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車室内の模様替えするとき気をつけておきたいこと【快適車中泊テクニックVol.4】

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


前回本当は車室内の模様替えの話しのつもりだったけど、新たに導入したリアゲートタープによる「土間の増設」の話しがメインになってしまい、室内の模様替えの話しに入る手前で終わってしまった。そんなわけで今回は室内の模様替えについて。

風の恐ろしさ

ところで、先日時折15mを軽く超える突風の吹く中で件のリアゲートタープを張ってみた。そんな中でもリアゲートタープは結構耐えてくれていて、改めてこれは使えるなあと思いながら中で着替えなどもしたのだけど、時折吹く突風の強さに少しビビり、海に入る前に念のためタープは一旦撤収しておくことにした。

その後海に入り、しばらくして浜の方へ目を向けるとビギナーサーファーらしき7~8人の集団が悠長に浜にボードを並べて準備体操を始めたので、「危ないぞー。」と思って見ていたところ、案の定20mを超える強烈な突風が吹き、並べてあったボードは浜へ降りる斜面を超えて木の葉のように宙を舞い上がり、その先の道路と駐車場も超えて藪の中まで飛んで行ってしまった。彼らは気の毒だった(海に入る前にボードはボロボロ)けど、走行中や駐車中の車や人に飛んだボードが当たらなかったのが本当に幸いだった。

ボードを吹き飛ばしたあの風の中では、導入したばかりのタープもズダズダに破けてしまった事は想像に難くない。破れたタープが飛んで行って他人に迷惑をかけるようなことになってしまったら「タープが破れて残念」だけでは済まされない。

森林限界を超えた高山で潰れたテントの残骸を見た(そのテントの持ち主がどうなったかは想像するのも恐ろしい)ことや、キャンプ場で張ったばかりの大型のファミリーテントが突風ですっ飛んで行き、茫然と立ちすくんでいる家族を目の当たりにしたこともあるが、タープやテントの設営には本当に注意が必要だと改めて思った出来事だった。皆様も風には本当に注意していただきたい。

室内を模様替えする前の注意点

「テールゲートタープを使った土間増設プラン」のようなアップグレードなら、車自体に手を加える必要がないので車検に関わる問題などもなく手軽だ。しかし、車自体の内装をいじるとなると車検の問題が絡んでくるので、無闇やたらに手を加えてしまうわけにも行かない。まずはそんな話しから。

8ナンバーとそうでない車との違いとメリット・デメリット

ご存知の人も多いと思うが、正式にキャンピングカーと呼ばれる車両は、特殊用途車として8ナンバーで登録することになる。しっかり車中泊仕様になっていてキャンピングカーのようであっても、ナンバープレート上部の小さい数字が5や7や3で始まる車は乗用車、4や1で始まる車は商用車であって、法的にはキャンピングカーではないということだ。

登録区分の違いによる税金・保険料金・高速料金・車検期間の違いなどについてのメリット・デメリットは色々なところで語られているのでそれらについての説明はここでは省略し、案外知られていないようなメリット・デメリットについて話したいと思う。

また、8ナンバーのキャンピングカーとしての用件を満たすには、調理や水回りの設備、寝台の大きさなど様々な規定があるが、それについての詳細もここでは省く。しかし、以前はなかったのに8ナンバー登録のハードルを高くしてしまった規定があるので、それについては簡単に触れておきたい。

それは室内高だ。現在はキャンピングカーとして8ナンバーを取得するには室内高160cmの確保が必要になってしまったため(以前は室内高に関する規定は特になかったと思う)、自作キャンピングカーの場合は8ナンバーの取得が一段と難しくなってしまった事情がある

別に脱税をしたいとか申請が面倒だからという理由ではないのだが、私のキャラバンもそうした事情から1ナンバーの商用車として登録している。あるいはそうせざるを得ないとも言える。

また、通常は室内高が160cm未満であっても、停車中にポップアップルーフで室内高を上げられるようになっていれば8ナンバー登録することができる。

しかし、ポップアップルーフがついていても、調理や水回りの設備などキャンピングカーとしての他の用件を満たしていない場合は8ナンバー登録ができないため、やはり乗用車や商用車として登録することになる。

