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バイきんぐ 小峠英二×シボレー ノヴァ:Vol.1「BLANKEYに撃ち抜かれ」MOBYクルマバナシ
【Profile】バイきんぐ 小峠英二1976年6月6日生まれ。福岡県出身。
1996年に相方・西村瑞樹とお笑いコンビ『バイきんぐ』を結成し、主にネタ作り・ツッコミを担当。「キングオブコント2012」優勝をきっかけにブレイクし、いまや日本のお笑い界に欠かせない存在となっている。趣味はバイク、パンク・ロックミュージック、ライダースジャケットなど。
今回お持ち頂いた愛車は1966年式シボレー シェビーⅡ ノヴァ。
BLANKEYに撃ち抜かれ
まず、小峠さんの愛車について簡単な紹介をお願いします。
これは1966年式の『シボレー ノヴァ』という車です。ノヴァは61年から発売されて、66年に一回モデルチェンジしていますから、僕のは2代目です。年式にこだわりはなくて、これがあったからこれ、という感じ。
初めて所有された車がこのノヴァだそうですが、どんな馴れ初めだったのですか?
昔からアメ車が欲しくて、高校生くらいの頃から「将来アメ車に乗りたい」って言っていた気がします。そこから芸人になって、ようやく車が買えるくらいの余裕も出てきて。
そこで現実的に車を買おうと考えて、最初はシボレー カマロを見にいったんです。だけど、本物を目の当たりにしたら想像以上にデカくて(笑)。免許取っていきなりこれを運転するのはしんどいなと。ちょっと大きすぎるなと悩んでいたら、カマロの隣にこのノヴァがあったんです。
ショップでノヴァに出会って、一目惚れしたと。
見た目がかっこよかったので気になり始めて、ショップの方に聞いたり、自分で調べたりしていくうちにどんどんノヴァが欲しくなりました。
それは運命の出会いですね。
本当にたまたまですね。名前すら知りませんでしたから。車屋さんに「これかっこいいですね、名前何ですか?」って聞いたら『ノヴァ』って。
英会話みたいでダセーなと思いましたよ(笑)。
こちらが小峠さんの所有する1966年式シボレー シェビーⅡ ノヴァ。後継モデル以降は車名から「シェビーⅡ」の名が外されたため、「ノヴァ」の愛称で知られている。縦に伸びやかなスタイリングは60年代のアメリカ車の特徴であり、今なお熱狂的なファンを抱える。
外観はフルノーマルに近い。製造からすでに半世紀が経過しているとは思えないほど真新しく、まるで現代にタイムスリップしたかのよう。
他に迷った車種はありましたか?
一台めちゃめちゃかっこいいマスタングがあったんですけど、ボディカラーがブルーだったんですよね……。ちょっと目立ち過ぎちゃうと思って諦めました。
あとそうだ、シボレー インパラも見に行ったんですよ。でも実際に見てビックリしました、インパラのでかさに(笑)。カマロよりもデカい。あんなのは無理ですよね。
先ほど、高校時代からアメ車に憧れていたと仰っていましたが、きっかけはあったのでしょうか。
僕は中学生の頃からパンクやロックを聴き続けているんですけど、特に『ブランキー・ジェット・シティ』というバンドがずっと大好きで……ブランキーのメンバーが古いアメ車や単車に乗っていたんですよ。だから完全にその影響ですね。
カマロを最初に買おうと思ってたのは、ブランキー・ジェット・シティの『カマロ』っていう曲があるからなんですよ。「カマロに乗って『カマロ』をかける」というのがなんとなく目標だったんです。結局、大きすぎてノヴァにしましたが(笑)。
アメ車は学生時代からの夢だったのですね。実際にノヴァが納車された時のことは覚えていますか?
もちろん覚えてますよ。実は、ノヴァを納車したら一番に千原ジュニアさんに乗ってもらおうと決めていたんです。僕がテレビに出させてもらうようになって以来、ずっとジュニアさんにお世話になってきて、あの人のことが大好きだったので。
だから納車の前日にジュニアさんに連絡して、ノヴァで仕事の現場まで送る約束をしたんです。
素敵な納車エピソードですね。当日はどうだったのでしょうか?
納車当日は車屋さんがノヴァを僕の家まで運んでくれる予定だったんですけど、渋滞してちょっと遅れるってなって。そうなるとジュニアさんの仕事の時間に間に合わないから、急遽ジュニアさんの家の前で勝手に納車しようってことになったんです(笑)。
急いで車を受け取って、ついにジュニアさんを乗せた後は「車を買ったら最初にかける」と決めていたブランキーの『D.I.J.のピストル』っていう、僕の一番好きな曲をかけました。
最高の車と最高の音楽が、ついに同時に。
やっぱりたまらないものがありましたね。「アメ車を買ってブランキーをかける」というのが一つの夢だったんで。しかも好きな人を横に乗せて。感極まりました。
でも初めての左ハンドルだから全然うまく運転できなくて、結局ジュニアさんは遅刻しました(笑)。
ノヴァにはたくさん魅力があると思うのですが、その中でも小峠さんにとって一番のお気に入りポイントはどこですか?
なんでしょうね。まずかっこいい。あとは内装がシャレてるなと思いますね。元々なのかは分からないですけど、内張りが全部ブルーなんですよ。
売られていた時からこの状態で、これは良いなと惹かれました。
ベンチシートが採用された簡素なインテリア。タランティーノ映画のワンシーンに登場しそうな、アメリカンな装い。
クラシックな風情があるノヴァの内装は、何の変哲もない日常にも彩りを添えてくれそうだ。
もしかして、小峠さんがよく着ていらっしゃる青のライダースジャケットは、これに合わせて……。
いや、それはたまたま(笑)。あとは古いアメ車独特のエンジン音とか、三角窓なんかも雰囲気がありますよね。
「運転席が簡単に倒れるんですよ。片手で前に押すだけ。これがなんだか面白い」と小峠さん。これでもかというほどシンプルな機構である。
“クラシックカーの代名詞”ともいえる三角窓。エアコンがまだ普及していなかった当時は換気用の装置として存在していたが、安全性や機能性などの観点から徐々に廃止された。
CDもたくさん積んでありますね。社外のカーオーディオは小峠さんが付けられたのですか?
本当にオリジナルにこだわる人は、社外品はつけないと思うんです。でも僕にとって音楽は絶対に必要なものなので、オーディオだけは仕方なく後付けしました。うまいこと裏に隠すこともできるらしいんですけど、そうするとCDチェンジャーも収納されちゃって、好きなタイミングで曲を変えられないみたいで。
僕は好きな曲を好きな時に聴きたいなと思って、これだけは自分の中で許しました。
小峠さんが昔から集めているCDコレクション。ブランキー・ジェット・シティをはじめ、シャム69やザ・ストライプス、横道坊主など、パンク・ロックバンドが国、年代を問わず顔を揃える。
ノヴァに取り付けられているデジタル製品は、カロッツェリアのカーオーディオのみ。
特によく聴く音楽はありますか?
やっぱりブランキー・ジェット・シティがこの車に一番合うような気がして、よく聴いてますね。他にはザ・クラッシュとかセックス・ピストルズ……まあ初期パンクと言われるやつは全般聴いてます。邦楽だったらオールディックフォギーもかっこいいですし、もうキリが無いくらいありますね。
この車には、今まで僕が聴いてきた音楽は大体合いますけど、J-POPや静かな音楽は全然合わない。エンジン音にかき消されちゃうんです。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...