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【エピソード】愛すべき青春のポンコツたち(ダイハツ ミラTR-XXキャブターボ編)
最近の若い人はクルマに興味があっても、なかなか所有しにくい世の中になってしまいましたが、筆者が若かりし1990年代はまだ収入と自動車の価格がイイ感じのバランスで、いろいろと割り切れば「クルマで楽しむ」のは、そう難しい話ではありませんでした。
しかもその頃の中古車はおおむね1980年代半ば以降、装備面はともかくメカニズムの性能や信頼性が上がったクルマを安く買えた頃。
今回は筆者の90’sポンコツ車ライフについてのエピソードを紹介します。
目次
「乗らないクルマいる?」というノリでゲットしたミラTR-XX
漫画「頭文字D」が流行っていた1996年、筆者はある夜に近所の山中で軽い自損事故を起こし、当時の愛車(初代トヨタ コロナEXiV)は外観こそ無事だったものの、ドライブシャフトがデフにちょっと突き刺さるダメージで走行不能になりました。
愛車の修理中は日常のアシもないのを見かねた先輩が、「乗ってないクルマあるけど、いる?タダでいいよ?」と気前よく譲ってくれたのが、1990年式のダイハツ ミラTR-XX(2代目L70V)、50馬力のキャブターボ車。
今なら「軽とはいえ、たった6年オチのターボ車をタダでくれるの?!」と驚くところですが、当時すでに軽は660cc時代、6年落ちでも型落ちの旧規格なんてタダみたいなものですから、ハッキリ言って価値なぞなかったんです。
相次ぐトラブル、劣悪な快適性…最初は本当にイヤだった
タダならありがたいと頂戴しましたが、それまでのEXiVはシートも座り心地がよく、エアコンもよく効きラグジュアリーでスポーティな4ドアハードトップセダンでした。
しかしミラは外板ペラペラで剛性感ゼロ、窓はレギュレーターをクルクル回さないと開かず、ヘタったシート、重ステ、めんどくさい5速MT、貧乏臭くて悲しくなり、「二度と軽自動車なんか乗るもんか!」と落ち込みます。
しかも水回りが劣化しているのか水温計の針はすぐMAXになりますし、よくオーバーヒートせずに走れるなと思ったくらい。
しまいにはブーストをかけるとフン詰まりしたかのように加速が止まりましたが、長期放置でヘドロの詰まっていた燃料フィルターを交換すると何となくよく走ります。
そのままの勢いで近所の山を駆け上がると、なんと2リッターで馬力が倍以上のEXiVより速い?!
驚いて車検証を見ると車重はEXiVの半分以下で、「軽さは正義」と目覚めた瞬間でした。
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...