MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

ニュース

更新

ドライバーがハッ!“交通事故ワースト1位”脱出のために道路に描かれた“謎の模様”とは?

「交通事故ワースト脱出作戦」の救世主!

今回、実際にイメージハンプの設置に取り組んでいる自治体、静岡県浜松市から話を伺うことができました。

浜松市は全国各地に存在する“政令指定都市”の中で、「人身交通事故」の件数が人口10万人当たりでワースト1。その件数を減らすべく、「交通事故ワースト1脱出作戦」の取り組みを行っているそうです。

その取り組みのひとつとして、2022年7月に浜松市中区にある、国道152号と“柳通り”が交差する「中沢町交差点」にて、イメージハンプの設置を行いました。

中沢町交差点は交通量が多いため渋滞が発生する頻度が多く、かつ北西側はカーブを伴った傾斜のある道路となっていることから追突事故などが起こりやすくなっているそうです。

今回は、その北西側のカーブを伴った傾斜路面に、青・黄色・白の3色が連なった横線形状のイメージハンプを設置しました。

イメージハンプの設置例(提供:浜松市土木部道路企画課)

実際に設置を済ませたあとの状況はどうなっているのでしょうか。中沢町交差点にイメージハンプを設置した件について、浜松市土木部道路企画課の担当者に尋ねたところ、次のような回答がありました。

「地元警察署にて集計している情報によると、イメージハンプ設置前の事故件数は年間で7件から12件で推移していましたが、本年7月のイメージハンプ設置以降、現在までの人身事故は0件で推移しています。

ただ、中沢町交差点については、イメージハンプを設置したのが間もないため、効果を判断するのはまだ時間を要すると考えています。

しかし、市内では以前から他の場所でもイメージハンプの設置に取り組んでおり、今後も取り組みを継続していけたらと考えています。」

他の標識と組み合わせることでさらなる効果も期待

©Hassyoudo /stock.adobe.com

また、国土交通省(国交省)が提示している「生活道路対策事例」を見てみると、いくつか興味深い事例が紹介されています。

そのひとつが、小学校周辺に設置されている30km/h速度制限の生活道路で、イメージハンプや路肩のカラー舗装、「ゾーン30」と呼ばれる標識を設置した事例です。

その事例では、測定場所にて速度超過を行っている割合が5%から6%低下、平均の走行スピードが1km/hから2km/h程度下がったとの調査結果が示されています。

浜松市でのケースや国交省が紹介している事例を見る限り、イメージハンプは単体で使うのではなく、複数の標識と組み合わせて使うのが前提であると感じます。

ひとつの標識だけでは抜群の効果を発揮しませんが、複数の標識が組み合わされば走行スピードの引き下げ効果が高まると見てよいかもしれません。

“完全自動運転”の車が実用化されるのはまだ当面先となりそうな時代。地道な取り組みかつ即効性が期待できるわけではないものの、国や自治体の手でイメージハンプをはじめとした標識の設置に力を入れ、少しでも安全に繋がるよう取り組むべきです。

「サンキューハザード」は違反って本当?本来の意味は?

あなたはどっち?信号待ちで「N」に入れる?「D」のまま?

運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方

執筆者プロフィール
長谷川 優人
長谷川 優人
1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。

\ この記事が役に立ったらシェアしよう /

MOBYをフォローして最新記事を受け取ろう

すべての画像を見る

画像ギャラリー

コメント

利用規約

関連する記事

関連キーワード