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「“努力義務化”って意味あるの?」自転車にはぶっちゃけヘルメット着用よりも守ってほしいコトがある…
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ヘルメットの着用以前に、自転車側の法令違反が多いことも問題では?
ヘルメットの着用によって、ある程度致死率の低減につながる可能性はあります。しかし、その一方で、自転車の運転者による”ルール違反”も数多く存在している点を見逃すことはできないでしょう。
例えば、スマホを見ながらの片手運転や傘さし運転、イヤホンを装着して周囲の音が聞こえない状態での運転、一時不停止、信号無視、車道の逆走…などを目にすることは珍しくありません。
筆者自身も、T字路で自転車が飛び出し、危うく交通事故を起こすところだった、という経験があります。このような”ヒヤリ・ハット”を経験したことのある方も多いはずです。
筆者知り合いの警察関係者に、自転車乗車時のヘルメット着用について聞いてみると、
「頭部への衝撃は致命傷になりやすいことから、自転車乗車中のヘルメット着用は、一定の効果はあるでしょう。しかし、ヘルメットの着用以前に、自転車側の法令違反が数多く存在しているという事実もあります。
自転車乗車中の死亡事故を減らすためには、車の運転者はもちろん、自転車利用者も交通ルールを遵守することが大切です。」
というお話がありました。
自転車は、道路交通法上は”軽車両”であり、クルマの仲間。クルマの運転者が交通規則を遵守することはもちろんですが、自転車側も交通規則を守ることが必要でしょう。
「インフラ整備」と「交通規則の遵守」が課題?
自転車乗車中の死亡事故は、約7割が対自動車事故。自転車用ヘルメットは対自動車事故に重点を置いたものではありませんし、大型車による巻き込み事故などが発生すれば、どんなヘルメットを被っていたとしても助かる可能性は低くなってしまいます。
そもそも、現在の日本の道路環境は、自転車用の道路がしっかりと整備されているとはいえない状況です。
自転車専用レーンがあっても非常に幅が狭く、クルマとの距離が”スレスレ”というケースも。また、自転車専用レーンにクルマが駐停車していることがあり、自転車が車道側に膨らんで通る光景を目にすることもあります。
一方、海外に目を向けてみると、例えば「世界一の自転車大国」といわれるオランダの自転車専用レーンは、車道、自転車道、歩道の間隔が保たれており、道幅にも余裕があります。
さらに、クルマの寄せ場も考慮して設計されているため、駐停車しているクルマによって自転車道が遮断されてしまうこともありません。
自転車道専用の信号や標識などもしっかりと整備されており、自転車利用者に配慮した環境が整っています。
死亡事故の数を減らすためには、インフラを整備し、「対自動車事故が起こりにくい道路」を作ることも必要になってくるでしょう。
今後、ヘルメットの着用が”義務化”されれば、移動手段として「自転車」を選択肢から外す場面が増えることも考えられます。仮に自転車の利用者が減ったことで死傷者も減ったとなれば、それではあまり意味を成しません。
ヘルメットの着用は、「頭部保護」という点で一定の効果があるのは確か。しかし、自転車乗車中の死亡事故を減らすためには、違反者の取り締まりを強化しつつ、インフラ整備や自転車利用者に対する交通規則の周知徹底を図ることも大切なのではないでしょうか。
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- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...