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車の年式とは?簡単に調べる方法は?初度登録年月との違いや税金・中古車価格との関係も

車の年式とは何か?

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車の新しさ(または古さ)を示す自動車用語に「年式」があります。「車の製造年」と同じ意味で使われがちな言葉ですが、実際は「車が初登録された年」を指す場合が多いため、意味の取り方に注意が必要です。

日本における年式の意味

日本の慣例でいう年式は、「初度登録年月(軽自動車は初度検査年月)」を指します。初度登録年月とは、製造または輸入された車が運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)にはじめて登録された年月です。この年月から国や自治体による車の管理がはじまるため、日本では初度登録年月と年式が同義になっています。

上記から推測できるように、日本における車の年式は、製造年と必ずしも一致しません。特に輸入車の場合は、生産国から日本に届くまでに数ヶ月間かかる場合があるため、製造年と年式(初度登録年月)にずれが生じがちです。こうした事情から、輸入車ファンの中には、年式よりもモデルイヤーを気にする方が少なくありません。

モデルイヤーとは?

モデルイヤーとは欧米における車の製造年度であり、おおむね9月1日から翌年8月31日までを指します。この期間に販売されるモデルは「イヤーモデル」と呼ばれ、毎年9月に新型モデルが発売されます。

製造時期を年式と捉えるなら、モデルイヤーは欧州車やアメ車の年式といってよいでしょう。ただし、モデルイヤーと暦年でいう製造年は一致しない場合があります。たとえば、2021年9月に製造された車は2022年度のイヤーモデルとなるため、モデルイヤーと製造年が一致しません。

さらにいえば、上記の車が製造の翌々年に日本に輸入された場合は、2021年製造の2022年度モデルが、2023年式車として初度登録されることになります。冗談に聞こえるかもしれませんが、並行輸入車(非正規ルートで輸入された車)では起こり得る話です。こうしたケースもあるため、製造年とモデルイヤー、および日本での年式は、分けて考えたほうがよいでしょう。

車の年式はいつ確認する必要がある?

車に関する次のような場面で、年式は重要な意味を持ちます。

  • 税金を支払うとき
  • 任意保険に加入するとき
  • 中古車を買うとき
  • 車を売るとき

いずれの場面においても、車の年式は金銭に関わってきます。充実したカーライフを送るには、車の年式の調べ方や、上記の各シーンと年式との関係を知っておくことが肝要です。

車の年式を調べる方法

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車の年式は次の書類のいずれかで調べられます。

  • 車検証(自動車検査証)
  • 新車保証書
  • 売買契約書

現在お持ちの車の年式は、車検証で確認できます。車検証の最上段、左から3番目に記載されている、初度登録年月(または初度検査年月)が愛車の年式です。

車検証が手元にない場合は、新車保証書でも年式を調べられます。「登録日」または「初度登録日」が年式にあたるので、お手持ちの保証書を確認してみてください。

なお、中古車の保証書には、初度登録日ではなく最新の登録日が記載されます。このため、年式の確認には利用できません。

車が納車前で、車検証や新車保証書をお持ちでない場合は、売買契約書で年式を確認できます。ご購入された車の売買契約書に記載の、初度登録(初度検査)の年月を確認してください。

製造年月はどうやって調べる?

ここまでを読んで、初度登録年月を意味する年式ではなく、車が製造された年を知りたいと思った方も多いことでしょう。車の製造年月を調べる方法は2つ考えられます。

シートベルトで確認する

シートベルトの付け根にはタグが付いており、製造時期を示す4桁もしくは8桁の数字が印字されています。たとえば「2020」の印字は2020年製であることを、「0505 2020」の印字は2020年の5月5日製であることを示します。ただし、これら数字が表すのはシートベルトの製造時期であり、車の製造年月とは必ずしも一致しません。車の製造時期を推測するための参考情報だと思ってください。

メーカーに問い合わせる

自動車メーカーへの問い合わせにより、車の製造年月を確認できる場合があります。愛車の車検証を用意したうえで、自動車メーカーに問い合わせを行ってみてください。メーカーによっては、車台番号や車両形式などの情報から製造年月を調べてくれます(書類の郵送が必要な場合もあります)。

車の年式と税金の関係

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自動車税(種別割)と年式の関係

毎年4月1日時点での車の所有者には、「自動車税(種別割)」または「軽自動車税(種別割)」が課税されます。これら自動車税の税額は車の用途と排気量および年式により決まり、初度登録(検査)年月より一定期間が経過した乗用車には、次の重課(=増税)が課されます。

  • ガソリン車=初年度登録から13年経過すると約15%重課
  • ディーゼル車=初年度登録から11年経過すると約15%重課
  • 軽自動車=初年度検査から13年経過すると約20%重課

上記のように、年式の古い車は自動車税が15〜20%ほど高額になります。たとえば、排気量1,000cc以下の車に13年以上乗り続けた場合、29,500円の自動車税(種別割)が33,900円に上がります。

