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ガソリンスタンドなのに「給油できません」京アニ事件の後にルールが厳格化された”詰め替え販売”って何?

携行缶にガソリンを入れてもらうには?

とはいえ、発電機や農業機械、競技用バイクなどを使う方にとって、携行缶へのガソリン給油は必要不可欠なサービスです。販売規制が厳しくなった現在、どうすれば詰め替え販売を受けられるのか、基本的な情報をまとめました。

ガソリン詰め替え販売を受ける方法

要件に合った携行缶を用意する

ガソリンの詰め替え販売を利用するには、次のいずれかの要件を満たす携行缶が必要です。

  • 消防法に適合した容量22リットル以下の金属製容器(「試験確認済証」の貼られた携行缶)
  • 性能試験をクリアした容量10リットル以下のプラスチック容器

車でガソリンを運搬する場合は、容量22リットル以下の金属製容器が必要になります。灯油用ポリ容器は不可となりますので、注意しましょう。

取り扱いスタンドを探す

ガソリンの詰め替え販売を受けられるガソリンスタンドは、フルサービスの一部スタンドに限られます。いきなりスタンドに行くよりは、携行缶にガソリンを入れてもらえるか電話確認したうえで、給油に向かったほうがよいでしょう。

スタンドでの手続き

先に触れた消防庁の省令が施行されて以降、ガソリンの詰め替え販売には、購入者の本人確認、使用目的の確認、および販売記録の作成が必要となりました。

本人確認は運転免許証の提示で済みます。書類作成に多少の時間を要するものの、購入手続きに特に難しい点はないでしょう。

なお、一般家庭で100リットル以上、事業所で40リットル以上のガソリンを保管する場合は、消防機関への届け出が必要となります。この数量以上のガソリンを購入する際は、事前に届け出を済ませておきましょう。

店舗の販売数量上限に要注意

ガソリンスタンド1店舗でガソリンを詰め替え販売できる数量は、1日に200リットルまでと決まっています(地域にもよります)。

来店時にすでに上限数量に達していると、販売を断られてしまうので要注意。事前に電話で確認しておけば、無駄足にならずに済みます。

携行缶に入れたガソリンの運搬や保管で注意すべきことはある?

携行缶に入れたガソリンは、自分で運搬・保管しなければなりません。ただ、ガソリンはマイナス40度でも引火する危険物。不慣れな方にとっては、取り扱いに不安を感じる代物ですよね。

実際にガソリンの詰め替え販売を利用している人は、どのような点に注意して携行缶を取り扱っているのでしょうか。

知恵袋サイトで「携行缶でガソリンを買う理由と、ガソリンの運搬や保管で注意していることを教えてください」と質問したところ、多数のご回答をいただきました。

その中から、はじめてガソリン詰め替え販売を利用する方に役立ちそうな情報をまとめたので、順番に見ていきましょう。

換気しながら運ぶ

「芝刈り機に使うため購入しています。運搬するときは換気のために車の窓を空けますし、少しでもガソリン臭がしたらフタを確認します。あとタバコは絶対NG。引火したら終わりですから(Tさん)」

「農機具のために携行缶で買っています。運搬のときは携行缶のエア抜きのネジがしまっているか要確認。それと車の窓を開けてエアコンは止めています(Gさん)」

携行缶からガソリンが漏れて気化すると、運搬中の車内で発火する可能性があります。静電気で引火する場合もあるため、ガソリン運搬中は、エアコンやカーナビなどの使用を避けたほうがよさそうです。

ちなみに「エア抜きのネジ」とは、ガソリン携行缶に備わる空気圧調整用のネジです。携行缶のフタを開ける際に、内部で高まった圧力を下げ、ガソリンが吹き出すことを防ぐために使用します。

火気・高温に注意して保管する

「刈払機やチェーンソーに使うため購入しています。保管で注意していることは、高温を避けることと、火気に近づけないことの2点。日光が当たらない場所に置くのが基本ですね(Mさん)」

「バイクの長距離ツーリング用に購入しています。保管では熱対策に気を付けますし、開けるときは調整弁を必ず使用します。福知山の花火事故みたいになったら大変ですしね(Aさん)」

2013年に京都の福知山で起きた花火大会爆発事故では、携行缶から噴射したガソリンが露店のコンロに引火して大惨事となりました。携行缶を炎天下に放置し、かつエア抜きせずにフタを開けたことが事故の原因です。

ガソリンの入った携行缶を保管する際は、高温と火気に十分注意したいところ。運搬の際も、車内への放置は避けたほうがよさそうです。

携行缶の劣化には要注意

「バイク競技用に購入しています。古い携行缶を使っていたらガソリンが漏れてきた。劣化する部品は定期的に交換しないと駄目ですね(Lさん)」

携行缶のフタやエア調整部にはゴムパッキンが使われています、このゴム部品は数年間で劣化するとのこと。携行缶を長期間に渡って使用する場合は、定期的に部品の交換を行ったほうがよさそうです。

ガソリンの扱いは超が付くほど慎重に!

知恵袋の質問への回答には「きちんとした携行缶に入れれば特に注意する必要はない」なんて意見も見られました。しかしながら、ガソリンは人命を奪うこともある危険物。なるべく慎重に扱うに越したことはないでしょう。

以上、ガソリンの詰め替え販売について見てきましたが、すべてのドライバーがこのサービスを利用するわけではありませんよね。

とはいえ、大多数のドライバーは化石燃料と無関係ではいられません。セルフスタンドでの給油の機会が増えている現在、あらためてガソリンや軽油の危険性について考えてみてはいかがでしょうか。

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執筆者プロフィール
加藤 貴之
加藤 貴之
1977年生まれのフリーライター。10年以上務めた運送業からライターに転向。以後8年以上にわたり、自動車関連記事やIT記事などの執筆を手がける。20代でスポーツカーに夢中になり、近年は最新のハイブリッド車に興...

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