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【ジャンニーニ500シリーズ】知る人ぞ知るフィアット・チンクエチェントのチューンモデル
目次
イタリアの老舗チューンメーカー・ジャンニー二の歴史
ジャンニー二の歴史は古くその創業は1920年。イタリア・ローマにアッティリオとドメニコ兄弟が始めた機械修理店でした。当初はイタリアで大手のカロッツェリアであったITALA(イタラ)車の修理を手掛け、その経験を買われ1927年から始まったミッレミリアの初回から、イタラ車のレースチューンを受け持つこととなります。
1930年代にはフィアット 500の初代トポリーノのチューンにもたずさわりますが、エンジン開発にも規模を広げ経営は悪化。1961年には一度破綻してしまいます。しかし、1963年には分社化のかたちで再び創業。その生き残った企業が現存するチューンメーカー「ジャンニー二 オートモビリ S.p.A」です。
現在、ジャンニー二はFCA(フィアット・クライスラー・オートモビル)傘下となり、フィアットモデルへのチューンや特殊車両、クラシックモデルのレストア(古い車の修復・加工)を行っています。
ジャンニー二500シリーズの進化はアバルトへの対抗意識?
アバルト 595(レプリカ)
1963年、ジャンニー二 500シリーズの初代モデル「500TV」がデビュー。TVとはイタリア語で「Turismo Veloce(ツーリスモ ヴェローチェ)」の略称で、高速・長距離向きの車を意味しています。その年代のフィアット500をベースとし、当初はフィアット500 Dをベースとしたため、ドアは前開き後ろヒンジとしていますが、1965年以降のモデルではドアが前ヒンジ後ろ開きへと変更になっています。
デザインではベース車からの大幅な加工は行わず、変更点はわずか。フロントグリル上のジャンニー二エンブレムに、サイドの専用デカール、リア部のバッジ、専用オイルパンなどさりげないほどの箇所としています。
1964年にはさらにジャンニー二 590GTを発表。このモデルは前年にデビューして話題となっていたチューンモデル「アバルト 595」を非常に意識したものとも言え、見た目のマイルドさとは対照的にその中身は真のホットハッチへと進化させているのです。
1949年にイタリア・トリノで創業した世界的にも有名なチューンメーカー「アバルト」。しかし、母国ではジャンニー二も同じように老舗メーカーとしてリスペクトされています。
なかには世界限定200台のコルサも!気になるスペック
ジャンニー二 590GT
デビュー当時のジャンニー二 500TVは、フィアット 500Dの直列2気筒エンジンをベースにカムシャフト・モーターシャフトを変更、シリンダーヘッドはあらたに作り替え、キャブレターにも改造が加えられました。その結果最高出力は25PS、最高速度は105km/hを達成しました。
590GTでは、ストロークを77.5mmに延長。シリンダーヘッド・ドライブシャフトにも変更がかけられ、最終バージョンとなるGTSでは最高出力35PS、最高速度は130km/hを達成するホットハッチに仕上げられたのです。
1990年代初頭、ジャンニー二はベースとなるフィアット 500の程度良好なもののみを集め、590GTのリバイバルモデル「ジャンニー二 590GT コルサ」を発表。同モデルは大きく張り出したオーバーフェンダー、ハイカム入り650ccエンジンにデロルト製キャブ、ロールバー完備のモンスターハッチで、世界限定200台の稀少車とされました。
ジャンニー二は整備工場としてのスタートから車のチューニング・加工などを行う現在まで、長年にわたる実績と信頼を築き上げていて、高性能なチューニング・パーツや高技巧のコンプリートカーを作り続けているのです。
ジャンニー二 500シリーズ激レアで価格応相談のケースも
ジャンニー二 500シリーズは販売台数自体も少なく、イタリア本国でも稀少車であるため、日本に出回るケースは非常に稀で出回ったとしても直ちにSOLD OUTになってしまうようです。参考価格としては300万~500万円ほど。程度によっては価格応相談となる場合もあるでしょう。
ジャンニー二 500TVのスペック表
エンジン | 直列2気筒OHV |
---|---|
最高出力 | 25PS/- |
最大トルク | – |
ボディサイズ | – |
車両重量 | – |
トランスミッション | 4速MT |
駆動方式 | RR |
乗車定員 | 4人 |
新車時車両価格 | – |
撮影:宇野 智(MOBY)オートモビルカウンシル2019にて
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- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理