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車検シールの貼り方、貼る位置は?貼ってない・もらっていない場合はどうなる?
そもそも車検シールとは?
車の維持に欠かせない車検は、正式名称を「自動車継続検査」といいます。車が『道路運送車両法』に定められている保安基準に適合しているかどうかを検査するものです。新車で車を購入した場合は3年後、以降の継続車検は2年で検査を受けなければなりません。
検査に適合していると認められると車検シールと呼ばれる「検査標章」が与えられ、フロントガラスに貼り付けておく必要があります。次に受ける車検の時期を車検シールで確認するというユーザーも多いのではないでしょうか。
車検シールが必要な理由
なぜ車検シールがなぜ必要になるのかというと、国土交通省の「自動車検査・登録ガイド」の中に記載があります。車は不特定多数が利用するため、走行中に事故を引き起こす危険性が高く、公害を引き起こす恐れも含んでいるものです。
車の検査と登録を行うことで、所有者の識別、車の安全の確保、公害の防止を目的にしています。そのため車検シールをフロントガラスに貼り付けることで、有効期限を表示し車検を受けずに乗り続けている「無車検車」ではないことを周知させているといえるでしょう。
車検シールの種類
普通自動車と軽自動車では車検シールが異なったデザインになっています。大きさは40mm×40mmと同様ですが普通自動車の場合は青地に黒文字で記載されたもの。軽自動車は黄色地に黒文字で、『軽自動車検査協会』の記載があります。
車検シールはデザインが一定期間ごとに変更されており、直近では2017年1月に変更されました。以前よりも見やすいように文字を大きくすることで視認性を高めたデザインとなっています。
車検シールの貼り方
最初に、シールを貼り付ける位置や角度などを確認しておくと良いでしょう。次に貼り付けるガラス面の汚れなどはあらかじめ水拭きと、乾拭きをしておきます。手元に届いた車検シールは、表と裏の両面に印刷された1枚のシールのように見えます。しかし別々のシールになっているため、自分で1枚に貼り合わせなければなりません。
車検シールを半分剥がして、透明なシールに貼付け、残りの半分も同様に透明シールに貼り付けていきます。1枚のシールが完成したらフロントガラスの定められた位置に貼り付ければ完成です。
詳しい貼り合わせ方については、国土交通省の「自動車の車検標章の貼り合わせ方法」に記載がありますので、参考にしてみてください。
車検シールを貼る位置
車検シールを貼り付ける場所は、国土交通省によって定められているので、どこに貼っても良いわけではありません。車検有効期間の満了時期が見やすいフロントガラスに貼り付けます。状況により3つのパターンがあるため、愛車のフロントガラスに合わせた貼り付け方をしてください。
・フロントガラス上部
ルームミラーがフロントガラスに取り付けられている場合は、ルームミラーと同様に中央のガラス上部に貼り付けましょう。
・フロントガラスの左上部
ルームミラーが取り付けられていないなど「パターンA」以外の場合には、運転席から一番遠いフロントガラスに貼り付けることになっています。
・車検シールが確認できるまで下がった場所
フロントガラスの上部が青などに着色されている場合には、外側からシールを確認することが難しいので、色の付いたガラス部分を避け、確認しやすい位置まで下にずらして貼り付けるようにしましょう。
車検シールの貼り方や再発行の方法について詳しく知りたい方はこちら
車検シールの位置が2023年1月に変更される
2022年6月に国土交通省は、車検シールを貼り付ける位置を2023年1月から変更することを発表しています。それによると現在でも車検が切れたまま走行している車がいることを受け、車検の有効期限を忘れていた「うっかり」ミスをなくすためとのことです。
2017年のデザイン変更でシールの視認性が高まりましたが、今回は貼り付け位置を変更することで、ドライバーからもっと見やすくしたいという意図が込められています。現在は3パターンの中から車検シールを貼り付ける位置が定められていますが、2023年1月からは貼り付け位置が変更されるため、注意が必要です。
変更後の車検シールの貼り付け位置については、国土交通省「自動車検査業務等実施要領の一部を改正」により、「車の正面からまたドライバーから見やすい場所」に貼り付けるように指示されています。
具体的には、「フロントガラスのドライバー席上部となっており、車両の中心から可能な限り遠い位置」ということです。もっと簡単にいえば、ドライバーが着座した際に、右ハンドルならば右上側ということになるでしょう。
車検シールをもらってない・貼っていない場合どうなる
車検シールをもらっていない場合
車検シールの貼付けは、車検を受けた車両に対して、道路運送車両法第66条によって義務付けられています。もし車検シールをもらわず、貼り付けを怠った場合、道路運送車両法第109条9に違反します。この違反に対する罰則は、最高で50万円の罰金が科せられ、また、車検の期限が切れたと見なされ、車検の更新が必要です。
車検シールを入手する手順は以下の通り。
- 車検場やディーラーで車検を受ける。
- 車検が完了したら、車検証と車検シールを受け取る。
- 車検証と車検シールを車に貼り付ける。
車検証は車検が終了すると直ちに入手できますが、車検シールは後日郵送されてきます。したがって、車検シールを貼り付ける前に、車検が正常に完了したことを確認することが重要です。
もし、車検シールを受け取っていない場合、直ちに車検場やディーラーにお問い合わせください。
車検シールの期限切れ・貼り忘れた場合
ディーラーや整備工場などで車検が終了した際に、「車検証」と「車検シール」が揃っていないという経験をすることは多いものです。その場合には車検シールよりも一回り以上の大きさで黄色地に黒と赤の文字が記載された仮ステッカーの「保安基準適合標章」が貼られていることがあります。
こちらのシールは、仮のもので車検証と車検シールが届くまでの間、公道を走行することが可能です。注意したいのは、本来の車検シールが届くまでの15日間に限られていること。この期間を過ぎても公道を走行していると、上記のもらい忘れと同様、『道路運送車両法』第109条により50万円以下の罰金を科せられることがあります。
つまり車検シールが後日手元にあったにもかかわらず貼っていない、貼り忘れていたという場合も同様の罰則対象です。もし車検シールの偽造や不正使用を行った場合には同法98条により3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金またはその両方を科せられることがあります。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...