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ラウンドアバウトとは?ルールや交差点の違い・ラウンドアバウトがある場所など
ラウンドアバウトとは?
ラウンドアバウトとは交差点の1種です。道路がリング状になった交差点のことで、信号機がないことが特徴です。環状交差点とも呼ばれます。
現代的なラウンドアバウトのルールは、1960年代にイギリスで制定され、ヨーロッパやアメリカに広がっていきました。
日本でも2014年9月1日から本格的な運用が開始されています。以前から環状の交差点はロータリー交差点として存在していましたが、イギリスから始まった現代的ラウンドアバウトとしての法律は制定されていませんでした。
しかし2013年に道路交通法で以下のように環状交差点の定義と交通方法が定められ、2014年9月1日から施行されました。
車両の通行の用に供する部分が環状の交差点であつて、道路標識等により車両が当該部分を右回りに通行すべきことが指定されているものをいう。
道路交通法第4条第3項による環状交差点の定義
●円形平面交差点のうち、環道の交通が優先されるもの
道路交通法第4条第3項による環状交差点の定義
●環道交通は時計回りの一方通行、信号や一時停止の規制を受けない
●環道に流入する車両は徐行し、環道に通行車両がなければ一時停止なしに流入可能
ラウンドアバウトの標識
ラウンドアバウトは、標識では「環状交差点」という表記で示されています。
国内でラウンドアバウトが設置されている箇所はまだ多くはありませんが、いざラウンドアバウトを通行するときに迷わなくてすむよう、あらかじめ交通ルールを学んでおきましょう。
ラウンドアバウトを通行する際のルール
ラウンドアバウトを通行する際のルールは以下のとおりです。
- ラウンドアバウト(環状交差点)内を通行している車両が優先
- あらかじめできる限り道路の左端に寄り、徐行して侵入
- ラウンドアバウト内は右回り(時計回り)に通行し、できる限りラウンドアバウトの測端にそって徐行する
- ラウンドアバウトを出るときは、左ウインカーを出し、ラウンドアバウトから出るまで継続
1.にあるように、ラウンドアバウト内を通行している車両が優先です。通行中の車を妨げないようにしましょう。
ラウンドアバウトに侵入する位置には「ゆずれ」の法定外表示が設置されている場合がありますので、よく確認しましょう。法定外表示とは、標識令で定められたもの以外の表示、看板などで交通を円滑に図るため、ある程度統一されたものです。
ラウンドアバウト内は上から全体を見た場合に右回り(時計周り)に通行します。侵入口から見れば、左側へと曲がることになります。
ウインカーはいつ出せばいい?
侵入するときはどのみち一方的にしか通行できないためにウインカーは必要ありませんが、ラウンドアバウトから出るときは直進(道なりに進行)ではなく左折(ラウンドアバウトから出る)を示すためにウインカーを出す必要があります。
また、侵入した直後に左折してラウンドアバウトから出る場合は、侵入したときにウインカーを出しておく必要があります。
ロータリー交差点(円形交差点)との違い
ロータリー(左)とラウンドアバウト(右)の標識
円形になったロータリー交差点は、ラウンドアバウト(環状交差点)の制定以前から日本各地に存在していました。ロータリー交差点は円形交差点とも呼ばれます。
これらは信号があったり一時停止の標識があったりなどまちまちで、道路交通法で定められた環状交差点とは区別して考えられています。
ラウンドアバウト(環状交差点)の手前には、画像右側にある青地に白い矢印の標識があります。
ラウンドアバウト付近に設置されている「ゆずれ」の法定外表示
ラウンドアバウトの手前には、「ゆずれ」の法定外表示が設置されていることがあります。法定外表示とは、標識令で定められたもの以外の表示、看板などで、交通を円滑に図るため、ある程度統一されたものです。
これらの表示は道路交通法で規格が統一された標識とは異なるため、全国各地で微妙に図柄が違う場合があります。
この表示を見かけたら、ラウンドアバウト内を通行する車両を妨げないように気を付けましょう。
日本でラウンドアバウトのある場所
ラウンドアバウトは2014年に施行が開始されて以来、毎年増えています。2021年時点では秋田県、山口県、鳥取県、徳島県、高知県、佐賀県、長崎県を除く都道府県に設置されています。
東京都では、2014年に設置された多摩市桜ケ丘1丁目にあるものが唯一のラウンドアバウトです。
※データは執筆時点(2021年4月6日)のもの
埼玉県羽生市のラウンドアバウト
2017年に埼玉県では4つ目となるラウンドアバウトを羽生市須影地内に設置されました。既存のラウンドアバウトとは異なり、交差点改良を伴うものとして導入されました。
群馬県安中市のラウンドアバウト
北陸新幹線の安中榛名駅の入り口交差点で群馬県初のラウンドアバウトが設置されました。社会実験では以前より交差点内の車両の走行速度が低下し、交差点の前後100メートルの通過時間が短縮するなどの効果がみられたそうです。
茨城県日立市のラウンドアバウト
常陸多賀駅前広場に再整備工事として、ロータリーの交差点処理は、信号制御ではなくラウンドアバウト式が採用されました。
愛知県安城市のラウンドアバウト
工場等の拡張により通勤者の増加が見込まれる北部(里町)の渋滞緩和と安全対策を図るためラウンドアバウトが設置されました。
大阪府和泉市のラウンドアバウト
大阪府では和泉府中駅前の交差点改良目的として、ラウンドアバウトが導入されました。
ラウンドアバウト(環状交差点)のルールを知っておこう!
ラウンドアバウトが設置されている場所はまだ少ないですが、地方や新興住宅街では今後どんどん増えていくでしょう。
ロータリー交差点とは通行のルールが異なりますので、標識やラウンドアバウト独特の交通ルールなど、覚えておくと良いでしょう。ラウンドアバウトの設置で渋滞や事故が減ると良いですね。
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- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
- 監修者プロフィール
- 鈴木 ケンイチ
- 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...