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【報われなかった「挑戦車」たち】~新規格でも人気の軽ホットハッチを狙ってみたが~4代目スズキ アルトワークス【推し車】
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新技術を盛り込むも、時代は既にアルトワークスを求めず…
4代目アルトワークスは、2代目後期からの伝統と言えるDOHCターボエンジンK6A搭載の「RS」系…3代目以降はFF/4WDを問わず「RS/Z」、型式HA22Sと、SOHCターボエンジンF6Aを積んだ廉価版「ie」、同じくFF/4WD問わず型式HA12Sの2種類。
販売の主力は「形だけでもアルトワークス」なieと、それをベースにした「リミテッド」など特別仕様車ですが、イメージリーダーのRS/Zは先代と同じエンジンながら可変バルブ機構を、FF車には電子制御スロットルを採用するなど、意欲的な高性能化を図っています。
この電子制御スロットルが少々クセモノで不具合が続出、後期型では廃止されてしまうのですが、筆者が実際にドライブした前期型FFワークスRS/Zは調子良く、アクセルペダルを「踏もうと思っただけで加速」するほどレスポンスは最高でした(最高すぎた?)。
また、新規格軽自動車初期のスズキ車は、ライバル他社が「何をしたらそんなに軽くなるの?」と目をむくほど車重が軽く、たとえば同クラス軽ホットハッチのダイハツ ミラTR(FF・5MT)が車重740kgなのに対し、アルトワークスRS/Z(同)はわずか670kg。
これだけ違えばアルトワークス最高!となりそうですが、当時のクルマ雑誌で加速対決をすれば僅差でミラTRが勝ってしまったり、モータースポーツでもスズキスポーツ(現・モンスタースポーツ)は積極的に使わず、特にダートトライアルA1クラスからは撤退。
それでも「アルトワークス」というブランドは生きていたので最初はソコソコ売れたのですが、5ドアの「CR」を設定したライバルのミラと異なり、最初は3ドアのみと時代の流れをちょっと外していました。
後にベースのアルトにワークスieと同じSOHCのF6Aターボを積み、格段に安い5ドアの「エポターボ」(1999年3月発売)を追加、1999年10月にはワークスie自体を5ドア化…というよりエポターボの顔や装備をワークス化しますが、RS/Xの5ドアは最後までなし。
ワークスieの5ドア化と同時期に発売されたクラシックモデル「アルトC」など、ヘッドライトやボンネット、エンジンがワークスieそのもので、実質「ワークスieクラシック版」であったり、部品の在庫整理じみたモデルまで登場します。
こうなると「アルトワークスのようなクルマは、もう売れなくなった」と考えても仕方がありません。
2000年12月にアルトから古いF6Aエンジン搭載車が廃止され、本来は量販グレードであるはずのワークスieがラインナップ不可能になった時点で、発売からわずか2年2ヶ月という短期間で、4代目アルトワークスはあえなく廃止されてしまいました。
マツダの“不死鳥経営”はここから始まった?社会現象を起こしたマツダ 5代目ファミリア
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...