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煽り運転はどんな罪・罰則になる?「あおり運転罪」2020年に新設か【道交法改正】

煽り運転の例として挙げられる以下の行為。どんな違反や罪になるのかを解説します。

  • 前方車両に対して、衝突するような距離まで車間を詰め、道を譲るよう強要する
  • クラクション、幅寄せなどの行為で他車を威嚇する
  • 相手の車の進行を妨害し停止させ、脅迫や暴行を加える

2020年、道交法改正で煽り運転が厳罰化!その内容は?

2020年3月3日、道路交通法改正案に妨害運転に対する以下の罰則が盛り込まれ、「あおり運転」が厳罰化することがほぼ確定となりました。改正法案は通常国会に提出され、成立すれば2020年中に施行される予定です。

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

通行妨害目的で下記の行為をした場合

  • 車間距離を詰める
  • 前方で急ブレーキ
  • 無理な割り込み
  • 高速道路で停車

5年以下の懲役または100万円以下の罰金

上記の行為などで衝突事故が発生

  • 衝突事故が発生
  • 高速道路で他の車を停止させる

今後はあおり運転で一発免取も!免停よりも厳しい処分

運転席ごしの前方視界

あおり運転の厳罰化は、今回で実質2回目。2018年1月には警察庁はあおり運転に対し、累積点数に関わらず免許取消しまたは、最長180日間の免許停止処分とする方針を打ち出しました。これは、道路交通法103条第1項第8号「免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき」という条文に根ざしたものです。

今回の改正案はそれを踏襲しつつも、厳罰化。高速道路で他の車を停止させたり、あおり運転によって衝突事故を起こしたりした場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるうえ、一発で免許取消し処分という内容です。

もちろん、あおり運転で事故を起こしていなくても、暴行や脅迫などの事実が認められた場合、免許停止処分となる可能性があります。道路交通法では「将来的に事故を起こす可能性が高いとみられる者の免許を停止できる」とされているためです。

事故を起こさなくても暴行罪より重い刑罰が適応に

これまで道路交通法には、一般的にあおり運転とみなされる行為の明記や罰則がなく、「車間距離不保持」「急ブレーキ禁止違反」「安全運転義務違反」などの違反が適応されていました。また、他車のドライバーを恫喝したり、車から引きずり出して暴行を加えたりした場合、刑法の「強要罪」「暴行罪」が適応されていました。

改正案では、事故を起こさなくても他の車の通行を妨害する目的で前方の車との距離を詰めたり急ブレーキをかけたりするなどの行為で交通の危険を生じさせた場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。これは、刑法の暴行罪に科される「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」よりも重い罰則です。

改正前の今、あおり運転はどんな罪になる?

前述の通り、これまであおり運転は従来の道交法違反や刑法の適応がなされてきました。改正後の道交法に煽り運転(妨害運転)が明文化されるまでは、引き続きこれらが適応されることになります。

あおり運転 怒る男性

後ろからのあおりは「車間距離保持義務違反」

道路交通法26条によってドライバーは車間距離の保持が義務付けられています。そのため、あおり運転でよく見られる、前車との車間距離を必要以上に詰める行為は、「車間距離不保持」という違反に該当します。

違反した場合、以下の罰則が科せられます。

高速道路での違反

反則金を支払わない場合、

  • 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金
  • 違反点数2点

一般道路での違反

反則金を支払わない場合、

  • 5万円以下の罰金
  • 違反点数1点

急ブレーキ幅寄せなどの危険行為は「安全運転義務違反」

前の車両との車間距離を極端に詰める、危険な急ブレーキをかける、幅寄せなど、後続車両の進行を妨害する恐れがある行為は、道路交通法24条や26条などによって「進路変更禁止違反」「急ブレーキ禁止違反」「安全運転義務違反」などの違反に該当します。

違反した場合、以下の罰則が科せられます。

車間距離不保持違反(例:前の車両との車間距離を極端に詰める)

反則金を支払わない場合、

  • 一般道:5万円以下の罰金
  • 高速自動車国道等:3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金

