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「運転できない…」ペーパードライバーになってしまった人が抱える「過去のトラウマ」とは?

自分が公道に出たら周囲に迷惑が…

©Andrey Popov/stock.adobe.com

ここまでのお話にもあるように、一口に「運転が怖い」といっても、そのなかには「運転操作に対する不安」や「相手に加害してしまうことへの怖れ」など、さまざまなものがあると考えられます。

ペーパードライバー歴9年の女性が語ってくれた以下のお話は、こうした傾向を表しているかもしれません。

「そもそも教習所で技能試験に何度も落ちていたので、『免許が取れても実際には運転できないだろうな』とは思っていました。昔から何かに意識を集中させることが苦手で、やらなきゃいけないことがすぐ抜けちゃうんです。

駐車とかS字・クランクとかの操作も苦手ですし、右折待ちとかで正しいタイミングを見つけることもできなくて。私なんかが道路に出たら、ことあるごとに周りに迷惑をかけてしまうので、もう免許を取る頃には運転を諦めていました。おかしな話ですけど。

それでも、父からは『せっかく取ったんだから、忘れないうちに練習しておけ』といわれ、何度か同乗してもらって練習もしたんですけどね。そのうち父も色々と悟ったのか、『車なんて無理して乗らなくても生きていけるから』みたいに謎のフォローをしはじめ、それからはもう全然乗っていませんね」(30代女性)

教習所に通うなかで、「自分は運転が苦手だ」と自覚する人は少なくないと考えられます。

それでも卒業後、車が必須の環境であれば「どうにか慣れなければ」と乗りつづけると思われますが、そうでない場合には「危ない思いをしてまで苦手なことをする必要もない」と運転を控える人もいるのでしょう。

なお先の三井住友海上火災保険株式会社の調査を見ると、「ペーパードライバーを卒業したきっかけ」として多く挙げられているのは「引っ越し」や「仕事」、「子どもの送迎」といった環境の変化です。運転しなければならない環境さえあれば、苦手意識を克服できるケースも少なくないのかもしれません。

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執筆者プロフィール
鹿間羊市
鹿間羊市
1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...

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