合によっては笑い事だけでは済まされなくなって(出血すると服用している薬のせいで血が止まりにくいため、怪我は禁物)しまう。

それで考えてみたら、この車の後部座席は足元のスペースが十分広く、中腰になって立てる室内高もあり、窓には濃いスモークも貼ってあるため、心置きなく車内でゆっくり着替えることができる。

着替え場所としても最適だったのだ。

ならば滅多に使わないからと後部座席をたたんだままにしておくのではなく、後部座席を復活させようとなったということだ。

こうやって見ても、たたんだテーブルが足元で邪魔になるようなことも全くない。

そして、先にも書いたがこの後部座席は結構座り心地が良い。長距離を運転した時などもここで脚を伸ばしてゆっくり休憩したり軽いストレッチなどもできる。

今回作ったテーブルがあれば、ここで快適に食事やDRIMOの原稿書きもできそうだ。これからは原稿書きも部屋に篭っていないで、海に入れなくてもなるべく近くの海岸や湖畔にでも行ってやろうかなと思えてきた。

バンは使っても便利で楽しいし、いじっても楽しい。想像力が膨らんで気持ちも明るくしてくれる。

やはりバンは最高だ。

ライター:笠原 サタン

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