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キャンピングカーのマルチルームに排気ファンをDIYで取り付け!
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
私たちの車には、「UFOベンチレーター」と呼ばれる、なにやら聞き慣れない換気機能が付いています。ベンチレーターの中には太陽電池で排気するものもありますが、どうにも排気量が物足りません。マックスファンなどの風量が大きなものに比べると、やはり排気や換気能力は低めです。
ダイネットでガスコンロを使う際には一酸化炭素中毒を心配してしまいますし、トイレもラップポンという衛生的なラミネート式を使っていますが、用を足す際、どうしても臭気が気になってしまいます。
そこで今回、換気口をDIYで加工し、強制排気ファンを取り付けることにしました。その取り付け方法と結果をご紹介するので、ぜひ参考にされてください。
UFOベンチレーター
UFOベンチレーターとは、屋根にきのこ状の防雨カバーがついた筒状の換気口のこと。単なる自然換気用の丸穴なので、排気能力はありません。
室内から見ると、上の写真のような形状です。上の方に、虫の侵入を防止するための網が付いています。
虫の侵入防止の網は、下方向に引っ張ることですっぽり抜けます。円筒状になっていて、大きな虫が入れないようになっています。
排気口は、網を取ってみると……単なる穴です。穴の上の方に、きのこ状の防雨カバーが見えます。
ちなみに、UFOベンチレーターはどれもほぼ同じような構造です(中には角形もあります)。
ここに、強制排気ファンを取り付けていきます。
強制排気ファンについて
取り付け方法の前に、強制排気ファンについてもご紹介します。
強制排気ファンは、UFOベンチレーターと同じ外径の『CARAC(カーク) 室内換気ファン 12V』を選びました。
排気ファンの回転数を低速・高速に切り替えるためのスイッチが付いています。
排気ファンはSANYO製(現在は日本電産サーボ製)で安心。電流も0.13Aの低消費電流型なので、常時換気も可能です。
排気ファンの取り付け
DC12V電源の確保
まずは、電源をどこから取るのかを決める必要があります。
私たちの車の場合、シャワー・トイレルームにLED照明が付いているので、そこを狙うことにしました。みなさんの車も、照明が付いている部分には間違いなくDC12Vの電源があるので、探してみてください。
シャワー・トイレルームの鏡を外すと、やはり、電源ラインがありました。
写真の赤と黒の線が、LED照明の給電用のDC12Vの電源線です。今回は、この電源を流用しました。
※場合によっては、配線色とプラス・マイナスの極性が一致しない場合もあります。必ずテスターで極性を確認してください。
次に、安全ヒューズ。探してみると、LED照明用のヒューズから給電されていました。
F5のヒューズを抜くと、マルチルームの給電配線部が12Vから0Vになりました。
※多少手間がかかりますが、必ず安全ヒューズから給電されている電源を使用してください。間違ってバッテリーからの直接電源などを使用すると、ショートした際に配線が燃えて火災になる可能性があります。
配線作業
安全な電源が確保できたら、今度は配線作業を行います。
電源ラインから排気ファンへの分岐は、接触不良がなく一番確実な、キャップ型の圧着端子を用います。
※安全ヒューズを抜いた状態で、電圧が0Vであることを確認してから作業を開始してください。
赤(+)電源、黒(-)GNDを、圧着端子で強制排気ファンのプラス(+)とマイナス(-)線に接続します。
電源の分岐(圧着作業)が終わったら、インシュロックと保護テープなどで、必ず振れ止め防止の加工をしましょう。車は常に振動するので、擦れてショートしないように、配線を保護することが重要です。
虫の侵入防止網の取り付け
防雨カバーがある開口部には、虫の侵入を防止するために、改めて網戸を流用したカバーを取り付けます。
やや見た目が悪いですが、ここに強制排気ファンを付けるので問題ありません。見た目を気にせず、さらに両面テープなどを使って、しっかりと貼り付けました。
まだ位置を決めるための仮止めですが、このように網は綺麗に隠れます。
分岐した電源線と強制排気ファンへの給電線を、半田で接続します。この際、熱収縮チューブなどで銅線部を保護しましょう!絶縁ビニールテープなどでも流用できます。
位置を決めたら、強制排気ファンの本体をネジ止めします。
化粧カバーで配線をカバーすると、より見栄えがよくなりますよ。ホームセンターなどで、壁紙の色に合わせたカバーを選んでみてください。
私が今回用いた配線の保護カバーはこちらです。
動作確認
取り付けが完了したら、強制排気ファンの動作をチェックします。
まずは、取り外していた安全ヒューズをセット。その後、強制排気ファンのSWをONにして、ファンが回転することを確認します。
そして、ティッシュペーパーなどで吸い込み方向の確認をしましょう!天井側に吸い込まれていることが確認できたので、これで無事取り付け完了です。
まとめ
強制排気ファンを取り付けた結果、トイレを使用する際も、ダイネットへ臭気が漏れにくくなりました。
また、念のため窓も開けるようにしていますが、ダイネットでガスコンロを使っても、安全に料理ができています。
かかった費用は、強制排気ファンと配線保護モールなど、合わせて約7,000円とリーズナブル。取り付け作業も1日で済みました。
みなさんも、UFOベンチレーターの自然排気となっている車の場合、ぜひ取り付けにTRYしてみてはいかがでしょうか?
DIYでの加工や改造は安全面に影響が出る可能性があります。また、アフターサポートなどを受けることができなくなる可能性もありますので、法令、基準などを遵守した上で自己責任で行ってください。不明な場合は販売店などに確認してから行うようにしましょう。
ライター:ささき夫婦
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- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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