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【シトロエン BX】イタリア・ガンディーニが生んだ新たなスタイル
目次
新生シトロエンを具現化したBX。デザインはベルト-ネ
1976年、あらたにPSAとなったシトロエン。LN・VISAとプジョー車をベースとしたコンパクトモデルを発表するも、反響はややインパクトに欠けるものでした。そこで、次期ミドルクラス開発にはデザインを社外委託に決定。依頼先はイタリアのカロッツェリア「ベルト-ネ」、デザイナーはマルチェロ・ガンディーニとなりました。
シトロエンとベルト-ネ、ガンディーニとの関係は、以前にも1972年ジュネーブ・モーターショーの際、コンセプトカー「GS CAMARGUE(カマルグ)」でコラボを果たした間柄。カマルグはBXをはじめ新生シトロエンにとって、大きな影響を与えたエポックカーと言えるでしょう。
シトロエン BX 伝統にシャープさをプラス
BXは1982年パリサロンにてデビュー。GS/GSAの後を継ぐ形のミドルクラスです。ガンディーニはプジョー305をベースとしながら、シトロエンの伝統を生かしつつシャープさをプラスし全く別物に。スタイリングは無駄を一切排した直線基調に、リアタイヤのサイドスパッツは現代版にアレンジ。新生シトロエンを印象付けるデザインとしています。
1986年のビックマイナーチェンジを境に前期・後期に区別されるBXでは、それを機に内装特にインパネ周りに大きな変更がありました。前期型ではスイッチ類を集合させるメータークラスター、円筒式に回転するボビンメーターを採用し、シトロエンらしさが色濃く残るのが特徴ですが、後期型ではメーターは通常のアナログに、メータークラスターも一般的なクラスタースイッチとなりました。また、期を通してシートの座り心地の良さは特筆すべき点で、この時期のシトロエンモデルに共通したものでした。
シトロエン BX エンジンはフラット4からプジョー製に
BXは新体制となったものの、サスペンションには代名詞とも言えるハイドロニューマチックを採用。フロントはストラット、リアがトレーリングアームとしました。エンジンはガソリン仕様が1.4L・1.6L・1.9Lに直列4気筒SOHCの組み合わせ、1.9Lに直列4気筒DOHCの組み合わせとなり、1.9L・DOHCモデルの最高出力は160hpを達成。駆動方式はFFとしましたが、1988年に4WDモデルも追加されています。
一方、ディーゼル仕様には1.7L・1.9Lに直列4気筒SOHCが組み合わされ、1.9Lにはターボモデルも展開し、最高出力は90hpを達成しました。BXは、洗練されたデザインとシトロエンらしい乗り心地、操作性の向上などから大ヒット。シトロエン史上2CVに次ぐベストセラー車となりました。
日本に2台!グループBのホモロゲーション「BX 4TC」も披露
BXには、世界ラリー選手権・グループB出場のためのホモロゲーションモデルが存在。そのモデルが1985年9月発表の「4TC」です。エンジンはプジョー製505をベースに、2.1L 直列4気筒ターボをフロント縦置きとしたパートタイム4WDでハイドロニューマチックも搭載しました。
4TCの最高出力は200psを発揮。さらに1ヶ月後エボリューションモデルも発表し、最高出力380psとしました。その多くがスクラップになったとされる4TC。日本では2台が存在すると言われ、「シトロエン・センティナリー・ギャザリング」で披露。その模様が下記の動画です。
BXの中古車流通量は前期型が稀少
BXの流通量はその殆どが後期型となっていて、ボビンメーターなどが採用された前期型は稀少と言えるでしょう。現在の価格は60万~110万円となっています。(2019年11月時点)
シトロエン BXのスペック詳細
下記のスペックは1987年日本販売された「BX 16 TRS」のものです。
エンジン:直列4気筒SOHC
最高出力:94ps/6,000rpm
最大トルク:14.0kg・m/3,250rpm
ボディサイズ:全長 4,230mm 全幅 1,660mm 全高 1,365mm ホイールベース 2,655mm
車両重量:1,000~1,040kg
トランスミッション:4速AT/5速MT
駆動方式:FF
乗車定員:5人
新車時車両価格:295万円
*本記事の画像は2019年8月に開催されたシトロエン創立100周年イベント「シトロエン・センティナリー・ギャザリング」にて撮影。
※参考文献:オクタン日本版特別編集 “シトロエン オリジンズ 1919-2019”(世界文化社)
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本日の在庫数 3台 平均価格 135万円 支払総額 101~181万円
- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理