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「これ読んでもまだスタッドレス履かない奴はヤバい」危機一髪から気まずい空気に…雪道立ち往生エピソード

同じ道路を走るにしても、天候が違えば運転のしやすさは大きく異なります。なかでも冬期は、雪や凍結など路面状況に影響を及ぼす気象現象が起きやすい季節です。

とくに積雪の頻度が少ないエリアでは、スタッドレスタイヤを装着していない車も多く、積雪時に立ち往生やスリップ事故などが頻発する傾向にあります。

今回は雪道で立ち往生した経験のあるドライバーに、当時の状況について話を聞きました。

スタッドレスタイヤ未装着車が1台走るだけで……

©naka/stock.adobe.com

あまり雪の降らない地域に積雪があると、必ずといっていいほど起きてしまうのがノーマルタイヤの車による立ち往生です。雪道の恐ろしさを実感していないドライバーも多いことから、「少しくらいなら大丈夫だろう」と車を出した結果、どうしようもない状況に追い込まれてしまうものと考えられます。

今回お話を聞かせてくれたドライバーのなかには、過去にノーマルタイヤで雪道を運転し、周囲に大きな迷惑をかけてしまったと振り返る方がいました。

「大学生の頃、通学に車を使っていました。その日はサークル活動を終えて、そのまま当時付き合っていた彼女の家に泊まる流れになったんです。

一人暮らしをはじめて最初の冬で、雪がほとんど降らないエリアだったので、天気予報も確認せずにいました。ですが、起きてみると雪がうっすら積もっていて……『まずいかな』とは思いましたが、その日は出席管理の厳しい講義が入っていて、『行かなきゃ』という気持ちの方が勝ってしまったんです。今思うと、本当に軽率だったと思います。

彼女の家を出る頃には靴底が埋まるくらいの雪が積もっていましたが、出発すると若干タイヤにズルズルという感触はあったものの、平坦な道ではどうにか進めていました。学校までは20分くらいだったので、このままどうにか行けるだろうと思っていたんです。

ですが、上り坂の途中にある交差点で止まり、信号が変わって発進しようとすると、タイヤが空転し、アクセルを踏んでもエンジンが唸るばかりで前に進みません。ハンドルの角度を少し変えたりしても全然動かず、後ろからクラクションを鳴らされ、どんどん血の気が引いていきました。

車の状態を見ようとウインカーを点けて外に出ると、後続車が次々に避けていき、『邪魔だよ!』と何度も罵声を浴びせられました。どうすることもできず、10分ほど立ち尽くしていると、通りがかりのドライバーや歩行者の方が集まってきてくれたんです。

近所の方がスコップやラダーを貸してくれ、何人かに車を押してもらいながら脱出して……近くのコンビニで事情を話し、しばらく車を置かせてもらいました。本当に、自分の判断の甘さのせいで大勢の人を巻き込んでしまって、今でも申し訳ない気持ちが消えません」(40代男性)

上の話にもあるように、公道においては1人のドライバーの判断ミスが大きな混乱を巻き起こし、交通状況をマヒさせてしまうことがあります。雪道に慣れていないドライバーが多数を占める首都圏においてはとくに、1台の立ち往生が大渋滞につながり、追突事故などへと連鎖していく可能性も考えられるでしょう。

積雪路や凍結路を走る際のルールについては、各都道府県の公安委員会が定める「道路交通法施行規則」や「道路交通規則」に規定があり、スタッドレスタイヤやチェーンによる「すべり止めの措置」がドライバーに義務づけられています。こうした対策なく、雪道をノーマルタイヤのまま走行することは法令違反にあたり、普通乗用車の場合で6,000円の反則金が科されます。

雪があまり降らない場所でも、想定外の雪や凍結に備えるには、シーズン前にスタッドレスタイヤへの交換を済ませておくことが理想的です。予算などの面で難しい場合には、車内にチェーンなどを常備しておくなど、緊急時への対策を講じておく必要があるでしょう。

執筆者プロフィール
鹿間羊市
鹿間羊市
1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...

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