実際私もポップアップルーフ付きで2階の寝室があるようなステップワゴンを以前所有していたことがあったが、その車は調理や水回りの設備などがなかったため、乗用車登録だった。

乗用車や商用車として登録する場合は、調理器具やシンクなどの設備や元々あったシート以外に設えたベッドなどは基本的に積載物(荷物)扱いとなるため、簡単に外せたり下ろすことのできる状態でなければならない。とは言っていい加減な積み方をしていては安全上大いに問題があるため、それはそれで工夫が必要となる。

また、例えば座席をソファー兼ベッドのようなものに勝手に取り替えてしまうと車検は通らないし、乗車定員を変更する場合も申請が必要なため、あまり使わないからと言って後部座席を取り払ってしまったりすると、そのままでは車検は通らなくなってしまう。

反面、座席の他にベッドや調理設備などを積んでいたとしても、簡単に下ろすことのできるものであればそれはあくまで積載物だから、気分次第でその部分を模様替えするのは全く問題ない。

それに対して、8ナンバーのキャンピングカーの場合は、例えばシート兼寝台を登録時とは違う状態に無闇に改造してしまうと車検に通らなくなってしまう可能性があるから、気分転換に気軽にベッドの位置を変更したり増減してしまうわけには行かない。

また、使用頻度が低いからと言って、車内に設えられた調理器具や水回りの設備を取り払ってしまうと、やはり車検に通らなくなってしまう。

それだけではない。走行や安全面には全く関係のない調理と水回りの設備を下ろしていた状態(要するにキャンピングカーに構造変更する前のノーマルな車両とほぼ変わらない状態)で貰い事故に遭った車両が違法改造とみなされ、保険が下りなかった事例まである

これは本人から直接聞いた実例だから都市伝説のようなものではない。何とかして保険金を払いたくないのが保険会社側の心情だろうが、危険な状態に改造されていたのとは全く事情が違うのにである。これはちょっと盲点のようなものでもあるので、8ナンバーのキャンピングカーオーナーの人は十分注意していただきたい点だ。

またこれと似た変な話しとしては、乗用車・商用車キャンパーの車中泊仕様車に対するディーラーの車検対応の問題がある。

陸運局で車検を受ける場合は、ある程度の積載物(寝台や棚などの家具類)が積まれたままの状態であっても、極端に重くはなく簡単に下ろすことができる状態であれば、そのまま車検を受けることができ、大抵問題なく検査を通る。

それに対し、普通に考えたら全く納得できない話だが、ディーラーに車検を依頼する場合は、全て下ろして何かもノーマルの状態にしておかないと受け付けてさえ貰えないことが多い

事情を説明すると大変長くなるのでここでそれについての説明は割愛するが、とにかく基本的に車内も車外もノーマル状態にしておかないと、現在(以前はこれとは逆な時期もあった)はディーラーで継続車検を受けることはまず不可能だと思って間違いない。新車で買って、そのままディーラーに車検を依頼しているような人は注意が必要だ。

商用車キャンパーの魅力

私は先に書いた通り好き好んで商用車のままキャンパーにしているわけではないのだが、実際に感じる商用車キャンパーの大きな魅力がある。それは「内装をいじれる自由度が高いこと」だ。ガランとした何もない荷室スペースの広い商用車は、家具調度品の固定されたキャンピングカーは元より、乗用車ナンバー車中泊仕様車と比較してもずっと内装をいじれる自由度が高い。

内装の設備を車体にガッチリ固定することのできないデメリットも、ポジティブに考えれば大きなメリットとなり、工夫のしがいがあるというものだ。「色々面倒臭い規定の多い日本で、いかに快適な部屋を車内に作ることができるか。」は日本ならではのVAN LIFEの楽しみ方でもあると思う。

