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クルマの「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の違いは?
車の製造段階で起きた不具合を、販売後にメーカーやディーラーが無償で修理する制度を「リコール」と言います。対象となる車が多い場合、テレビのニュースなどで取り上げられることもあります。
その他にも、車の「改善対策」や「サービスキャンペーン」なども存在します。リコールなどの通知が来たらどうすればよいのでしょうか?3つの違いについても解説します。
最も重要度が高いのはリコール!
「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」のうち、最もよく聞くのがリコールではないでしょうか。
国土交通省のホームページには、それぞれ以下のような記述があります。
・リコール
リコールとは、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます。
・改善対策
改善対策とは、リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます。
・サービスキャンペーン
サービスキャンペーンとは、リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うことをいいます。
国土交通省HP
3つの中で、最も重要度が高いのはリコールです。
リコールや改善対策に関する話を、国内自動車ディーラーの担当者に聞きました。
「リコール、改善対策、サービスキャンペーンのいずれもそのままにして放置しておくと、やがて走行不能になったり、重大な事故を引き起こす可能性があるため極めて危険です。
リコールや改善対策の対象となっている場合は、ディーラーなどから通知を出していますが、転居先をディーラーにお伝えいただいていない場合は通知が届かないこともあるので、引っ越したときは、すぐに転居先をお知らせいただくようにお願いしています。」
リコールを放置すると重大な事故を引き起こす可能性が高まる
筆者自身、何度かリコールの対象となった経験があります。そのうち、最も重大だと感じたのは、国産自動車メーカーのスポーツ4WDワゴンに乗っていたときのリコールです。
不具合の内容は、「4輪駆動車において、プロペラシャフトを支持するサポートベアリングのブラケットの溶接部に不適切なものがあり、走行中の振動などでブラケットからサポートベアリングが外れ、走行中に異音が発生する」というものでした。
プロペラシャフトの脱落や走行不能になる可能性は低いと言われたものの、かなり不安になったのを覚えています。
当時は、同メーカーの燃費不正問題などが社会問題になっている時期で、リコール修理と同時に手放してしまいました。
改善対策やサービスキャンペーンも忘れずに受けておきたい
改善対策の対象になったこともありました。国内自動車メーカーS社のセダンに乗っていたとき、ガソリンを満タンにしても満タン表示にならない可能性があるというものでした。
走行にはまったく影響がないとのことでしたが、不安があったため、すぐに点検へ。ガソリンタンク内のセンサーに問題があったようで、15分ほどの作業で終了しました。
国土交通省や自動車メーカーのホームページでは、リコールや改善対策の情報を公開しています。車体番号などを入力すればリコールの対象になっているか調べることができるので、該当しているかどうかを定期的にチェックしておくと安心です。
また、サービスキャンペーンは、車に乗っていて不快な思いをするなど何らかの問題があり、修理・改善対応ができる場合にメーカーやディーラーから連絡が来ます。
ディーラーとお付き合いがある人は、引っ越しなどで住所が変わった場合、忘れずにディーラーへその旨を連絡しておきましょう。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...