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「今より不便だったけどロマンもあったなあ…」Z世代が知らない昭和・平成のクルマのエモ装備3選

時計の時刻合わせにラジオを使っていた

「H」「M」「00」の時計合わせ用ボタン
写真撮影:Red29

車の中にひっそりと置かれるようになった時計。最近はスピードメーターの端やディスプレイオーディオの隅など、何かの装備の中に目立たないように配置されていることが増えています。

また、時計の時刻は電波式などを採用していることが多く正確です。運転者が時刻合わせをする必要も少なくなりました。

ですが、少し時代をさかのぼると、現在ディスプレイオーディオが置いてあるダッシュボードのど真ん中には、多くの車種で時計が鎮座していたもの。デジタル式の時計が多く、電波時計などでもないため、使用していると少しずつ時刻が狂ってきます。

時計の横には「H」「M」と書かれた小さなボタンがありました。Hが時間(HOUR)、Mが分(MINUTES)を表しているのですが、このボタンを押して時計の時刻を合わせます。

さらに時間に几帳面なドライバーが使用していたのが「00」と書かれているボタン。これは何に使うのかというと、分と秒を00の状態にリセットするものです。

ラジオを聴いているときに、時報に合わせて00のボタンに指をかけて構え、時報とともにボタンを押す、これを気づいたときにやっておくと時計のズレが最小限で済むのです。

筆者の父は、この00ボタンを使うのが好きな人でした。時報が鳴るとすかさず00ボタンを押すので、子供ながらに筆者は「ぴったりの時間に押さなければならないボタンなんだな」と勘違いしたものです。

この習性は親から子へ引き継がれ、愛車が電波時計ではない筆者も、ラジオの時報のたびに00ボタンを押すドライバーとなりました。 

レバーを引いてパーキングブレーキを解除

引き上げ式のパーキングブレーキ(サイドブレーキ)
©Lazy_Bear/stock.adobe.com

パーキングブレーキ(サイドブレーキ)の解除方法は、近年では電動式が多くなり、シフトレンジをPに入れれば自動的にパーキングブレーキがかかり、Dに入れると解除されるという楽ちんな状態です。

電動パーキングブレーキではない車は、足踏み式か引き上げ式の2種類が王道。足踏み式の場合はMT車でいうクラッチペダルの場所にパーキングブレーキペダルがあり、一度踏むとかかりもう一度踏むと解除される仕組みです。

また、運転席左横に備わる引き上げ式のパーキングブレーキ(サイドブレーキ)も、まだ目にすることが多くあります。こちらは引き上げるとかかり、解除するにはサイドブレーキノブのボタンを押しながら下げるという操作です。

大体はこの3種類の操作を覚えておけばいいのですが、少し古い車になると、パーキングブレーキの解除にレバーを使うものが出てきます。

昭和後期から平成初期のセダン、特にトヨタ車に多かったイメージですが、パーキングブレーキをかける時は前述のクラッチの位置にあるペダルを踏みます。しかし、解除は2度踏みではなく、運転席側のメーターパネルから左下に下がっていったステアリングの奥にあるレバーを引き出す必要があるのです。

レバーを引き出すと「ガッチャン」と独特な音がしてパーキングブレーキが解除されます。クラウンやマークⅡ、カムリなどにレバー式のパーキングブレーキ解除装置が多く採用され、一時期は上級セダンの証のような存在でもありました

足踏み式に慣れていると、このレバーには気づかないもの。2度踏みして解除されないパーキングブレーキでは、解除ブレーキを探してみてください。引き心地が良く、なんだか幸せな気分になれる装備です。

時代の流れは早く、当たり前に見ていた装備が、十数年の間に無くなっていきます。次は何が懐かしい装備に変わってしまうのでしょう。

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執筆者プロフィール
Red29
Red29
1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...

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