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ジャルジャル後藤淳平×ボルボ240:Vol.3「愛と衝動」MOBYクルマバナシ

車は人生をともに過ごす仲間。“その車”には、どんな想いが詰まっているのだろう――。類まれな才能と豊かな感受性で、独自の笑いを生み出すジャルジャル後藤淳平さん。名車『ボルボ240』と『アルファ・ロメオ ジュリア GT1300 ジュニア』の2台を所有し、車の文化、仕組み、機能性をとことん突き詰めるその姿勢は、まさに“車オタク”と呼ぶにふさわしい。「自分の残りの人生で、乗りたい車には全部乗りたい」と語る後藤さんに、車好きになったきっかけや、愛車の魅力について語っていただく、“MOBYクルマバナシ”。

【Profile】ジャルジャル 後藤淳平1984年3月20日生まれ。大阪府吹田市出身。
愛車:ボルボ240エステート(1988年式)、アルファ・ロメオ ジュリア GT1300 ジュニア(1970年式)

前回までのインタビューはこちら:
Vol.1「限りある人生で」
Vol.2「信じるで、その言葉」

Vol.3「愛と衝動」

後藤さんはこれまでに3台の車を所有されましたが、車を買う度に古い車になっていますね。

だんだん旧車に慣れてくるんですよ。免疫がついて、知識とか経験の幅も広がっていくというか。

いま所有してるボルボ240も、アルファロメオ ジュリア1300も、まあベターですよね。ちょっと車知ってる人やったら誰でも知っている、旧車ど真ん中。

そしたら次買うのはマイナー車かなと。「そこいったか」と、一目置かれるような領域に足を踏み込みたくなるんです。そんなんばっかり考えてます。

本当にいつも車のことを考えているんですね。

車の話題だったらなんぼでも喋れます。というか、永遠にしゃべっていたい。車の仕事が一番嬉しいですし、車の世界に入る時に良い人達と巡り合ったので、本当に恵まれていると思います。車好きな人は、良い人が多い。

先日スチャダラパーのBoseさんとお仕事で一緒になりまして、Boseさんって車が好きで、コラムとかやられてるんですよ。僕それ読んでて、思い切って話しかけてみたんです。そしたら車の話でめちゃめちゃ盛り上がった。

それまでBoseさんとの接点なんてないし、僕って結構人見知りするタイプなんですけど、車の守備範囲も近くて、いくらでも喋れたんです。そういう時に、車好きで良かったなって。

もともと車に詳しくなかったとおっしゃっていましたが、調べだしてとことんハマり、そこから交友関係も広がったと。

そうなんです、もともとは全然。240で車のこと調べだしてから「うわっ、車って面白いな」ってのめり込んだ。

各メーカーによって色が全然違うし、車種によって乗り味とか何もかも違う。国によっても違うし、国内のメーカーでも方向性がそれぞれ違うし。

こんなに種類あんねやって、勉強しだしたら面白くて。車のことを考えるだけで楽しいです。

次はどんな車を検討してるんですか?

ちょっと天邪鬼なところがあるので、ドイツ車よりもフランス車。

特にシトロエンは「ハイドロ(ハイドロニューマチック)」っていう油圧式サスペンションを採用してて、独特なんですよ。この油圧式って、シトロエンだけなんですね。

シトロエン DSっていう車からハイドロというシステムが始まって……C6を最後に無くなってしまうんですけど。なかなか個性的な機構だったもんで、オイル漏れがよくあったみたいです。

シトロエンのDSとかGSとか、品川の『ジャベル』っていう専門店に見に行ったんですけど、めっちゃカッコ良いですよ。

動いてない時は、亀みたいにベタっとなってるんですよ。だけどエンジンがかかると、油圧がサスペンションの高さを調節して、車体がわーっと浮き上がる。フラットに立つんです。

とにかく乗り心地が素晴らしい。空飛ぶ絨毯。学校の机で下敷きを滑らすとスーって滑るじゃないですか、あんな感じです。

カーデザインの歴史に名を刻む、洗練されたデザインですよね。それくらい評価が高いですし、こんな車は無い。

モーターショーに登場した時、何世代も他の車を置き去りにして未来に行ってもうた、みたいな。後ろもすごいんですよ。生で見たんですけど、デカ!って思いました。

僕もちょっとしか乗ったこと無いから調べた情報ですけど、フランス車って足回りが柔らかくて、シートがしっかりしてるから疲れにくいんですって。なかでもシトロエンは顕著。でもパーツ代が高くて、維持が大変みたいです。

それからエグザンティアとか……今の若い子は知らないでしょ? その前にはXMってモデルもあって、いいなぁと思うんですけど、僕みたいな素人が手を出していいのかなぁとか。

しかも全然走ってるの見かけないんですよ。それってつまり、難しい車なんやっていう証拠じゃないですか。でも欲しい。シトロエンにすっかり心を奪われてます。

フランス車の虜になってしまったんですね。ちなみにドイツ車を選ばないのはなぜですか?

