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腰にも優しく、走りも楽しく!? ナイトロンサスでCB1000Fの乗り味が変わる!

CB1000Fらしいクラシカルでコンフォート気味な乗り味は気に入っている。でも、「リヤの突き上げが気になる」「ロングツーリングでもう少し快適に走りたい」と感じているオーナーもいるのではないだろうか。

そんなCB1000Fに向けて、イギリスのサスペンションメーカー・ナイトロンから、フロントフォーク用TVTカートリッジKIT『NTR TVT PRO』が登場。すでにラインアップされているリザーバータンク付きリヤショック『NTR R3』と合わせ、前後トータルでのセッティングが可能になった。

しかも、その開発にはCB1000Fらしい乗り味を残すための、ナイトロンジャパンならではのこだわりが詰め込まれている。今回は開発に携わった中木亮輔さんに、その狙いを聞いた。

CB1000Fユーザーの腰痛対策の最適解!【NTR R3】リヤショック

『NTR TVT PRO』と『NTR R3』が組み込まれたCB1000F。

ナイトロンからホンダ・CB1000F用のサスペンションについて、リヤ用の『NTR R3』に続き、フロントフォーク用『NTR TVT PRO』が出揃ったと聞いたとき、それは“CB1000ホーネット/SPになってしまわないか?”という疑問が湧いた。

CB1000FとCB1000ホーネット/SPは、ベースエンジン、フレーム&スイングアームを共有する兄弟モデル。ストリートファイタースタイルのCB1000ホーネット/SPが、フロント荷重強めで肩からコーナーに飛び込んでいくような現代的なスポーツバイクだ。

これに対しCB1000Fは、外観がレトロチックなら、エンジン特性や走行フィーリングもレトロな味付け。コーナリングに関しても、ホーネットとは対照的に後輪に荷重をしっかりかけて曲がっていく感じ。サスペンションの動きもややコンフォート気味でフワフワとして、昔懐かしい乗り味が味わえる。“フレーム&スイングアームは共通なのにここまで走行フィーリングが違うのか?”と驚いたものだ。

開発にあたっては、CB1000Fが持つシルエットを壊さないよう、リザーバータンクはピギーバック式(ボディ一体型)を採用。
『NTR R3』のスタンダード仕様は、プリロード調整がナット式だが、オプションで油圧アジャスター(HPA)にアップグレード可。

そんな“意図的にレトロな味付け”がされたCB1000Fの足まわりを、ナイトロンのサスペンションでアップグレードしてしまったら、旧車風味のCB1000Fの良さをなくし現在のスポーツバイクにーーまんまCB1000ホーネットにーーなってしまうのではないか? 中木さんへのインタビューではこの疑問をイの一番にぶつけてみた。

CB1000F用の『NTR R3』、『NTR TVT PRO』の開発に企画から携わったナイトロンジャパンの中木亮輔さん。

中木さん「我々としても、車種専用のサスペンションを企画する際にはノーマルの状態で相当乗り込んでキャラクターを見定めます。
そんな中でCB1000Fがネオレトロなモデルとして、かなり低中速域を重視した足まわりになっていることが感じられました。

近年のメーカーのバイク作りは、高めの速度レンジに合わせた足まわりを組んでくることが多いのですが、CB1000Fは逆。峠道や街中をゆったり流すぐらいの速度域からサスペンションがしっかり動いて快適。あえてそういうキャラクターにして、空冷時代のCBらしさを演出していることが分かりました。

ですが、我々の立場からすると“ちょっとやり過ぎ”に感じたんです」。

ターコイズブルーのスプリングが特徴的なナイトロン製品。受注を受けてから、オーナーの仕様にあわせて1本1本丁寧にショックアブソーバーを組み上げるという、他に類を見ないナイトロンの「Assembled in Japan」システムを採用。ノーマルとほぼ同じ足着き性となる“スタンダード”に加え、“コンフォート”、“スポーツワインディング”の推奨セッティングのデータも用意される。

「見た目だけでなく、CB1000Fは乗り味も昔風というわけですが、少し速度域を上げていくとストロークの中間域で急激に減衰が立ち上がるといいますか、ギャップ通過時のリヤの突き上げが出るのが気になりました。ロングツーリングになるとこれが腰痛を引き起こす原因にもなるのです。なので『NTR R3』の開発ではまずこのリヤの突き上げを消すことに注力したんです。

当社のお客様の中には、腰痛対策としてサスペンションの交換を考慮する方も多いのですが、300km、400kmといったロングツーリング時にその違いを感じていただけると思います。

CB1000Fを今よりもっと快適に走らせたいという方は、まずリヤショックを『NTR R3』に交換することをおすすめします」。

調整機構は、コンプレッション(圧)側が“高速”と“低速”の2WAY仕様で、リバウンド(伸)側が1WAY。車種専用として、納品時にはしっかり推奨セッティング(スタンダード)の状態で出荷される。
CB1000F用『NTR R3』には、オプションで油圧プリロードアジャスター(HPA)仕様も用意。価格は60,500円アップ。多くのライダーが“どうせなら!”とHPA仕様を選ぶそうだ。

【NTR R3 データ】
・対応車種:CB1000F(26-)
・品番:NTBKH112R
・価格:202,400円(税込)
・オプション:一体型ハイドロリックプリロードアジャスター(HPA)はプラス60,500円/ー25mmローダウンバージョンは同額の202,400円

CB1000F用 NTR R3の詳細はこちら

さらなる走りの性能を求めるなら『NTR TVT PRO』をプラス!!

