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サージタンクとは?車のどこにある?インマニとの構造は?
サージタンクとは?
エンジンの左側にある銀色の部分がサージタンクです。
サージタンクとは、エンジン吸気側からスロットルまでの間に設けられたタンクのような広い空間のことで、エンジンに安定した空気を供給するために必要な空間です。
各気筒に均等に空気が取り入れられるようにする目的と、回転変動の際の出力特性を安定させる効果を持ちます。
よく誤解をされますが、空気を貯めておく場所ではないということです。
自然吸気エンジンでは、サージタンク内は、ほぼ負圧で空気が貯まる事はありません。
ターボエンジンでは、ターボが働いているときには正圧になりますが、基本的には自然吸気エンジンと同様の機能を果たします。
サージタンクは流体における工学一般で、ダム、水力発電、空調設備などにも使われる言葉で、空調設備ではプレナムチャンバーと呼ばれる場合もあります。
インテークマニホールドとは?
サージタンクからエンジンに向かって伸びるのがインテークマニホールド
サージタンクで均一にされた空気をエンジンの各気筒に分配するための管をインテークマニホールド(略してインマニ)と言います。
太くければ、たくさんの空気を通すことができますが、空気の流速が遅くなってしまいますので、エンジンに応じた太さ、長さの設計が非常に重要となる部品です。
サージタンクを含め、強い圧力がかかるため、その多くは金属加工されたものが一般的でした。
しかし、現在では樹脂加工技術が向上し、高い強度と精度を備えたプラスチック製のサージタンク、インテークマニホールドが主流となりつつあります。
均等に空気を分配するサージタンク
空気の特性を知る
サージタンクとインマニが果たす機能を具体的に説明していきます。
まず、前提となるのが、「管を流れる空気などの流体は管が細くなると流速が上がる」ということと「空気には慣性が働く」ということです。
これらを前提に話を進めていきます。
サージタンクと容量
4サイクルエンジンは吸気、圧縮、膨張、排気と4つの行程に分けられます。
インテークマニホールド内では、それぞれの気筒で同時に異なる行程をしていますので、小さすぎるサージタンクでは各気筒のインテークマニホールド入り口付近での圧力の違いがお互いに影響し合い、適切な空気を吸入できない事態が発生してしまいます。
これを“吸気気筒干渉効果”と言います。
それを抑えるため、サージタンクは大きい方が各気筒への影響を少なくすることができます。
しかし、大きすぎるサージタンクでは、タンクの広がった部分で吸気流速が落ちてしまい、エンジン全体での吸気量が落ちてしまいます。
特に自然吸気エンジンでは、アクセルを踏んでも反応しない、レスポンスの悪いエンジンとなってしまうのです。
そのため、エンジンの排気量に応じたサージタンク容量を設定しなければなりません。
サージタンクは形状も重要
サージタンク内部の形状によっては、ある気筒だけ吸気量が多い、あるいは少ないといった現象も起きます。
そうなると、それぞれの気筒で出力出来るパワーが違うので、スムーズに回るエンジンにはなり得ません。
場合によっては、内部に隔壁を設けるなどして、抵抗を作ってまで各気筒に均一に分配できるよう設計される場合もあります。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...