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【新型ルノー・キャプチャー】ヨーロッパNo.1コンパクトSUVは日産ノートの親戚|試乗レポ

撮影・文:宇野 智

2021年2月25日から、ルノーの新型コンパクトSUV「キャプチャー」が全国のルノー正規販売店で発売開始されました。これに先駆けて、新型キャプチャーのメディア向け試乗会に参加してきました。

この記事は、
「ルノー・キャプチャーってどんな車?」
「ちょっと気になる」
などと興味をお持ちになられた方向けに、筆者が実体験したキャプチャーの特徴をお伝えします。

ルノー・キャプチャーとは?ヨーロッパ販売台数No.1のSUV

新型ルノー キャプチャー
キープコンセプトでのフルモデルチェンジだが、新型は動きのあるデザインになり、コンパクトなボディサイズながら、1クラス上のCセグメントと引けを感じない堂々たるフォルムになった。

日産元会長、カルロス・ゴーンでルノーという自動車メーカーがあることぐらいは、ご存知の方が多いでしょう。ルノーはフランスの自動車メーカーです。

キャプチャーは、全長4.2mちょっとのコンパクトSUV。全長だけで見れば、トヨタ ヤリスクロスより5cmほど長いだけの大きさです。

そして、ベースはルノーのコンパクトカー、ルーテシア(ヨーロッパでは、クリオの車名。日本にはかつてホンダに「クリオ」というディーラーがあり、これが商標登録されている。このため国内モデルは車名変更して販売される)。

ルーテシアは、ヨーロッパで最も売れているコンパクトカー(本国フランスだけでなく、ヨーロッパ全体で)で、総合では第2位の販売台数を誇ります。ちなみに、第1位はフォルクスワーゲン ゴルフ。2020年では一時期、ゴルフの販売台数を抜いて総合1位になっています。

さらにちなみに、ゴルフはCセグメントとよばれる、ミドルクラス。対してルーテシアは一回り小さいBセグメントに属します。

もっとちなみに、ルーテシアのプラットフォームは「CMF-B」と名付けられたものを使用し、2020年11月にフルモデルチェンジした新型日産ノートと同じとなります。(プラットフォームのバージョンは違いますが)

したがって、キャプチャーとノートは近い親戚となります。そして、どちらも、それぞれの地域では戦略車の位置づけです。

新型ルノー キャプチャー のボディサイド
ボディサイドのプレスラインとボディ下部のブラックとクローム、ブラックアウトされたボディ上部と、デザイン上の特徴を挙げたらキリがないくらい。

キャプチャーの2020年販売台数は、総合第7位。コンパクトSUVではトップです。要するに、キャプチャーはすごいクルマなんです。日本では地味な存在ですが、もっと多くの人に知っていただきたい、と筆者は思っております。

速くて、乗り心地が良くて、1クラス上のクルマ

新型ルノー キャプチャー インパネ
助手席インパネがRが付けられ、視覚的に広く見えるような工夫がされていた。実寸以上の広さを感じる。

新型キャプチャーに試乗してすぐに驚いたのは、加速の良さ。ドライブモード切り替えを備えており、スポーツモードにすれば、コンパクトSUVとは思えない出足の軽さと鋭さを体感できます。スポーツモードで交差点を曲がる時、不用意にアクセルを踏み込み過ぎるとタイヤが鳴ってフロントが一瞬抜けます(すぐに制御がはいります)。

エンジンは、直列4気筒1.3L直噴ターボ最高出力154PS、最大トルク270N・m。このスペックだけでも1クラス上です。ちなみに、このエンジンは、メルセデス・ベンツ Aクラスなどにも搭載される、ダイムラーと共同開発のもの。チューニングはそれぞれの車種に合わせてありますが、基本性能が高いエンジンです。

新型ルノー キャプチャー フロントシート
タイトでもなく、ゆったりでもないちょうどいい感じのシート。

トランスミッションは、7速AT。小気味良い変速が気持ちいいDCT方式です。

そして、ルノーらしい乗り心地の良さが光ります。「ルノーらしい」とは、ちょっと固めのしっかりとした乗り心地のこと。しかし、フランス車はどのクルマも基本的に乗り心地が重視されます。固めと言えどもしなやかな乗り心地の良さがあります。

ちなみに、ルノーの永遠のライバル、プジョーはサスペンションのストロークが長い(よく伸びる)ソフトな乗り心地となります。いずれにせよ、石畳で有名なパリの街を、さっそうと駆け抜けるには良い足が必要なのです。

しかし、日本の道路事情にもとても相性が良い、ということを強くお伝えしたい。

新型ルノー キャプチャー 後席
身長約180cmの筆者は普通に座わることができた。広大ではないが、必要にして十分な空間を確保し、狭く感じさせない設計にしていた。

内装の質感の1クラス上でした。ルノー・ジャポン広報担当から訊いた話では、ヨーロッパでは1クラス上のCセグメントから、一回り小さいBセグメントへのの乗り換え需要が高く、新型ルーテシアと新型キャプチャーは、セグメントダウンユーザーに不満がないように配慮して設計された、といいます。

もし、読者の方で新型キャプチャーに試乗する機会があれば、ぜひこの走りの良さと乗り心地の良さを体験できるように意識して運転してみてください。

299万円からという戦略的価格設定

新型ルノー キャプチャー みなとみらいで撮影

キャプチャーの国内販売モデルは、「インテンス」と「インテンス パック」のシンプルな2グレード構成で、インテンスの車両価格は税込299万円、インテンス パックは319万円となっています。主な装備さは、シートがファブリックかレザーかの違いです。

いずれにせよ、戦略的な価格設定です。国産コンパクトSUVの上級グレードと大差ありません。ちなみに、ヤリスクロスの最上級グレード(2WD)は258万円。

新型ルノー キャプチャー
ポップな色使いの2カラーインテリアも素敵。

キャプチャーはハイブリッドではない、そしてハイオク仕様というのがネガに感じる方も少なくないとは思います。しかし、ハイオクとレギュラーの単価の差は10円程度、実燃費の差異はよほど走行距離が多くない限り、極端な費用増加にはならないでしょう。個性が主張でき、楽しい走りと高い質感を持つクルマであることを考えれば、コスパは悪くないかも。

売れているモノには、それなりの理由があります。キャプチャーも乗ってみればわかる、そんなクルマでした。

執筆者プロフィール
宇野智
宇野 智
モーター・エヴァンジェリスト/ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー/エディター エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元MOBY編...

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