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軽バンがまさかの故障。原因究明のためエンジンプラグを点検してみた【軽バン秘密基地計画#07】
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
8月の最後から2番目の土曜日に、海岸のキャンプ場でキャンプをしてきた。場所は南房総市多々良北浜キャンプ場。家から40kmも離れていない所だけど、この夏最後のキャンプを楽しもうということで海の仲間が集まったので、私も家に帰ることなくバモス泊をしてきた。
ちなみに、信号が少なく道も空いている房総半島南部では、30~40kmという距離はすぐ近所といった感覚だ。以前住んでいた逗子からだったら川崎辺りかそれ以上の距離で、神奈川県にいたらとても近所とは思えない距離だ。そして神奈川県だったら同じ距離の区間に信号の数は多分10倍以上あると思う。
房総に住んで15年になるが、こっちに住むようになって神奈川県や都内で暮らしていた頃とは距離感が全く変わってしまった。
ゆるくてリーズナブルなキャンプ場
ついでにこのキャンプ場について説明しておくと、ここは7月1日~8月31日(+GW中)の期間限定で開設されるキャンプ場。目の前はすぐに海、と言うより浜を少し地固めして(草が生えている部分も多い)、トイレ・シャワー・炊事場などを設えたようなところだ。地面に張られたロープでなんとなく通路が示されているだけで、サイトの区切りなどは一切なし。早い者勝ちで陣取るだけのような感じだ。
ホテルや旅館のように入退場時間がキッチリ決められているキャンプ場も少なくないようだが、ここは入場時間フリー、退場時間フリーでややこしくない。夜に到着した場合は、フラッグの付いていない車やテントがあると翌朝管理人さんが料金を徴収に回ってくるだけ。
このように堅苦しくなくて、利用料金も高くなくて、案外ビーチ直結のキャンプ場というのも多くないからか結構人気があり、お盆休み期間などは難民キャンプ並みに混雑する。
管理人は地元のおじさん達。房州弁は東京から近い割に案外馴染みのない人も多いのではないかと思うが、おじさん達が普段話すのはさらにクセのある浜言葉だ。よそ行き言葉でなく普段の調子で喋り始めると尚更何を言っているかわからなくなる。でも気さくで感じの良い人達だ。
しかし、何かとゆるゆるな雰囲気ではあるが、2019年は8月31日が土曜日だけど、9月1日の日曜日まで営業することはなく、きっちり31日の土曜日で営業を終了するとのこと。そこはさすが公営なのか、そんなにまでして儲ける気もないのか、多分理由は後者なのではと思うが、とにかく1日伸ばさず31日で終了する。
ここの利用料金をざっと説明すると、
・キャンプ場入場料:500円/1人(日帰り利用は300円)
・テント・タープ:500円/1張り(どこの長さのことかわからないけど4m以上は1,000円)
となっていて、それにプラスして、
・普通の車の駐車料金:500円(1日分なのか2日分なのか曖昧だけど、日帰りでも500円、キャンプしても500円)
・キャンピングカー及び車中泊の駐車料金:1,000円
となっている。
これが軽自動車であろうが何だろうが車の中で寝る場合はとにかく1,000円だから、ハイエーススーパーロング+普通の4~5人用のテント1張りでも、テントを張らずに軽バンの中に寝ても入場料以外にかかる費用は同じく1,000円というちょっとおかしな価格設定になっている。
「車の中で寝たほうが車+テントより占有面積が少なくなるのだから変だろ?」とか「車1台+タープで、寝る時はタープの下に置いたコットで寝たら1,000円なのか、コット分が加算されて1,500円になるのかどっち?」とか「車のサイドオーニングは別料金なのか車の料金に含まれるのか?」などと突っ込みたくもなるけど、多分役所の人が「キャンピングカーは大きいから」程度であまり深く考えずにこう決定してしまったのではないかと思う。
キャンピングカーかどうかで料金が違うキャンプ場は他にあるけど、単純に車の大きさ(例えば全長5m未満か以上かなど)で料金を決めれば良いと思うのだが、そういう発想はないのだろうか?
