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【車のトルクとは?】kgf・mとN・mの意味&馬力との違い|EVのモータートルクについても
車のカタログなどでよく見かける「トルク」について図解とともにわかりやすく解説。回転数や馬力、エンジンとトルクの関係がすっきりわかるはず!
目次
トルクとは?
トルクとは、回転軸まわりに生じる「物体を回転させる力(力のモーメント)」の単位のことです。
たとえば、トルクレンチを使ってボルトを締めるときの力や、自動車が前進するために必要なクランクシャフトの回転を発生させるエンジンの駆動力をトルクということができます。
「最大トルク」とは?
車のカタログなどで表示される「最大トルク」とは、その文字通り、エンジンが最も高いトルクを発生したときの数値を示すものとなります。
「トルクが太い、細い」
一般的な言い回しとして、トルクがあって力のある車やエンジンを「トルクが太い」といいます。その逆は「トルクが細い」となります。
トルクの単位は主に2つが使われている
単位記号 | 定義 |
---|---|
kgf・m | 読みは「キログラムメートル」 1993年以前に主に使われていた単位 |
N・m | 読みは「ニュートンメートル」 1993年以降から現在まで主に使われる単位 |
kgf・m
質量を表す「kg(キログラム)」という単位は聞き馴染みがあると思いますが、「力:Force」の概念が加わった「kgf」は、物体に掛かる力を表す単位です。その力に対し、長さを表す「m(メートル)」を乗算することで、回転を生み出す力「kgm・m」となります。
N・m
1993年の新計量法施行によって、「kgf・m」に代わって新たに使用されるようになった単位が「N・m」です。力の単位を表す「N(ニュートン)」と、長さを表す「m(メートル)」を積数として、「N・m」というトルクの単位となります。
kgf・mとN・mの換算式
換算方法 | 換算式 |
---|---|
kgf・m → N・m | 1N・m = 0.102kgf・m |
N・m → kgf・m | 1kgf・m = 9.8N・m |
【図解】トルクの求め方と計算式
kgf・m
トルク(kgf・m)の求め方は、回転するものに1mの長さの柄を付け、その柄の先に20kgの重りを載せたとき、回転するものに加わる力が「20kgf・m」となります。
N・m
「N・m」でもトルクの求め方は同じですが、重りを「kg単位」のものではなく「ニュートン分胴」を載せたときの単位となります。
「ニュートン分胴」とは物理の世界で使用する重りのことで、「10N=1020.7g」となります。ほぼ同じです。このため、自動車のトルクの表記も「N・m」「kgf・m」のどちらか一方だけのことがよくあります。
これに対して「kW」と「PS」は数値に開きが出るため、普遍的な「PS」のみの表記としたり、「kW」と「PS」を併記し、わかりづらい「kW」のみの表記を回避していることが多くあります。
トルクの求め方、公式は難解過ぎ
一応、記述しますがこの公式の説明は非常に難解なため割愛します。
「接線力(搬送力)」✕「回転半径」=トルク
馬力の求め方、公式は「トルク」がベース
最高出力などの車のスペックで最も用いられる「馬力(PS、HP)」は、
「トルク」✕「回転数」✕「定数(0.00136)」= 「出力(馬力、PS、HP)」
というシンプルな公式で求められます。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...