僕のイメージですけど、ドイツ車は渋い印象があるので、もう少し年齢を重ねてから乗りたいですね。ほんの一瞬ですけど、ジュリアを買う時に古いベンツと迷ったんです。迷ったんですけど、やっぱり最初は恐いというか不安なんで、維持しやすいジュリアを選びました。

旧車は種類が多いので悩んでしまいますよね。非現実的な空間を演出してくれるクラシックカーって、本当にドラマチックです。

そうですね。アルファロメオなんてパワステ付いてないから重たいし、夏なんかクーラーも付いてないから、停める時だけで一気に汗かくみたいな。でもそれも、広い意味でロマンチックですよね。

やっぱり乗り味というか、運転してて楽しい車じゃないと運転したくないなって思います。一概には言えないですけど、現代車ってなんだか薄味じゃないですか。結構何乗っても、印象があんまり変わらない。

でも昔の車は色というか、味が濃いですよね。そういう車はなんぼでも運転してたいです。

グリル中央に冠されたボルボのエンブレムは『アイアンマーク』と呼ばれている。右斜め上を向く矢印は「製鉄」を意味するシンボルで、『信頼性と耐久性』を大切にするボルボの信念が伺える。

真っ赤なボディに留まる『240 GL』の煌めき。永久に色褪せない、ボルボの歴史が刻まれている。

話が戻ってしまいますが、そもそも最初にジープのパトリオットを購入されたいきさつは? 旧車ではないので、すごく興味があります。

あんまり言ってもしゃーないんですけど、もともと車を買おうってなったきっかけがあったんですよ。

決して良い話ではないんですけど……若手の頃に東京のテレビ番組でトラブルがありまして。完全に番組側のミスだったんですけど、特に謝罪もなく、すごく悔しい思いをしたんです。

当時は大阪に住んでいたので、品川からの新幹線の中で「わざわざ東京まで来て、なんでこんな目に遭わなあかんねん」と、モヤモヤ。

この鬱憤をなんとか晴らす方法無いんかって色々考えて、新大阪に着いた時に出た結論が「よし、車買おう」だったんですよね。

車買って、それ乗ってテレビ局行ったろうって。そしたら少しでも自分の気持ちが晴れるんちゃうかって。

その時はきっと、車を一種のステータスだと思ってたんでしょうね。

実際に購入されるのが、後藤さんの凄いところかと。そういえば2010年に放送された『爆笑レッドカーペット』の特番「ジャルジャル上京物語」で、番組の最後に相方の福徳さんと「東京で頑張って一軒家を買おうね」と言っていたのですが、それも叶いましたね。

そんなん言ってました?(笑)

おそらく当時想像してたよりは、相当小さい家ですよ。でも、家買いましたね。ほんまですね。

「ジャルジャル上京物語」の時は25才で、福徳と大阪から東京まで33時間かけてドライブしたんですよね。あの頃はペーパードライバーだったし、ハンドル握ることなんてなかった。

実はレッドシアターやってた時のプロデューサーさんの家が近所で、子供を公園に連れて行くと会うんですよ。すごい偶然ですよね、繋がってますね。

上京されてから苦労されたことが沢山あったかと思いますが、今のお気持ちはいかがですか?

自分の人生って基本的に振り返らないんですけど、そう言われたら確かに、上京してからの7年間でいろいろありましたね。

ふだんあんまり必死に見られないですけど、結構ほんまにガムシャラというか、「こんなのやりたい」とか「こんな風になっていきたい」とか考えてるうちに月日が経ったという感じです。

いまの現状って全然満足いくもんじゃないですけど、心のスキマを車が埋めてくれるっていうか、やっぱり車って僕のなかで偉大なんです。

いつか誰かも言ってましたけど、車を停めて、鍵を閉めて、その後に一回振り返りたい。振り返って「おー」みたいな。そういう気持ちになれるのは幸せです。

若手時代のほろ苦い経験から車を購入し、今ではすっかり車オタクになった後藤さん。過去に『レッドシアター』で掲げた “一軒家を買う” という夢を叶え、当時のプロデューサーさんとご近所になるなど、人生の点と点はいつか繋がるんだなと、感慨深いものがありました。車を停めて鍵を閉めたあとに振り返りたくなる衝動は、まさに愛そのものですね。

次回“MOBYクルマバナシ”最終回では、ご家族とのドライブの想い出や、運転中に気をつけていること、さらに "車に一つだけ機能を付けられるとしたら?” という質問に答えてくださいました。後藤さんの魅力がたっぷり詰まった最終話、ぜひお楽しみに!

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Vol.4(最終回)「王道の先へ」

取材:米永豪、田神洋子
撮影:佐藤亮太
文:田神洋子

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