『NTR TVT PRO』は、既存のフロントフォークのアウターチューブとインナーチューブを使い、内部構造をそっくり入れ替える。

リヤショックを『NTR R3』に換装するだけで十分な快適性のアップ、走行性能アップが行えるが、さらにワンランク上の走りを追求したいというこだわりのライダーにおすすめなのが、フロントフォークの中身をごっそり入れ替える『NTR TVT PRO』だ。ナイトロンが培ってきたレーシングテクノロジーが惜しみなく投入されている。

ノーマルが、部品点数削減の兼ね合いからSHOWAのSFF-BF(セパレートファンクション・ビッグピストンフォーク)を採用するのに対し、『NTR TVT PRO』は、左右にスプリングがあり、減衰力調整機構を備えるほぼ左右対称な構造としている。

中木さん「CB1000F用『NTR TVT PRO』の開発でこだわったのは、とにかくフロントフォークを“よく動くようにしてあげること”です。

内部の摺動箇所にカシマコートを施すことでフリクションロスを低減。これにより、サーキットレベルのハイスピード走行からハードブレーキングを行っても、しっかりサスペンションがストロークするようにしています」。

商品名である『NTR TVT PRO』とは、Tri-Valve System®テクノロジー(TVT)で、リバウンド(伸)側の減衰バルブは一つなのに対し、コンプレッション(圧)側が2つあることに由来する。写真はコンプレッション側の下部バルブで、瞬間的に高負荷な入力があった場合に作動する。

「CB1000F用のナイトロンサスペンションを作り上げるなかで、課題となったのは、車両のそもそものコンセプトからくるスポーツ性能の低さでした。

また、ノーマルのCB1000FのフロントフォークはSFF-BFという、左側にスプリング、右側に減衰力機構を組み込む構造なのですが、これはフロントフォークの中身が左右対称でないということです。

速度域を上げていくとこのあたりに起因する影響がいくつか見受けられましたので、当社ですでに実績のある『NTR TVT PRO』でそのあたりのネガを払拭しています」。

CBファンのために来日した“天才”フレディ・スペンサー氏。※写真は「Hondaモーターサイクル ホームカミング熊本2025」時のもの。

「実際、2026年4月26日に行われた“CBファンミーティング2026&袖ヶ浦マルッと耐久レース形式走行会第30戦”には、あのフレディ・スペンサー氏が来日して、ナイトロンサスペンションを組み込んだCB1000Fで走ってくれたんですが、見事なスペンサー走りでした。

走行後にお話しする機会を得たのですが、“サスペンションGood!!”と言ってもらえました」

『NTR TVT PRO』のフォークトップ。左右のプリロード調整機構は6角ボルトで行い、ボルト中央にあるキャップボルトで減衰力調整を行う。左がコンプレッション(圧)で右がリバウンド(伸)。

「あえて中低速域のキャラクターを全面に押し出しているCB1000Fですが、『NTR R3』に加えて、『NTR TVT PRO』を組み込めば、あのフレディ・スペンサー氏が納得するくらいまで走行性能をアップできるということです。

ちなみに『NTR R3』&『NTR TVT PRO』の推奨セッティングには、やはり“スタンダード”、“コンフォート”、“スポーツワインディング”があるのですが、フレディ・スペンサー氏が走らせたのは“スポーツワインディング”設定で、それ以上の特別なセッティングは施していません」

【NTR TVT PRO データ】
・対応車種:CB1000F(26-)
・品番:NTFK25HO30K
・価格:286,000円(税込)
・組み込み工賃:55,000円及び、消耗品交換代9,460円が必要

筆者もCB1000Fのデモ車に乗ってみた!

CB1000Fのデモ車には、テクニクスが定期的に行っている「Technix Demo Day」で試乗することが可能。

筆者も、『NTR R3』リヤショックとフロントフォーク用『NTR TVT PRO』を組み込んだCB1000Fを試乗させていただいた。気になるのは、やはり“CB1000Fらしさが消えてしまっているのでは?”というところだったが、これが大間違い。ナイトロンのサスペンションを組み込んだCB1000Fは、しっかりリヤショックに荷重をかけて走らせる“CBらしい”レトロなフィーリングがちゃんと残っていたのだ。

セッティングに関しては、サーキット走行直後ということで、件のフレディ・スペンサー氏に“サスペンションGood!!”と言わしめた「スポーツワインディング」の状態で試乗してみたが、街乗りレベルの速度域であっても、足まわりが硬いとか、曲がりにくいといったこともない。

むしろ、CB1000Fらしく、リヤタイヤにトラクションをしっかりかけて曲がる80年代風の“後ろ乗り”のライディングスタイルが楽しめる。しかも、このセッティングがフレディー・スペンサー氏からお墨付きをもらっているというのだから、CBファンとしてはこれほど嬉しいことはないだろう。

NITRON(ナイトロン)の公式サイトはこちら

気になる人は「テクニクス デモデー」で実際に乗ってみよう!

ここまで読んで「ナイトロンのサスペンションが気になる。でも、実際にどれくらい変わるのか乗って確かめてみたい」と思った人もいるだろう。

そんな人におすすめなのが、埼玉県春日部市のTechnix(テクニクス)本社で定期的に開催されている「テクニクス デモデー」だ。2026年はすでに5回実施し、残すは11月15日(日)のみ。

会場にはナイトロンをはじめ、サスペンションチューニングが施されたさまざまなデモ車が用意され、実際に試乗してノーマルとの違いや乗り味を体感することができる。スタッフにサスペンションについて直接相談できるのも大きなメリットだ。

もちろん今回紹介した『NTR R3』と『NTR TVT PRO』を装着したCB1000Fも試乗可能。決して安いカスタムではないだけに、まずは実際にその違いを体感してから検討してみるのもいいだろう。

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