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ジャルジャル後藤淳平×ボルボ240:Vol.1「限りある人生で」MOBY連載インタビュー

車は人生をともに過ごす仲間。“その車”には、どんな想いが詰まっているのだろう――。類まれな才能と豊かな感受性で、独自の笑いを生み出すジャルジャル後藤淳平さん。名車『ボルボ240』と『アルファ・ロメオ ジュリア1300』の2台を所有し、車の文化、仕組み、機能性をとことん突き詰めるその姿勢は、まさに“車オタク”と呼ぶにふさわしい。「自分の残りの人生で、乗りたい車には全部乗りたい」と語る後藤さんに、車好きになったきっかけや、愛車の魅力について語っていただく、MOBYスペシャルインタビュー。

【Profile】ジャルジャル 後藤淳平1984年3月20日生まれ。大阪府吹田市出身。
愛車:ボルボ240エステート(1988年式)、アルファ・ロメオ ジュリア1300ジュニア(1970年式)

Vol.1「限りある人生で」

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

後藤さんは現在、ボルボ240とアルファロメオ ジュリア1300の2台持ちだそうですが、まずはボルボとの出逢いからお伺いしたいです。

ボルボ240との出逢いは、今から7年前。大阪から上京したのが26才で、その2年後に買ったので5年目の付き合いになります。

もともと最初にジープのパトリオットを新車で買ったんですよ。その時は全然車に詳しくなくて、「ジープカッコええな、男らしいな」と、無骨な感じに惹かれて。そこから子供が生まれて、ファミリーカーとして乗り続けてはいたんですけど、「なんか満足出来へんな」ってだんだん物足りなくなったんです。

そんな時たまたま大阪の作家さんから「ボルボいいよ」っておすすめされまして。この作家さん、昔ボルボの整備士やってはったそうで、整備士の大会で上位とるような凄い方だったんですけど、説得力があるじゃないですか。ちょっと興味が湧いて「どれがいいの?」って聞いたら、「ボルボといえば240でしょ」と。調べてみたら、めっちゃカッコ良かったんですよ。

でもやっぱり生で見てみないと分からない。そこから大阪とか、東京の三鷹にあるボルボ専門店行って、いろんな人から話を聞いて。

一つ上の世代に940っていうのがあるんですけど、そっちと比較したこともありましたね。「240もいいな、940もいいな、でもやっぱり240かな」といった具合に。

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

240の購入まで、結構悩まれたんですね。

車って何を買うかも大事ですけど、どこで誰から買うか、っていうのも重要じゃないですか。

特に旧車はメンテナンスが必要なので、買ったらそれで終わりじゃなくて、ショップとの付き合いも考慮しないといけない。だから「この人なら信用出来るな」っていうオーナーさんから買わなあかんなって。

これから旧車を買おうとしている人にとっても、お店選びは大事な要素ですね。

長く乗るうえで良い状態を維持していくためには、一番大事かもしれないですね。例えばネットオークションで買ったとして、そこからが大変。今じゃ手に入らないパーツとか、あるかもしれないですよね。

良い関係を築ける車屋さんから買えば「故障したんですけど、どうしたら良いですか」ってなんでも聞けますし、おすすめですよ。

ボルボはそんな風に悩みつつ調べてくうちに、いつの間にか大好きになっていた車です。手に入れる前から夢中でしたね。

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

後藤さんに5年連れ添うボルボ 240。スウェーデンの自動車メーカー・ボルボが1974年から1993年まで販売していた乗用車で、世界累計268万5,171台の生産。デザイン、安全性能、基本構造の完成度が高く評価され、ボルボ史上最大の成功を収めたモデル。かつてのボルボ社のCEOペール.G.ジレンハマー氏が『生きる伝説』と称している。

240のお気に入りポイントは?

240の何が良いって、まず見た目。ちょっとクラシカルな雰囲気で、ラインが直線的で、カッコええですよね。それだけで満足出来ますよね。

そして致命的な故障が少ない。エンジンとかミッションがやられるとか、あんまり考えなくていいんです。車は見た目も大事ですけど、頑丈という点にも惹かれました。

240は“ネオクラシックカー”と呼ばれている世代の名車。未だに道路で走っているのは、頑丈で壊れにくいからなんですね。

そうそう、ネオクラ世代です。ちょこちょこした小さいトラブルとか消耗品の交換はあるんですけど、パーツが豊富で安いんですよ。だから圧倒的に維持しやすい。素人が扱いやすい車だと思います。

最近240をよう見ますね。買った時よりも、街ですれ違うことが多くなりました。

ジャルジャル 後藤隼平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

後藤さんが絶賛するスクエアなフロントフェイスは、ボルボ 240の最大の特徴であり、最大の魅力。大きく張り出した黒いバンパーが、衝突安全性能を高める役割を担う。

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

エクステリアと同様シンプルで直線的な室内。20年以上前に発売されたと思えないほどコンディションが良く、それだけ大事に乗っていることが伺える。

ジャルジャル 後藤隼平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

視認性の高い計器類の左側に、これでもかというほど大きなクォーツ時計を配置。中央のオドメーター「128445」は走行キロを表示している。低走行車とは言えないが、ボルボ240ならどこまでも走り続けるはず。

