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珍しい?! 日産キャラバンベースのコンパクトなキャブコン!! バンテック「ASTRARE CC1」
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
今年4月に開催されたジャパンキャンピングカーショーでお披露目となったバンテックの「ASTRARE(アストラーレ) CC1」を紹介します。
ASTRAREは、イタリア語のASTRA(星)とMARE(海)を組み合わせた造語。
星のように輝く瞬間と海のように雄大な優しさを持つ空間、という意味が込められているそうです。
1,000万円クラスのキャブコンながら、省くところは大胆に省いた、これまでのバンテックのモデルとは方向性の違う、新しいキャンピングカーのカタチを提案しています。
ASTRARE(アストラーレ) CC1
ビルダー:バンテック
タイプ:キャブコン
ベース車両:日産キャラバン(NV350)標準ボディ
乗車定員:7名
就寝定員:大人3名+子ども1名
全長:4,960mm
全幅:2,060mm
全高:2,740mm
価格:10,187,000円(税込)~
公式サイト
https://www.vantech.jp/lineup/cc1/index.html
「ASTRARE(アストラーレ) CC1」とは。
ベース車となっているのは、日産のキャラバン(NV350)。
キャブコン(後部の居住スペースに大幅な架装をしたキャンピングカー)やバンコン(外観はほぼそのままで車内を改造したキャンピングカー)のベースとしてはトヨタのハイエースが圧倒的なメジャーですが、現行モデルはキャラバンのほうが比較的最近(ハイエースは2004年、キャラバンは2012年)に発売されていてデザインも新しいので、こちらを採用したとのこと。
製造しているのは秋田県にあるキャンピングカービルダー・ファーストカスタム。販売はバンテックが一手に担うということです。
キャンピングビルダーとしての長い歴史と実績がある両社が協業することで、製造から販売、その後のメンテナンスまで万全の体制を敷いています。
外装
ボディサイズは全長4960mm×全幅2060mm×全高2740mmで、キャブコンとしては小柄。
屋根なし駐車場なら大体どこにでも収まると思われます。
外装デザインはベース車のキャラバンの形を活かしつつ、居住スペース部分を見ても、取って付けた感のない流れるような自然なライン。
運転席上のバンク部分も低めで、後輪のタイヤハウスの形状も洒落ています。
バンやトラックベースのキャブコンはどうしてもボテッとした外観になりがちですが、アストラーレ CC1は全体に低く抑えられた印象ですっきりしていますね。
外装でまず特長と言えるのが、スライドドアを採用したエントランス。駐車場で隣に車が止まっていても難なくドアの開閉ができて乗り降りがしやすいドアです。
車両最後部には外からアクセスできる荷室(バゲッジスペース)があります。このバゲッジのドアもスライド式(スイングアップ方式)。
狭いところでも荷物の積み降ろしがしやすいようになっています。
エントランスドア、バゲッジスペースのドアともに半ドアになっていても自動で閉まるオートクロージャー付き。
シェルはFRP製。ボディパネルと内張りの間には、鋼製のフレームが入っていて、万が一の横からの衝突などの際に、衝撃を和らげる構造。
見た目のカッコ良さだけでなく走行時の安全性も高めています。
内装 レイアウト
車内居住スペースのレイアウトはキャブコンの定番と言えるもの。
エントランスから車内に入ると正面がダイネット(リビング)。
エントランスドア右手にキッチン。
キッチンの正面にマルチルーム。
車両最後部に常設の二段ベッドがあります。
ダイネットは、全長5mを切るキャブコンとしてはかなりゆったりめの4名対座。
運転席の後ろ、2列目シートは固定で後ろ向き。
3列目は固定で前向き。
ソファもテーブルも余裕のサイズです。
乗車定員は7名ながら、就寝定員は大人3名+子ども1名としていることからも分かるように、少人数でのびのび過ごしたいユーザー向けの作りと言えます。
リビングテーブルはワンタッチ昇降でタイプ。
押し下げるとベッドの台座代わりになり、簡単にベッド展開できます。
ダイネット横には大きな窓。
アクリル二重窓なので断熱性に優れます。
網戸とシャードの両方付き。
ギャレー
調理スペースとなるギャレー(キッチン)の天板は広々としています。