また、このキャンプ場は、以前は営業期間以外も水道は使えなくなってしまうが、入場することはできて、営業期間外にキャンプしている人もちらほらいた。
しかし、この海岸付近で禁止されている乗り物(海辺に騒音とオイル臭を撒き散らすあの乗り物)の出艇に使ってしまった人達がいたため、何年か前から営業期間外はチェーンをかけて車の侵入ができないようになっている。
それに伴い、グレーだった営業期間外のキャンプに対しても対応が厳しくなり、「車は外の駐車場に停めて歩いて入ってキャンプしていたら、特に騒いでいたわけでもなく少人数でひっそりやっていただけなのに、地元の人に通報されて、おまわりさんが来てしまった。」なんてことも実際にあったようだ。世知辛い気もするけど仕方がない。ということなので、ゲリラ的キャンプもしないように注意していただきたい。
翌朝起きてみると
土曜の晩は楽しい宴。夜中に雨が降ったようだが、この晩は比較的涼しかったのと、Nクールのお昼寝マットと先日入手したウィンドウメッシュ(スライドドア用網戸)のおかげで、雨が降ったことも知らずに朝までグッスリ寝てしまった。
自分は快眠できたが、朝エンジンをかけてみると何かおかしい。振動が大きいと言うか、アイドリングが滑らかでない。以前空冷のワーゲンに乗っていた時に似たような症状が出たことがあったのを思い出した。
その時は、後でわかったのだがシリンダーが緩んで2気筒状態(4気筒エンジン)になっていた。ワーゲンの空冷エンジンでもなければ、そんな状態でエンジンは回りはしないので、さずがにそれと同じということはあり得ない。
しかし電気系統のトラブルなのか、燃料系のトラブルかはわからないが、とにかく2気筒状態かそれに近い状態になっているようであることは確かなようだ。でもまあ力は出ないけど何とか普通のスピードは出るので、その後は別の海岸まで移動してサーフィン。
夕方帰る時に「エンジンをかけたら普通の状態に戻っていた」なんて儚い願いを込めつつキーを回してみたが、やはりそんなうまい話はない。相変わらず変なリズムだ。
家に帰るには距離は30km程度だが、標高は低い(千葉県は日本一標高が低く、最高峰でも408m)けど山を越えなければならず、小さな峠が三つ待ち構えている。それが少し憂鬱だった。しかし頻繁に2速にキックダウンしながらも意外と何とかなり、煽ってくるような車も現れず、無事山を越えることはできた。
しかし、家に近づいてくるにつれ新たな不安が募ってきた。山を無事に越えらることばかりに気を取られていて、最後の最後に難関が待ち受けていることをすっかり忘れていた。私の家は少し丘を登ったところにあり、急峻な小径を登らなければ家に辿り着くことができないのだ。
慣れていない人は結構ビビる急で狭い坂道で、長さは50mもない程度だが、50ccのカブは1速でなければ登れない急坂だ。果たしてここを登れるかが問題だ。
少し頼りなさげなエンジン音でその坂に差し掛かると、案の定途中で登れなくなってしまった。バックして少し勢いをつけてやり直してみるが、やはりエンジンはウーンと唸るだけで車は前に進まなくなってしまう。辺りは暗くなってきて蚊も出てきて気持ちも暗くなってきた。
しかし気を取り直し、荷物を降ろしてみることにした。今回は自分のキャンプ道具だけでなく、BBQの道具やら何やら色々積んでいてかなり重く、エンジンが元気だったとしても「よく頑張ってくれるなあ。」と思えるような荷物の量だった。
急な坂道の途中で大量の重い荷物を降ろし、それを持って坂道を何往復も繰り返すことになってしまったのだが、結局その荷物運びだけで30分近くかかってしまった。
ヘロヘロになりつつ荷物を運びながら、具合が悪いのによくここまで頑張ってくれたものだと、バモス君に酷い仕打ちをしてしまったような気分になってきた。荷物を運び終えて一息入れ、また勢いをつけて登り直すと明らかに軽い。
軽さが体感できなければ、あの重労働も報われないというものだ。何とか重労働の甲斐もあり坂道を登りきることができた頃には真っ暗になってしまったので、その日は終了。
原因究明に向けて
調べてみたら、このエンジンは結構点火系のトラブルが少なくないようだ。翌日、とにかくプラグを点検することにした。なんだかプラグがオイルでベトベトに濡れてしまう事例とかも少なくないようで、そうなるとプラグホールパッキンやらヘッドカバーガスケットやらの交換が必要になってしまう。しかしそれはちょっと大ごとで、自分でやれる自信がない。そこまでのことになっていないことを願うばかりだ。