それでも、これだけ綺麗な240はあまり見かけないですね。

綺麗な方かもしれないですね。アイシンというトヨタ系列の会社が作ってるオートマチックですから、信頼もあってとにかく扱いやすい。

回転半径がめっちゃ小さいので、小回りがききます。狭いところでまだ曲がる?みたいな。ぐっていきますね。

ボディーに対して、タイヤとタイヤの間が短いですもんね。

四角いから運転しやすくて、見切りもだいぶ良いです。ほんとにすごい。

2016年に放送されたアメトークの「旧車好き芸人」では、旧車好きかつ機能性を求める方におすすめしたいとおっしゃっていましたね。

番組ではすごいイジられましたね(笑)。でも、ボルボが僕のことをおいしくしてくれたと思ってます。

ほんまにね、総合点で言ったら240は完璧に近い。僕の中では。

ところが目移りすることもあるんですよ。実際にアルファロメオを購入したのもありますし、フランス車だったらシトロエンがええなとか、頭の中をたくさんの名車が駆けめぐります。

車のことを深く知れば知るほど、次はこんな車に乗りたい、あんな車も乗りたい、時間足りひん、人生足りひんって。

自分の残りの人生で、乗りたい車には全部乗りたいんです。

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

すごく良いお話ですね。

決して安い買い物じゃないですし、タイプにもよると思いますけど、僕は出来る限りいろんな車に乗って、いろんなことを知りたい。

一生涯に1台と決めてずっと寄り添っていくのも素晴らしいと思うんですけど、「この車に乗るためにもっと売れないと」って、仕事のモチベーションにもつながりますし。……そんなことを240の前で言ったら、また調子悪くなるかな。

というのも今年の夏に車検があって、「どうする?次のそろそろ考える?」なんて話してたらすごい調子悪くなりだして、頻繁にエンストするようになったんですよ。

信号待ちで様子がおかしくなって、「あ、やばいやばい」って。走ってるうちにエンストするようになったりとか、しまいにはエンジンがかからへんようになったりとか、今までそんなこと無かったのに。

ああ、ボルボが聞いてたんやって。

エンストの原因はなんだったのでしょうか?

コンピューターユニットがあるんですけど、中の配線がぐずぐずになってて、それを替えるだけで良くなりました。原因が分かって本当に良かった。今は絶好調です。

ご自身で修理もされるんですか?

ボンネット開けてどうこうとか、そんな大それたことはしないですけど、ナビが切れたとか音楽が切れたとか、大概の「あれ?」っていうのは自分でいじります。ヒューズ交換するだけで調子良くなるとか、本当に楽です。

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

アメトークでは「音で大体故障が分かる」と明言されていましたね。

音もそうですし、アイドリング中にエンジンがちょっとブルってるなとか、不整脈は感じますね。意思疎通ができるようになったというか、自然と敏感になりました。といっても故障は5年乗ってて、数回程度です。

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

配線がむき出しになった、質実なエンジンルーム。雑然として見えるが、全てが目視できるおかげでセルフメンテナンスがしやすくなっている。

長く乗られていますが、その中でも「特にここが一番良い」というところは?

すっごい癒し系なところですね。乗るだけで落ち着きます。

シートがでかいっていうのもあって、長距離運転も疲れない。色気がないと言えばないですけど、内装がめちゃくちゃシンプルで、荷物なんぼ買っても乗りますし、実用性を追求したデザインがお気に入りです。

今ってSUVが流行ってますけど、僕はステーションワゴンで十分満足。結論、やっぱり240が一番良い。

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

2011年に結婚された後藤さん。ふだんは二児の父親として、仕事の僅かな空き時間にお子様に会いに行く子煩悩ぶり。「子供がほんまに可愛い。すぐに大きくなるから、一瞬も見逃されへんなと思います」と笑顔で話す。

ジャルジャル 後藤淳平 ボルボ 240 MOBYスペシャルインタビュー

休日は家族でコストコに出かけるのだそう。ボルボ240はラゲッジルームがとにかく広いので、お買い物や遠出に頼もしい。

本当に愛しているのはボルボ240。出会うべくして出会った、運命の車なんですね。

そうですね、大好きです。これ以上は出てこないんですよね。今のところ。

人間に換算すると年配な感じ。カッコ良いおじさん。普段は「ボルボさん」って敬ったり、「ボルさん」とか「おじさん」って呼んでます。

後藤さんはもともとハマると一直線というか、凝り性なんでしょうか。

一つのことに対して、お?と思ったら、とことん行くタイプみたいです。

知り尽くしたいというか、好きなことだったら飽きないです。

これまでに車と同じくらいハマったものってありますか?

小学校の頃に父親の影響で『ザ・ビートルズ』を聴き出して、ずっと好きですね。ビートルズと同年代の洋楽も聴きますし、凝り出したら長い。

車の中でも音楽を聴かれるんですか?

音楽は基本的に、車の中でしか聴かないです。結婚して子供もおって、仕事場行ったら相方おるし、自宅に僕の部屋があるわけでもないですし、完全に一人になれる空間が車の中だけなんですよ。

だから貴重なんです。部屋みたいな。

車内での過ごし方は?

シチュエーションにもよりますけど、やっぱり仕事のことを考えます。

仕事帰りやったら「もっとこう出来たなぁ」とか、反省タイム。仕事前やったら、それこそ今は12月3日(日)にある『M−1グランプリ』の決勝前なので、ネタどうしようって考えてます。

この記事って、決勝終わりに掲載されますか? M−1の結果次第で読み方変わりますよ。これ結局負けんのに、とか(笑)。

ボルボ240を心の底から愛し、「これ以上の車はない」と断言する後藤さん。ボルボ240の僅かな不調をも見逃さず、隅々まで行き届いた管理を徹底する姿勢がお見事です。

次回12月12日(火)公開のスペシャルインタビュー第2弾では、後藤さんが今年の夏に購入した『アルファロメオ ジュリア1300』についてお伺いしました。さらにジュリアに乗っていた際に歌舞伎町で起こったまさかの出来事など、大ボリュームでお届けします。お楽しみに!

取材:米永豪、田神洋子
撮影:佐藤亮太
文:田神洋子

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