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坂道でエンストしたときの対処法を解説!どうすべきか覚えてる?【くるまTips】

エンストとは?

「エンスト」とは「エンジンストール」の略。エンジンストップと勘違いしないように気をつけましょう。

ストール(Stall)は失速という意味で、エンジンの回転が遅くなって停止することを指します。

今回は、エンストとは何かという基本的なところから、どんな時にエンストが起こるのか、エンストしたらどうすればいいのかまでを解説していきます。

MT車のエンスト

MT車におけるエンストは、大半がクラッチペダルの操作時に発生します。特に発進するときに起こりやすく、慌てていたり焦っていたりしてペダルを急に上げてしまうことでエンジンが停止します。

一般的にエンストというとMT車で起こることがほとんどです。

AT車でもエンストする

一方で、クラッチペダルを操作する必要がないAT車(オートマティック車)でもまれにエンストすることがあります。

例えば、ギアを「D」に入れて前進しようとしている時に、何らかの理由で後ろにバックしてしまうとエンストします。逆に、ギアを「R」に入れてバックしようとしている時に、前進したときも同様です。

とはいえAT車でエンストした経験のある方は、MT車に比べると圧倒的に少ないのではないでしょうか。

エンストはこんな時に起きる!注意すべきポイント

エンストが起きる時は様々ですが、こんな時に起きやすいと言われているシチュエーションがいくつかあります。

主なエンスト原因を紹介します。

完全停止状態からの発進

最もエンストしやすいのが、停止している状態からの発進。例えば赤信号や踏切、渋滞といった停止せざるを得ない状況はエンストしやすいと言えます。

車は大きくて重い金属のかたまりです。それが、動き出すわけですから、車の様々なパーツが一斉に動き出し、同時に負荷もかかります。そのため、発進時には注意する必要があるのです。

坂道発進時

坂道での発信はエンストの代表的シチュエーションです。

上り坂で停止した時、車体には後ろ向きの力がかかります。この時にエンジンの回転をうまく調節する必要があるため、エンストが起きやすくなります。

止まらないに越したことはないのですが、赤信号や踏切の手前が上り坂になっていると停止を余儀なくされ、坂道での発進を強いられることになるので厄介です。

急発進時

平坦な道路であっても急な発進はエンストを誘発します。路面の形状に関わらず、急発進はしないように心がけましょう。

坂でエンストしたときの対処法

©tarou230/stock.adobe.com

エンストしたらどうすればいいのか、具体的な対処方法をMT車とAT車に分けて解説していきましょう。

エンスト対処法:MT車

MT車でエンストする原因は、急激にクラッチを切ってしまうことだと解説しました。

エンストしたことに焦って再びクラッチを踏むと、タイヤが自由に回転できる状態になります。つまり、そこが上り坂だったら後退してしまいます。

それを避けるために、エンストしたらまずフットブレーキを踏んでください。タイヤの回転を止めることで、車が後退するのを防げます。詳しい手順は以下のとおりです。

【操作手順】

  1. エンスト発生
  2. フットブレーキを踏む
  3. クラッチを踏む
  4. ハンドブレーキをかける
  5. エンジン始動
  6. ギアを1速に
  7. アクセルを少し踏む
  8. 半クラッチ保持
  9. ハンドブレーキをおろす

一見すると工程が多いように思うかもしれませんが、慣れれば数秒でできる操作です。MT車での運転に不慣れな場合はイメージトレーニングなどを繰り返して操作手順を覚えてください。

エンスト対処法:AT車

AT車では坂道の発進時、ギアを「D」に入れた直後に後ろに下がるとエンストする可能性があります。エンストした際はMT車と同様に、すぐにフットブレーキを踏み、ギアを「P」に入れてからエンジンを始動してください。

後ろに下がるのを防ぐために、ハンドブレーキをかけておきましょう。最近はハンドブレーキの代わりに足元にパーキングブレーキペダルがある場合もあります。

詳しい手順は以下のとおりです。

【操作手順】

  1. エンスト発生
  2. フットブレーキを踏む
  3. ギアを「P」に入れる
  4. ハンドブレーキをかける
  5. エンジン始動
  6. ギアを「D」に入れる
  7. アクセルを少し踏む
  8. ハンドブレーキを下ろす

AT車でエンストする原因は、燃料不足やエンジントラブルの可能性も考えられます。もし、上記の操作手順をやってもエンジンがかからない、発進できないという場合は、レッカー車を呼んで対処してもらうことも視野に入れておいてください。

坂でのエンストには様々な危険が!

©Satoshi/stock.adobe.com

平坦に見える道でも、道路にはわずかに傾斜があり、坂になっていることがあります。運転中はエンストするリスクを考えておくことが重要です。エンストしても慌てずに、今回解説した対処法を試してください。

加えて、エンストした際にどういった危険があるのか理解しておくことも大切です。

坂でエンストした際に想定されるトラブル

  • 発進できなくなって渋滞を発生させてしまう
  • あせってアクセルを踏みすぎて大きな騒音を発生させてしまう
  • 意図しない後退に焦ってしまい急ブレーキを踏んでしまう
  • 意図しない後退で後続車とぶつかる

ここで挙げたのはあくまで代表的な例で、これ以外にも状況次第で様々な危険が生じる可能性があります。

坂での発進時にはちょっとしたコツがあります。坂の途中で止まったら、エンストする前にハンドブレーキを引いておくことです。発進と同時にハンドブレーキを下ろせば、後退することはありません。もしエンストしても後退せずすみます。

大切なのは、平坦な道でも坂道でも、MT車であれば発進時にクラッチをゆっくり上げる。AT車であれば、発進時にすぐにアクセルに足をかけ下がらないようにする。といったことを意識しておいてください。

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執筆者プロフィール
室井大和
室井大和
1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...

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