最近実施したキャラバンの模様替え

キャラバンが9月に車検(商用車なので毎年車検)だった。棚やベッドなどの類はそのまま下ろすこともなく無事継続検査は合格したが、さすがに車検を受ける際には通常は積んだままになっている海で使う道具やキャンプ用品や食料やら何やらの結構大量にある荷物はなるべく下ろすことになる。

ある程度車内がスッキリしてしまうと、ついでに内装をいじりたくなってしまい、何箇所かいじってみた。勿論先に挙げたような注意点を踏まえた上での改装だ。

上はキャラバンのこれまでの左後部ウィンドー。有孔ボードを吸盤で窓に固定していたのだが、これが陽の当たる側に長時間駐車していたりすると吸盤が緩んでしまうようで、たまに吸盤をチェックしておかないと走行中に有孔ボードがガバッと外れてしまうことがあり、先ずはその問題を解決しようと思ってあれこれ考えていた。

いかにも車内に合いそうな雰囲気の小さな棚を入手していた(もらった)ので、これをどこかに設置しようと思っていたのだけど、これを有孔ボードの支えを兼ねるように左後部ウィンドーの前に設置すれば一石二鳥ではと考えた。

そして、さらに縦に1×4の板を一枚支えに貼り付け、窓枠上部にも支えの板を一枚貼った。どっちの板も強力な両面テープで窓枠のゴムの部分に貼ってあるだけなので、もし車検の時に何か言われたとしても全く問題なし。そして超強力両面テープの接着力は頼もしく、これで窓を塞ぐ有孔ボードが剥がれ落ちることもなくなり、完成度はアップ。

棚はベッドの上に直接置くと下段の引き出しが開けにくく、マットも敷きにくくなってしまうため、2×4の下駄を履かせるようにして設置。ベッドの板にはしっかり固定して十分有孔ボードの支えとしても機能しているけど、車体には固定していないので、これまた車検には問題なし。この通りTherm-a-restの厚手のマットを敷いても引き出しには支障なし。

そしてクリート(船具の一種)を棚の両側に取り付けて、走行中は引き出しの脱落防止用のバンジーコードをそこにひっかけるようにした。上の棚の部分は蓋を付けようかとも考えたが、ダイソーの布製の四角い小物入れのようなものがピッタリ収まったため、取り敢えずこれで行こうと決定。

ベッド下の収納は、これまで主に板を持ち上げて中の物を取り出す仕組みだったのだが、上に棚が乗ってしまったため板を持ち上げることができなくなってしまった。しかし、アイリスオーヤマの縦長のボックスの蓋を外してみたらこれがまたサイズがピッタリだったので、それを使って引き出し式にした。

そして板を持ち上げるより実はこの方が物の出し入れがしやすく便利になった。これは怪我の功名のような棚ぼたのような感じでもあるのだが、実はこんな風に引き出し式でシンクや火器の出てくるキャンピングカーがあったのを見ていて良いアイディアだなあとは思っていた。

しかし、そのまま真似をしても自分の使い方には合わないと思いつつ何か応用できたらと思っていたので、色々見てきたことが活かされた例の一つだと思う。

棚を設置したせいでベッドの幅が少し狭くなってしまった。しかし、高さが二段階に変えられてベンチにもテーブルにもなり、二つ繋げると幅広に使えるコメリオリジナルのテーブルをこれまでも常時たたんだ状態で積んでいたのだが、これをベッドの横に置くとちょうどベッドフレームと同じくらいの高さになる。そして、上に12mmの板を置くとベッドと高さがピッタリ。

ということで、このテーブル兼ベンチをベッドの横に一つ置き、上に板を置いてベッドの幅を稼ぐことにした。勿論テーブルは簡単に下ろせるので、外で使用する際にも全く支障はない。足元も広くなって一石二鳥。

といったところで、今回はここまで。今回実施したもう一つちょっと大きな模様替えの話しがあるのだけど、続きはまた次回。

DIYでの加工や改造は安全面に影響が出る可能性があります。また、アフターサポートなどを受けることができなくなる可能性もありますので、法令、基準などを遵守した上で自己責任で行ってください。不明な場合は販売店などに確認してから行うようにしましょう。

ライター:笠原 サタン

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