なぜ重課されるのか

年式の古い車に対する自動車税(種別割)の重課は、環境保全を目的に行われています。製造から年数の経った車は燃費性能や排ガス性能が低く、環境に大きな負荷を与えてしまいます。そこで、環境性能に優れる最新の車への乗り換えを促すために、年式が古い車に対する税金の重課を設定しているのです。

エコカーは重課の対象外

ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池自動車などのエコカーは、自動車税(種別割)の重課の対象外となります。環境性能に優れる車であるため、年式が古くなっても、税金が高くなることはありません。

重量税と年式の関係

新規登録された車および、車検を受ける車の所有者には「自動車重量税(以下、重量税)」が課税されます。重量税の金額は車の用途、車重、年式の3点で決定され、初度登録年月より一定年数を経た車両には重課が課されます。乗用車の継続検査時に課される重量税は、次の表のとおりです(単位は円)。

車両重量(t) エコカー
(本則税率)
エコカー以外
13年未満 13年超 18年超
~0.5以下 5,000 8,200 11,400 12,600
~1 10,000 16,400 22,800 25,200
〜1.5 15,000 24,600 34,200 37,800
〜2 20,000 32,800 45,600 50,400
〜2.5 25,000 41,000 57,000 63,000
~3 30,000 49,200 68,400 75,600

重量税の重課は13年経過と18年経過の2段階で設定されています。ただし、自動車税(種別割)の場合と同様に、環境保全を目的とした重課であるため、エコカーは対象となりません。なお、軽自動車の重量税は次のとおりとなっています。

エコカー
(本則税率)
エコカー以外
13年未満 13年超 18年超
5,000 6,600 8,200 8,800

軽自動車の重量税には車重による分類がありません。年式による重課のルールは登録車と同様です。

車の年式と車両保険の関係

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車の任意保険に付帯できる保険に、事故や盗難などによる車両の損害を補償する「車両保険」があります。

車両保険の保険金額(補償額)は自由には設定できません。契約車両の時価を基準に支払限度額が決まるため、車種や年式によっては、思うような金額の保険を掛けられない場合があります。

上記からわかるように、年式は車両保険の保険金額を左右する要素の1つです。保険業界では、自動車は減価償却される資産とみなされるため、年式が古くなるほどに契約車両の時価は下がっていきます。

つまり、新車の状態から1年経つごとに、車に掛けられる保険金額は下がるということです。具体的には、同じ車両に対する保険金額は、1年に1割ほど下がります。希少さから中古車価格が高い車も例外ではありません。プレミア価格の旧車を買っても、購入額に見合う車両保険を掛けられない場合があります。

古い車は車両保険に入れない?

年式が古い車は、車両保険に加入できない場合があります。保険を掛けられるだけの価値がない車と判断され、保険加入を断られるケースがあるのです。

また、年式の古い車で車両保険に加入できても、補償額が低すぎて、保険料に見合う価値を感じられない可能性があります。同じ車に長年お乗りの場合は、初度登録から10年、遅くとも税金が上がる13年を目処に、車両保険の加入を続けるか否か検討したほうがよいでしょう。

なお、製造から25年以上が経過した車は、旧車専用の車両保険である「クラシックカー保険」に加入できる場合があります。加入条件はやや厳しいものの、車種やコンディションによっては、旧車に高額な保険を掛けることができます。

車の年式と中古車価格の関係

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中古車市場では、年式の新しい車を「高年式車」、年式の古い車を「低年式車」と呼びます。基本的に、高年式車は中古車価格が高く、低年式車は安価です。経年劣化の少なさから高年式車は人気があり、中古車市場での取引額が高額になるのです。

言い換えると、高年式車と比べて低年式車は割安であり、少ない予算で上級グレードを狙うこともできます。ただし、低年式車は経年によるダメージを受けており、高額な修理が必要となる場合もあるため、必ずしも経済的だとはいえません。古めの車を購入する際は、車両のダメージを入念にチェックし、状態を見極めることが肝要です。

年式は車買取価格にも影響する

車の買取価格は高年式車ほど高く、低年式になるにつれて安くなります。売却する時期が1年遅くなるだけで、査定額が大きく下がるケースも珍しくありません。特にモデルチェンジが発表された場合は、旧モデルとなる車の価値は大幅に下落するでしょう。

逆にいうと、売却タイミングを早めるほどに、車の買取価格は高くなります。とはいえ、売りどきや年式だけを気にして車に乗るのも考えものです。

中古車市場で人気が高いのは、年式が5年落ち未満の車です。新車や高年式車にお乗りの場合は、愛車が5年落ちとなる時期を目処に、売却するか否かを検討するとよいでしょう。

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執筆者プロフィール
加藤 貴之
加藤 貴之
1977年生まれのフリーライター。10年以上務めた運送業からライターに転向。以後8年以上にわたり、自動車関連記事やIT記事などの執筆を手がける。20代でスポーツカーに夢中になり、近年は最新のハイブリッド車に興...
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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