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【シトロエン CX】ピュアシトロエンの最後を飾ったフラッグシップ
目次
CXの車名は技術用語から。あらたなフラッグシップの誕生
CSが誕生したのは1974年。1955年にデビューし長い間シトロエンのフラッグシップの座にあったDSに変わり、発達した高速道路網にも対応可能なあらたなフラッグシップモデルになるべく開発がスタート。パリサロンがワールドプレミアの場に選ばれました。車名のCXとは車の空気抵抗係数を表す技術用語「Cx」に由来し、それを証明するように空力特性の高さを物語るスムーズなスタイリングとしています。シトロエン CXは1989年に至るまで生産され、その後XMにフラッグシップの座を継承しています。
CX スタイリングはモダン。メーターはボビン式を採用
シトロエン CXのスタイリングでの特徴は、見るからに空気抵抗の少ないファストバック・プロポーションと言えるでしょう。ホイールベース2,845mmはDSよりも短くなったものの当時ではゆとりあるサイズで後席の余裕を確保。ウインドウにも左右3つずつとなる6ライトウインドウが採用されました。また、ボディフレームはペリメーター式。いち早くモノコック構造を採用したシトロエンでは珍しい選択でしたが、敢えて同方式としたのはロードノイズの軽減を意識したものでした。
内装も個性的で、インストルメントパネルはクラスタースイッチ(スイッチ類を1ケ所にまとめる集合スイッチ)とし、メーターは当初円筒が回転するボビン式を採用。ボビン式メーターはGSやSMでも採用され、当時のシトロエンのアイコニック・デザインとも言えます。ステアリングは1本スポーク。厚みのあるクッション下地のシートは高速・長距離航行にも快適な乗り心地となっています。
乗り心地に速さもプラスしたCX。ターボ車も登場
リアは凹面ガラスで空気抵抗を軽減
シトロエン CXは生産された約16年のあいだ、1985年にビッグマイナーチェンジを実施。それをポイントとし、前期型と後期型に区別されるのが一般的です。前期・後期での大まかな変更点は、フロントグリル・ドアミラー形状変更、リアタイヤのサイドスパッツ形状変更、前後バンパーがメッキから樹脂製に変更、内装のメーターがボビン式からアナログ式に変更、となりました。
エンジンはバラエティ豊かで、ガソリン仕様が2.0L・2.2L・2.4Lで直列4気筒OHVの組み合わせ、2.0L・2.2L・2.5Lで直列4気筒OHCの組み合わせとなり、2.5Lにはターボ搭載モデル(25 GTI ターボ)とインタークーラー付きモデル(25 GTI ターボⅡ)もラインナップ。ターボモデルでは最高出力168hpを達成しています。一方ディーゼル仕様も多彩で、2.2L・2.5Lで直列4気筒OHVを組み合わせ、2.5Lにはターボ搭載モデル(25 TRD ターボ)とインタークーラー付きモデル(25 TRD ターボⅡ)もラインナップされました。
CXのサスペンション・システムにはハイドロニューマチックを採用。フロントはダブルウィッシュボーン、リアがトレーリングアームとし、ステアリング機構には車速による操舵力制御機能とセルフセンタリング機能を油圧で実現した「Diravi(=ディラビ)」がSMと同じく装備されました。CXはガソリン仕様ターボモデルで最高速度220km/hを誇り、高速航行でのパワーと優れた走行安定性を実現したのです。
シトロエン CX 後期型の流通量は比較的多め
現在流通するCXは殆どが後期型となっていますが、流通量は比較的あるようです。現在の価格は80万~280万円となっています。(2019年11月時点)
シトロエン CXのスペック詳細
下記のスペックは1985年日本発売のCX 25 GTIのものです。
- エンジン:直列4気筒OHV
- 最高出力:135hp/5,000rpm
- 最大トルク:20.6kg・m/4,000rpm
- ボディサイズ:全長 4,660mm 全幅 1,770mm 全高 1,360mm ホイールベース 2,845mm
- 車両重量:1,390kg
- トランスミッション:3速AT
- 駆動方式:FF
- 乗車定員:5人
- 新車時車両価格:-
*本記事の画像は2019年8月に開催されたシトロエン創立100周年イベント「シトロエン・センティナリー・ギャザリング」にて撮影。
※参考文献:オクタン日本版特別編集 “シトロエン オリジンズ 1919-2019”(世界文化社)
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- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理