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中国のブロガーが中国車とトヨタRAV4を分解して品質調査?その結果に驚愕…
分解してわかる中国車の実態
ボディ塗装の厚さや、2本で支えるウィンドウレール、使用している高級な遮音部材やボンネットダンパーを装備している点から、中国車のハヴァル ダルゴの方が同じ価格帯でも高級感が高く、長く使える車体に仕上がっています。
また画面解像度が高いディスプレイオーディオの装備など、中国らしくデジタル機器の機能が充実している点も特徴です。ただし、予防安全機能では単眼カメラのみに頼るなど、中国車はデジタル技術の高さに依存している点が伺い知れます。
トヨタ RAV4の方は安全性・信頼性の高さが特筆点です。バンパービームの強度はレクサス ESよりわずかに劣る程度。ダルゴには装着されないRAV4のリアシート下面の鋼板は、シート剛性を引き上げ、安全性や静粛性、座り心地にも寄与します。
また、予防安全機能トヨタセーフティセンスはカメラとレーダーを併用して検知しており信頼性が高く、エアバッグの数もダルゴよりひとつ多く備えています。ただし、それ以外の部分は多くの部分でコストカットの跡が目立ち、必要最低限の車体性能しか備えていない点が浮き彫りになりました。
スゴさが分かるのは日本車も同じ
近年の中国車は飛躍的に進歩しており、部分的にはすでに日本車を凌いでいます。分解して分かった中国車の車体細部は、日本車の絶頂期であった1980〜90年代の高額車を思わせる高い完成度です。
日本ではバブル景気が崩壊した1990年代のなかば以降、メーカーは品質を維持しつつ、いかにしてムダを省くかに焦点を当ててきました。そのため現在の日本車の細部をよく見れば、安価に製造されていることがよくわかります。
しかし、それらが致命的な欠陥にならないように上手くまとめ上げられている点も現在の日本車の特徴です。
中国車と日本車の違いを一言で表すなら「コストをかける場所が違う」ということです。それは国民性の違いや、車に対する考え方の違いも大きく影響することでしょう。
しかし少なくとも、コストダウンを図りつつ良い車をつくるには、費用をかける部分と抑える部分の勘所がしっかりと分かっていなければなりません。車を分解して比較することで見えてくるのは、中国車の凄さだけでなく、日本車しいてはトヨタ車の凄さも同じです。
- 執筆者プロフィール
- 伊藤友春
- 1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...