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高速道路上で外に出るのは危険!……だけど事故を起こしたらどうする?
退避する場合は左車線側が最も安全
筆者が勤務していた教習所では、高速道路上の安全な場所とは、「車が走行していない場所」あるいは「車が追突してこない場所」と定義していました。
その際、「中央分離帯に避難することは問題ないのか」という質問も教習生から挙げられることがありました。
今回の東名高速での事故でも、後部座席に乗っていた2名は中央分離帯に避難していましたが、いざという場合はどうすればよいのでしょうか?
教習生からの質問には「他の車がスリップや転倒などで突っ込んでくる可能性がある中央分離帯は、避難場所として最適ではない」と答えていました。
左車線の方に何らかの危険があり、中央分離帯に避難したほうが安全なケースもあるかもしれませんが、原則として中央分離帯は道路の一部ですから、車が突っ込んでくる危険があるといえるでしょう。
左車線側には非常口が設けられています。避難する場合には、後続車の有無を確認した上で、左車線側へ移動し、近くの非常口から道路外へ避難することが最も安全な行動であるといえます。
無理に路肩に車を移動させる必要はない
今回の事故のように、事故発生時刻が夜間だと、後続車に追突されたり、轢かれたりする危険性も高まります。高速道路上に事故車が停まったままだと、二次被害を招くおそれも。
NEXCO東日本では、「事故や故障などで車を停める場合、路肩に移動させて、発煙筒や三角停止板を設置し、二次被害を出さない措置をとってください」と呼びかけています。
しかし、突然の事故や故障で車を移動させることが難しい場合もあるでしょう。
この点について前述の担当者は「そうした場合は、無理に路肩へ移動させる必要はありません。発煙筒や三角停止板をいつまでも探していると危険性が高まります。身の安全を第一に考えて、避難することを最優先してほしいと思います。」と話していました。
日頃から発煙筒や三角停止板の取り出し方や使い方を認識しておくことも大切ですが、いざというときに焦ってしまい、車内にとどまってしまうようなケースはかえって危険です。
高速道路上で事故を起こしたら、自分や同乗者の身の安全の確保を第一に考え、道路の外へ素早く退避することが最優先事項と覚えておきましょう。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...