バモスは箱型車に多い運手席の下にエンジンがあるレイアウトではなく、後ろの方にエンジンがある。
しかし、後輪の車軸より後ろにエンジンのある空冷のビートルやダイハツ製ではなくスバルが作っていた頃のサンバーなんかが正式なリアエンジンで、リアミッドシップなんて言うとスポーツカーみたいだけど、バモスは後輪の軸より少し前にエンジンが載っているからリアミッドシップ(バモスは)だ。
だからボンネットを開けたり助手席を持ち上げたらすぐにエンジンにお目にかかれるわけではなく、エンジンの様子を見ようと思ったら荷物を全部降ろしてカーペットをめくる必要があり、さらに蓋は簡単にパカっと開くわけではなく、いちいち4本のボルトを外して開けなければならない。
ここにエンジンがあることでバランス的に良かったり、室内がエンジンの熱で熱くなりにくかったり、静かだったりと良いことが沢山ある反面、エンジンを見るのが億劫になってしまうのは小さくない欠点だ。
蓋を開けるとこんな感じ。今まで多少は自分でいじったことのあるエンジンは、プラグコードを外せばプラグの頭がすぐそこにあって簡単に外せるものばかりだったけど、このエンジンはダイレクトイグニションコイルというやつが各々のシリンダーに入っていて、どうやらプラグはそれを外した穴の先の奥の深いところに隠れているようだ。
だからまずはそのダイレクトイグニションコイルを外すことになる。情報収集していた時にカーペットを前側にめくって、非常に作業しにくそうにしていた動画があったが、後ろ側にめくれば全く問題なく、作業性は決して悪くはない。
上の方に3本置いてある棒状のやつがイグニッションコイル。外してみたら、とりあえずオイルまみれではなく乾いていたので一安心。
次にプラグを外しにかかる。結構長いエクステンションがないと届かない奥深くにプラグは収まっている。こんなに深いところにあると、マグネット付きのプラグソケットでなかったら、緩めた後もプラグを取り出せない可能性があると思う。
外してみるとかなりくたびれた様子で多少オイルも滲んでいる。しかし、幸いなことに3本ともネットで調べていた時に見たような油まみれのベットベト状態にはなっておらず、パッキン類はどうやら無事そうであることが判明。ここまでは取り敢えずメデタシ。
プラグを外したところで、車で10分くらいのところにある黄色い帽子に行ってみたらビックリ。昔はずらっとプラグが並んでいるコーナーがあったものだが、今時そんなコーナーがないようだ。それで南米の大河にプラグを発注。
翌日届いたプラグは当たり前だけどピッカピカ。早速取り付けてみる。交換が終わってエンジンをかけてみたら明らかに軽やかな感じはしたが、やはりギアを入れてみる(AT)と振動が大きくなってしまう。
そこで試しにプラグを一つずつ外した状態でイグションキーを回してみることにした。2気筒かそれに近い状態になっていたとしたら、無事な2気筒両方に電気が通っていなければエンジンが回らないはずだ。
結果、後ろから見て右側のプラグを外してもあまり大差なくエンジンは回るけど、中央か左側を外した場合は、キーを回すとエンジンがかかりそうにはなるけど回らない。確実にプラグも交換した方が良い状態ではあったけど、プラグは全て新品だから、残念ながらプラグが原因ではなかったとことは判明し、それ以外の理由で後ろから見て右側の気筒が働いていないというところまでは判ったことになる。
それで今度はダイレクトイグニッションコイルを南米の大河に発注。これを書いている現在は、それの入荷待ち状態。イグニッションコイルが原因だったら良いのだが、そうでなかったら修理に出すしかない。犯罪を犯したわけではないけど、判決を待っているような状態だ。
DIYでの加工や改造は安全面に影響が出る可能性があります。また、アフターサポートなどを受けることができなくなる可能性もありますので、法令、基準などを遵守した上で自己責任で行ってください。不明な場合は販売店などに確認してから行うようにしましょう。
ライター:笠原 サタン
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