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ナゾの標識「!」マークが表す「その他の危険」の意味、知っていますか?
道路標識にはなかなか見慣れないものがありますが、中でも「!」マークの標識を見たことがある人は少ないのではないでしょうか?
パッと見ただけではどんな意味かわからないかもしれません。「!」マークの標識にはどのような役割があり、どのような場所に設置されているのでしょうか?
「!」は「どのような危険があるのか表せない」
道路には様々な危険が存在します。それらの危険をドライバーや歩行者などに呼びかける役割を担っているのが「警戒標識」です。
具体的にどのような危険があるのかを標識では表せない場所に設置されているのが、「!」マークの標識。すなわち「その他の危険標識」となります。
教習所の教本に載っている警戒標識は、「その他の危険標識」を含めて27種類あります。その中には、この先の道路が滑りやすくなっていることを示す標識や、落石のおそれがあることを示す標識なども。こうした危険があるときは該当する警戒標識を道路上に設置することになります。
しかし、いずれの警戒標識でもその危険を表すことができない場合、「その他の危険標識」を設置することになるのです。
具体的にどのような場所に「その他の危険標識」が設置されるのでしょうか。
路肩がぬかるんでいて脱輪の危険がある場所
かつて大田区内の川沿いの道路は整備がされておらず、路肩がぬかるんでいて脱輪の危険がありました。そこで「その他の危険標識」と「路肩弱し」という補助標識を一緒に設置していた場所があります。
現在はガードレールなどで路肩が整備され脱輪の危険がなくなったため、標識は撤去されています。
横断する歩行者が多い道路
商店街と住宅密集地が近く、道路を横断する歩行者が多い道路に「その他の危険標識」が設置されていることがあります。
横断歩行者と車との接触事故が頻繁に発生する場所によく設置されることが多いようです。
設置理由が不明なことも
「その他の危険標識」は、その場所にどのような危険があるのかを補助標識で説明してある場所があります。その一方で、補助標識がないこともあります。そのため、なぜそこにその他の危険標識があるのか説明がつかない場所があることも事実です。
「!」を見かけたら、注意して運転しよう!
「その他の危険標識」について、指定自動車教習所で標識の意味や役割を教示、指導している現役の教習指導員に話を聞きました。
「道路が整備されて危険がなくなった場所でも、その他の危険標識だけが撤去されずに残っているという道路が全国に複数存在しています。該当する警察署や自治体などに聞くと、すでに危険が解消している道路でも、道路標識などの撤去作業が遅れてしまうことがあるそうです。
また、道路が整備されて危険がなくなった場所でも、これまで通りドライバーに注意喚起を目的にそのまま残している場所もあるようです。
教習所において学科教習で指導する際には、その他の危険標識を見かけたら、あらゆる危険が起きる可能性があるということを認識して通行するように指導しています。」
筆者自身、「その他の危険標識」がある交差点(葛飾区)を実際に訪れたことがあります。車両用と歩行者用の信号機が設置されているものの、道幅は狭く車の交通量が多い道路です。商店街や行政機関が近いこともあり、横断する歩行者が多い交差点でもあります。
「その他の危険標識」を見かけたら、想定外の危険が起きることを念頭に置き、いつでも止まれる速度で警戒しながら通行するように心がけてください。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...