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クルマのへこみの修理料金まとめ|板金塗装とデントリペア、もっと安く修理できる?
小さなヘコミであれば自分で修理できる場合がありますが、大きなヘコミになると修理業者に依頼するのが一般的です。車のヘコミ修理費用は、ヘコミの大きさや相談する業者などによって異なってきます。最小限の費用で修理するために比較検討して依頼するようにしましょう。
目次
大きなヘコミを直すには板金塗装
車のキズとヘコミを同時に直すには、「板金」と「塗装」が必要です。一般に、板金が必要なほどの大きなヘコミは塗装もセットで行われるため、これらをまとめて「板金塗装」という言葉が使われます。
「外板板金」では、凹んだ部分の板金をハンマーや溶接機を使用して元の形に戻します。また「フレーム修正」や「ボディ修正」などで、歪んだボディを元の形に直したり、部品を交換したりします。
板金塗装は主に、大きな事故に遭った車などに対して行われる修理方法です。
板金塗装の料金相場は?
板金塗装の料金相場は、業者や損傷した部分で異なるので一概に断言できません。同じ損傷でも損傷具合の大きさや手間がかかるかどうかの判断で料金が異なってくるので、複数の専門店に相談してベストな業者に依頼することをおすすめします。
板金塗装は、職人の熟練の技をもって行われるので、見た目や修理費用などにも違いが出てきます。納得のいく修理をしてくれる業者を見極めてから依頼しましょう。
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小さなヘコミを直すにはデントリペア
小さなヘコミを直すときは「デントリペア」という方法が用いられることが一般的です。
デントリペアは、金属部分にできた小さなヘコミを特殊な専用工具を使い塗装無しで修復する方法です。もともとはヨーロッパで生まれた技術で、雹害の多いアメリカで広まりました。「デント」とは車のボディにできた小さなヘコミを指します。
板金修理と比べて修理費用や時間が抑えられることから人気の修理方法です。
デントリペアの特徴
- 材料費や設備が必要ないため、一般的な鈑金塗装と比較すると半額以下~3分の2の費用で修理が可能
- 出張修理ができるので、車を預ける必要がなく最短30分程度で修復可能です(内装脱着が必要な作業箇所の場合は2~3時間くらいかかる場合も)
- オリジナル塗装を守れる(修理にあたり塗装をしない)
デントリペアの料金相場は?
デントリペアは後述する修理可能箇所であれば、ヘコミの深さや深さによって費用が上下します。また、1枚のパネル(ドア1枚、ボンネット1枚など)に複数ヘコミがある場合は、2個目以降の料金が安くなることがほとんどです。
業者によって異なりますが、1cmまでは10,000円、3cmまでは15,000円、5cmまでは20,000~30,000円、それ以上は要見積もりが目安。同一パネル内2個目からのヘコミは、半額~などが相場のようです。
修復箇所がボディの骨格部分の場合は修復歴に含まれる?
板金は箇所によっては事故車扱いされる可能性もあります。しかしデントリペアは、仮に修復箇所がボディの骨格部分であったとしても、修復歴には含まれないとされるのが一般的です。
これは、デントリペアで修理した車はオリジナル塗装のままであるため。外から異なる材料を使用して修復したのではなく、あくまで素材の形そのもののみを修復しているに過ぎないためです。
デントリペアの手順【まさに職人技】
フェンダー右側のビックデント修復例です。蹴飛ばされた場合などにこのような感じで入庫されることが多いです。フェンダーアーチ部のプレスラインと、上部のプレスラインも潰れています。
- 作業に入る前にリフレクターボードを利用して依頼者と一緒に被害の状況の確認
- デントツールを使用して、塗装が割れないように注意しながらヘコミを裏側から数百回、時には数千回押し上げる(プッシング作業)
- 専用のポンチとハンマーを使用して微妙に高さを調整(タップダウン作業)
- 3と4の工程を繰り返し、元の形状へ復元
- ポリッシャーを使用して塗装面の傷などを落とす(ポリッシング作業)
- 作業終了後は依頼者と一緒に厳しいクオリティチェックを行い、依頼者が納得すれば納車(お引渡し)
デントツールとは?
デントツールはデントリペアで使用される道具です。ほとんどがアメリカ製で、へこみを裏側から押し出したりひねり出したりするための、鉄製もしくはステンレス製の特殊な形状のアイテムです。
先端部も微妙に違いがあり、へこみの場所や状況に応じて使い分けることで様々なへこみに対応できます。職人さんは平均で40本前後所有し、なかには100本以上所有している達人もいるようです。
デントリペアで直せるヘコミ・直せないヘコミ
デントリペアで修理可能なヘコミは、塗装面に大きな傷がなく、物理的に伸びすぎていない状態に限られます。
小さなヘコミ(エクボ)
小さいヘコミ(エクボ)には、ドアパンチや知らない間についてしまったエクボなどがありますが、ほとんどのケースが修理可能です。
大きい(長い)ヘコミも、場所や深さにもよりますが問題なく綺麗に修理することができます。
傷を伴うヘコミや深いヘコミ
傷を伴っているヘコミは傷が残ってしまう場合もありますが、ヘコミを修理する際に再塗装も一緒に行えば綺麗な状態に修理可能です。
深いヘコミは、度合いによりますが、深く突いた様なヘコミでも修理可能な場合があります。
複雑なヘコミやパネル全体のヘコミ
複雑なヘコミは、条件次第ですが複雑な凸凹状態のヘコミでも修理可能な場合があります。
パネル全体のヘコミは、雹害によるヘコミや落雪のヘコミでパネル全体の修正が必要な場合でも基本的には修理可能です。
プレスラインのヘコミやRコーナーのヘコミ
プレスラインのヘコミは、硬くて修理不可能とされる事がありますが技術次第で修理可能な場合があります。
Rコーナーのヘコミは、プレスライン同様に成型された部分は硬くて困難ですが基本的には平面同様に修理可能です。
デントリペアが難しいヘコミ
下記のようなケースの場合は、デントリペアでの修理は難しいと考えれます。
- パネル(鉄板)の縁や段差の部分にかかっているもの
- プレスラインや段差などの折れ曲がった部分
- フェンダーなどのアール(曲線)のきつい部分(平らなパネルを折り曲げて段差になっている部分にヘコミがかかっている)
- トランクの縁などの角の部分やドアなどの縁の部分(トランクやボンネットフードの縁などでパネルを折り曲げて角になっている部分にヘコミがかかっている)
- ピラーなどの柱部分(フロントAピラーや前後ドア間のBピラーなどの柱部分にあるヘコミ)
- バイクのタンク
- 構造上デントツールが挿入できなかったり、バンパーなど材質が鉄板でない部分
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...