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スクールゾーンとキッズゾーン、何が違う?実は“法的扱い”が別だった
「スクールゾーン」と「キッズゾーン」。
どちらも子どもの安全を守るための区域ですが、法的な交通規制の有無という大きな違いがあります。
スクールゾーンには道路交通法にもとづく交通規制がありますが、キッズゾーンには原則として法的な通行規制はありません。
では、両者は具体的に何が違うのでしょうか。
春は進級や進学の時期でもあり、子どもたちが街を行き交う季節です。ドライバーにとっても、より一層の注意が求められます。
両者の大きな違いは「法的規制」をともなうか否か

まずは、それぞれの特徴を整理してみましょう。
そこでドライバーがとくに気をつけておきたいのが、「スクールゾーン」と「キッズゾーン」と呼ばれる、子どもの交通安全のために設定された区間です。
まず、スクールゾーンはおもに小学校周辺の通学路を中心に設定される区間です。
スクールゾーンの開始地点や終了地点には、ドライバーが視認しやすいように専用の道路標識が設置されているほか、路面にも緑色の塗装がほどこされたり、白い文字で明確に記載されたりすることが一般的となります。
そして、スクールゾーンの最大の特徴は、道路交通法にもとづく法的な交通規制をともなう点にあります。
具体的には、児童が登下校する時間帯に合わせて車両の通行が全面的に禁止されたり、一方通行に制限されたりします。
もしもこの時間内に許可なく車で進入した場合は通行禁止違反と見なされ、普通車の場合は違反点数2点にくわえて7000円の反則金が科せられます。
そのため、近隣の住民であっても通行禁止の時間帯には迂回したり、通行許可証を申請するなどの対応が求められます。
一方、キッズゾーンは、保育所などの施設周辺の道路が対象として設定された区間です。
対象となるのは、おもに保育園などに通う未就学児が中心で、スクールゾーンとは異なり道路交通法にもとづく法的な交通規制はともないません。
ただちに交通違反になるわけではありませんが、子どもの飛び出しなどを想定した慎重な運転が求められます。
導入の背景には交通事故の増加や実際の事例がある

では、なぜスクールゾーンとキッズゾーンが導入されたのでしょうか。
スクールゾーンは、1970年代前半に急増した子どもの交通事故を防ぐための対策として全国で設定が開始されました。
当時は高度経済成長期にあたり、日本全国で自動車の保有台数が爆発的に増加した時期でもあります。
これにともない、通学路や生活道路の安全をより一層確保するためにスクールゾーンの導入が進められたといいます。
また、当時は歩道と車道が明確に分離されていない道路も珍しくなく、物理的な安全確保が急務とされていました。
結果としてスクールゾーンの導入は、通学時間帯の交通事故を減少させる一定の効果を上げたようです。
そして、キッズゾーンは比較的近年になってから導入が開始された新しい制度となります。
直接的な契機となったのは、2019年5月8日に滋賀県で発生した、交差点で車同士が衝突し、そのはずみで歩道で信号待ちをしていた保育園児の列に車が突っ込むという交通事故です。
この交通事故を重く受け止めた政府は、未就学児の交通安全を確保するための新たな対策を急務と位置づけました。
また、保育施設の多くは小学校のような固定された通学路が存在しないものの、日中に近所の公園などへ散歩する機会があるため、従来のスクールゾーンだけではカバーしきれない時間帯や経路の安全確保が課題となっていました。
そこで、散歩経路などの安全を確保するために、新たな枠組みとして創設されたのがキッズゾーンというわけです。
なお、キッズゾーンの整備においては路面のカラー舗装や標示だけでなくガードレールの設置なども同時におこなわれることがあります。
まとめ
このように、スクールゾーンとキッズゾーンには交通規制の有無という法的な違いがあります。
しかし、どちらも子どもたちの命を守るために設けられた区域であることに変わりはありません。
標識や路面表示を見かけた際には、「規制があるかどうか」だけでなく、標識や路面表示を見かけた際には減速を心がけ、いつでも停止できる速度で通行することが重要です。
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