丸いシンクと伸び縮みできるシャワーフォーセット(蛇口)を装備。
キッチンに向かって左側には90Lの冷蔵庫と電子レンジが標準で付きます。
ただし、コンロはありません。
このクラスのキャブコンだと2口コンロは当たり前というのが今までの常識でしたが、実は多くのキャンピングカーユーザーは車内で火を使わないというデータがあるとのことで、あえてコンロは省いたそうです。
その代わりというか、キッチンの天板の下には、コンビニやハンバーガーショップにあるような大きなゴミ箱スペースが設けられています。
これまた斬新で実用的なアイデアですね。
さらに、給水タンクと排水タンクはともに容量13Lと小さめ。水の補給や汚水の処理でタンクを持ち運ぶことを考えたら、この容量がベストだという判断だそうです。
このようにギャレーの装備は、ここ最近のキャンピングカーの使い方のトレンドに沿って取捨選択されています。
常設ベッド
ダイネットをベッド展開することで大人2名が就寝できますが、それに加えて最後部にも常設2段ベッドが備わっています。
上のベッドは跳ね上げ式になっているので、下段のベッドのみを使うこともできます。
その場合は天井までのスペースも十分で圧迫感もないでしょう。
1~2人旅ならダイネットをベッド展開して就寝すれば、常設ベッドは上下で大きな収納スペースとして使うのも便利だと思います。
読書灯が上下のベッド用に1つずつ付いています。
収納
常設ベッドを収納代わりに使うのもいいですが、それとは別に収納スペースが車内のあちこちに用意されています。
まずダイネット横の窓の上とギャレーの上にオーバヘッド収納棚。
マルチルームもカセットトイレを置くもよし、車内の収納スペースとしても重宝するでしょう。
外部収納としては先述した最後部のラゲッジスペース。
これだけあれば少人数用の荷物を積むには十分ではないでしょうか。
電装&AV設備
電力供給の要となるのは大容量200Ahのリチウムイオンバッテリー。
屋根の上にあるソーラーパネルと走行充電システムも搭載しているので、90Lの冷蔵庫や電子レンジ、後述しますがエンジン停止時用のクーラーの稼働にも不安は少ないでしょう。
また、オーディオ&ビジュアル(AV)の装備も充実していて、15インチのフリップダウンモニターとパイオニア製の埋め込み式スピーカーを採用。
ダイネットのソファでくつろぎながら映画や音楽を楽しめます。
空調設備
充実した空調設備もアストラーレ CC1の大きな特長です。
エンジン停止時の冷暖房として、高効率のDC12Vクーラーを標準装備。暖房はキャンピングカーの定番中の定番であるFFヒーターをこれも標準で付けています。
そして天井のベンチレーターは車両中央と後部の2カ所に設置。
効率よく空気の循環ができるようになっています。
安全装備
コンパクトなサイズとはいえ、ボディの後部が大幅に架装されているキャブコンです。
後方の視界を補うカメラは運転のしやすさや安全性の向上に貢献します。
アストラーレ CC1には最後部にバックカメラが2つ。
車両後方の映像をルームミラーに常時表示するリアビューカメラと、駐車場などでバックする際に車両周辺の後方確認が容易な広角バックカメラを設置しています。
前輪と後輪の間の死角をカバーするために左右のバックミラーにもカメラを設置。
車内のダッシュボード上に置いた小型モニターで確認できるようになっています。
また、インテリジェントエマージェンシーブレーキも付いています。
これはミリ波レーダーによって前方の障害物を探知するシステムで、緊急の場合には回避操作を促しつつブレーキアシストも行います。
まとめ
全長5mを切るコンパクトサイズでカメラもあちこちに装備されているため、キャブコンとしては、かなり運転しやすいモデル。
駐車や車庫入れも容易でしょう。
決して安くない価格なのにあえてコンロは省くといった割り切った考え方も、「装備は全部盛りしておけば文句ないだろう」的な発想と違って好感が持てます。
しかし、アストラーレ CC1の一番の特長はやはり外装のデザイン=カッコよさではないでしょうか。
バンコンに比べてスペースに余裕があるキャブコンなんだから、居住性が大事というのはもちろんその通りです。
しかし、だからといってエクステリアのデザインもあきらめたくないという人も少なからずいるはず。
そんなあなたにはかなり刺さるモデルだと思います。
ライター:DRIMO編集部
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