急ブレーキ禁止違反(例:後続車の進行を妨害するような急ブレーキ)

反則金を支払わない場合、

  • 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金

安全運転義務違反(例:周囲の車両を危険にさらすような幅寄せ)

反則金を支払わない場合、

  • 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金

脅迫や暴行は強要罪や暴行罪が適応

危険な運転のほか、他車のドライバーを恫喝したり、車から引きずり出して暴行を加えたりした場合、刑法の「強要罪」「暴行罪」などに該当する可能性があります。

その場合、以下の罰則が科せられます。

強要罪(例:土下座での謝罪を要求)

  • 3年以下の懲役

暴行罪(例:相手を殴る)

  • 3年以下の懲役
  • 30万円以下の罰金

さらに刑法「自動車運転処罰法」の危険運転に加えられる方針

さらに法務省は、道路交通法とは別に、他の車の前で停車する妨害運転を、刑法「自動車運転処罰法」の危険運転の類型の一つとして加える方向で検討しているとのこと。

つまり、2017年の東名高速道路で無理やり車を停止させられた夫婦がトラックに追突され死亡した事故のような、停車行為による死傷事故は、自動車運転処罰法が適応されれば「危険運転致死傷罪」となる可能性が高いです。これにより、最長20年以下の懲役という重い刑罰が科されることになります。

これまでも、あおり運転で相手を死傷させてしまった場合、危険運転致死傷罪が適応される可能性はありました。しかしこのたび、法務省がこの方針を明らかにしたことで、悪質なあおり運転の厳罰化はほぼ確定的になったといえます。

あおり運転で「自動車の危険な運転によって人を死傷させた」と判断され、危険運転致死傷罪が適応された場合、以下の罰則が科せられます。

  • 負傷事故で最長15年以下の懲役
  • 死亡事故で最長20年以下の懲役(場合により最長30年以下にも)
  • 違反点数45~62点、免許取り消し、欠格期間5~8年の行政処分

自動車運転処罰法とは?

かつて交通事故の加害者には業務上過失致死傷罪が適応されていたが、悪質な交通事故が増加したことを受け、制定された法律。これにより交通事故の加害者は、業務上過失致死傷罪よりも重い刑罰を受けることになった。

自動車運転処罰法では、刑法の自動車運転過失致死傷罪を「過失運転致死傷罪」という形で引継いだ。さらに凶悪な人身事故に対しては「危険運転致死傷罪」という犯罪類型を作成。危険な運転によって交通事故を引き起こし、相手を死亡させた場合は、非常に重い刑罰が科される可能性がある。

「あおり運転罪」適応かどうかはドライブレコーダー映像で判断

相手のあおり運転が、改正後の道交法に違反した妨害運転・妨害行為にあたるかどうかは、通行を妨害するための「車間距離を詰める行為」や「無理な進路変更」が実際にあったかどう証明かをできる映像が必要になります。

そのため、今後は前後タイプのドライブレコーダーのニーズがますます増えそうです。

ドライブレコーダーの選び方ガイド&おすすめ12選|価格帯&機能で比較

あおり運転への仕返しは絶対NG!自分の過失になることも

裁判所

自分があおり運転にあった場合、急ブレーキや無理な追い越しなどの仕返し行為は絶対にやめましょう。相手を逆上させるだけでなく、相手のドライブレコーダーの映像から危険運転と判断されれば自身にも過失が生じることがあります。

例えば、あおり運転をしてきた車が急ブレーキを掛けた前方の車に追突した場合、後方車は一定の車間距離を保つ義務があるので、100%相手の過失となります。ただし、故意に急ブレーキを掛けて追突させた場合は前方の車にも過失が生じます。

また、あおり運転から逃れるために、超過速度で走行するのも絶対にやめましょう。煽られた車がハイスピードで走行したために事故になってしまった事例もあります。道を譲れない状況で後続車に煽られ逃げ出したくなっても、冷静さを保ち無視を決め込みましょう。

この記事の執筆者
MOBY編集部

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