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カーシェアで灯油やペットはなぜNG?知らないと損する“持ち込み禁止”の理由
車を特定の場所に留め置き、利用者がアプリなどで予約して好きな時間に使うカーシェアサービスは、その手軽さなどから近年利用者が増えています。
灯油の運搬やペットとの移動にカーシェアを使いたいと考える人もいるかもしれません。
しかし、実際には多くのカーシェアサービスが灯油やペットの持ち込みを禁止しています。どうしてそのような制限が設けられているのでしょうか。
カーシェアでの灯油の積載やペットの同乗は多くのサービスで禁止

短時間の外出や買い物から、車での旅行まで、幅広く使えるカーシェアは、車を持たずに必要なときだけ利用できる移動手段として広く普及しています。
ただし、便利なサービスである一方、利用ルールには注意が必要です。
とくに灯油を運びたい場合やペットと一緒に移動したい場合、思わぬ制限に直面することがあります。
実は、カーシェアサービスの多くは、灯油やペットの持ち込みを禁止しています。
これは、車内に灯油のにおいが残ってしまうことや、揮発した成分による引火の危険性を避けるためです。
また、ペットについても、毛の付着やにおいによる車内汚損を防ぐ目的があります。
そして、万が一こうした禁止事項に違反した場合、清掃費用の請求だけでなく、退会処分に至るケースもあります。
ちなみに、カーシェアは管理者が常駐しない仕組みのため、ガソリン残量が少なくなった際に備え付けの給油カードで給油するなど、利用者が遵守すべき独自のルールが多く設定されています。
このように、カーシェアは、利用者にも管理を委ねる分、危険物や汚損リスクの高い行為が厳しく制限されている場合が多いのが特徴です。
レンタカーでは、条件付きで対応してもらえるところも

上述のように、カーシェアサービスでは、多くの場合灯油の積載やペットの同乗が認められないことが多いです。
では、車を貸すサービスとしてもう一つ代表的な形態であるレンタカーは、灯油の積載やペットの同乗ができるのでしょうか。
レンタカーは店舗スタッフが日々車両管理を行う仕組みであるため、灯油の積載やペットの同乗は条件付きで認められる場合があります。
たとえば灯油については、容器をしっかり密封しビニール袋で覆った状態であれば許可されるケースや、一部のレンタカー会社ではワンボックス車など一部車種のみ積載を認めていることもあります。
しかし、一部のレンタカー会社では灯油の積載を全面禁止していることもあり、対応は会社や店舗によって異なります。
また、ペットの同乗については、ケージに入れた状態であれば利用できる店舗が少なくありません。
ただし、灯油の積載に関する規則と同じように、ペットの同乗は会社や店舗によって、制限や完全禁止としている場合もあります。
レンタカーを灯油の積載やペットの同乗など、特別な用途に使う場合は、利用前に必ず店舗ごとの規定を確認することが欠かせません。
灯油を積載するときに気を付けたいこと

このように、レンタカーでは条件や規約に沿うことで灯油の運搬ができる場合もありますが、実際に灯油を運搬するときは、レンタカーの規則だけでなく法令などにも気を配る必要があります。
そもそも、灯油は消防法上の危険物であり、第4類の「引火性液体」に分類されています。
一般的な家庭用灯油タンクに入った灯油を運ぶ程度で規制に抵触することはほとんどありませんが、危険物である以上、運搬方法には注意が必要です。
また、灯油は約40℃で引火する性質を持ち、空気より重い可燃性蒸気を発生させます。
そのため、容器は消防法令に適合した「試験確認済証」付きのものを使用し、収納口を上向きにして密封し、落下や転倒を避けるよう積載する必要があります。
車内にこぼれた場合はにおいが残るだけでなく、火事などの大きな危険を生むこともあるため、運搬時には十分な注意が求められます。
まとめ
灯油やペットをクルマに乗せる場合、カーシェアでは厳格に禁止されている一方、レンタカーでは条件付きで認められるケースがあります。
いずれにしても事前に利用規約を確認し、サービスごとのルールを守ることが重要です。
また灯油を運ぶ際は、危険物としての性質や法律上のルールを理解し、適切な容器や積載方法を守ることが安全につながります。
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