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ダイハツ「D-CVT」とは?世界初の技術を採用したトランスミッションを解説
ダイハツの「D-CVT」とは?
「D-CVT」はダイハツの新開発トランスミッションで、2019年7月発売の新型タントを皮切りに、ダイハツの新型車に続々採用予定となっています。
新型タントの発表会では、D-CVTの特徴を解説する動画が公開されました。
以下では動画のハイライトを解説しています。
世界初のスプリットギアを採用した技術
ダイハツの「D-CVT」は、エンジンの回転をタイヤに伝えるトランスミッション「CVT」に通常のベルト駆動に加えてギヤを組み込んだ「ベルト+ギヤ駆動」が可能な世界初のCVTです。このベルト+ギヤ駆動は「スプリットモード」と呼ばれており、高い伝達効率と従来のCVTよりも幅広い変速比を実現しています。
D-CVTを搭載した車両はこれまでのCVT搭載車に比べて、低速域と高速域の両方で力強い走りが可能。さらに低燃費であるなど、これまでのCVTとは一線を隠す機構であるといえます。
このD-CVTはダイハツのクルマづくりにおける新たな方針であるDNGAに基づいて開発されており、軽自動車という枠を超えた、高水準かつ高機能なトランスミッションです。
D-CVTが従来のCVTに勝るポイント
トップギヤ状態時の伝達効率が良くノイズが少ない
CVTには最も効率の良い回転数を保ったまま加速を行えるというメリットがありますが、出力が高まるとパワーロスが発生するほか、トップギヤ状態ではエンジンの回転数が高くなり、燃費が悪化。騒音も多くなるというデメリットがありました。
D-CVTでは遊星ギヤの導入により伝達効率の8%向上と、従来CVTに比べてエンジンの回転数を抑えることに成功。燃費向上と低ノイズを実現し、スムーズな高速走行を可能としているとのことです。
低速・高速の両方でスムーズ&低燃費な走りを可能に
従来のCVTの変速比幅は6速ATと同等のものが限界でしたが、D-CVTでは遊星ギヤを用いた「スプリットモード」によりその幅を従来製品に比べて12%拡大。これにより変速比の幅は8速ATと同等のものとなりました。伝達効率の向上と変速比幅の拡大により、低速域でのスムーズな加速と、高速域での低燃費かつ静かな走りを両立しています。
コンパクトなサイズを維持したまま普通車にも対応
従来のCVTは軽自動車には軽自動車用、普通車には普通車用が搭載されるというのが一般的でした。これは両カテゴリーに使用可能な製品は、軽にはサイズが大きく重量増となってしまうこと、オーバースペックとなってしまうことなどが原因です。
しかし、ダイハツのD-CVTはベルト伝達トルクを適正化。コンパクトなサイズを保ったまま排気量1.5Lクラスの車両まで対応可能とのことです。
ダイハツは、商品力構造と開発効率向上のために導入した新世代のクルマづくり思想「DNGA」に基づいた商品展開を進めると発表しており、軽自動車と普通車に共通した商品開発を進めるとしています。このような一括企画開発により新型車の投入ペースを1.5倍にし、2025年までに15ボディタイプ、21車種にDNGAを展開するとしています。ダイハツの新技術を採用した新モデルの登場に期待しましょう。
D-CVTを初採用!新型タントについてはこちら
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...