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車中泊用の車をDIYで全塗装!失敗例も含めて上手くいくポイントを紹介
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
DIYで車体を全塗装
自分の車を好きな色にカスタムして車中泊旅を楽しむ人が増えてきましたよね。
とはいえ、車体の全塗装をして失敗したら嫌だな、本当に自分でもできるのかな、と不安な方もきっと多いはず。
そこで本記事では水性塗料を使った全塗装のポイントや実際の失敗例を交えた注意点などをご紹介していきます。
最後には仕上がり後、1ヶ月経過した状態や色褪せなど気になる点も解説していきますね。
自分で塗装をすれば業者にお願いするよりも圧倒的に価格を抑えてできます。
価格を抑えて、DIYで全塗装をやってみたい、という方はぜひ最後までチェックしておきましょう。
今回使用する車種は日産NV200
本記事で紹介している車種は日産のNV200を使用しています。
車中泊仕様のカスタムもたくさんメーカーから販売されており、車中泊にも人気の車種です。
そして、今回NV200に塗る塗料は「タカラ塗料の水性塗料」になります。
水性塗料のメリットは大きく2つあります。
・匂いが少なく、安心
・太陽からの熱にも強い
特にお子さんと一緒に塗る場合や普段、青空駐車で太陽光によく当たるという場合は水性塗料がおすすめです。
もちろん水性塗料以外にも油性の塗料もあります。
他の塗装を使用する場合は手順や使用するものが異なるため注意してください。
本記事では水性塗料を使った全塗装のポイントや失敗しないためのコツをご紹介していきます。
車体のDIY塗装に用意するもの
はじめに車中泊仕様車の塗装に必要なものとその選び方について紹介していきます。
すでに準備が完了しているという方はスキップしてくださいね。
・塗料
・ワックスオフ
・耐水ペーパー(#600)
・ウエス
・マスキング
・刷毛/ローラー
・ビニール手袋
・その他
塗料
今回はタカラ塗装の水性塗装(カラー:ローデシアンブラウン)を使用しています。
NV200などのワンボックス車を塗装する場合は3kgほど塗料を用意しておくといいでしょう。
塗っている途中に足りなくなるのを防ぐために多めに用意しておくのも大切です。
ワックスオフ
ワックスオフは後に紹介する足付け(やすりで車体を荒らす)後に、車体についた古い塗装やホコリなどの汚れを拭き取るために使用します。
ワックスオフはシンナーでの代用もOKですが、使用する塗料との相性もあるので注意しましょう。
間違えたら不安だなと言う方は塗料を購入する際に販売サイトで一緒に購入しておくのをおすすめします。
耐水ペーパー(#600)
耐水ペーパー(やすり)は車体の足付けに必要になります。
車体の屋根など広い面を塗装する場合には、耐水ペーパーはなるべく多く用意しておきましょう。
車体をやすりがけしている間に耐水ペーパーは摩耗するので、その都度交換していくのがいいですよ。
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ウエス
ウエスは耐水ペーパーでやすりをかけた後に車体の汚れを拭き取るために使用します。
ウエスではなく雑巾やタオルで拭いてしまうと、生地から糸くずが出てくるのでおすすめしません。
塗装するときには糸くずやホコリのない状態が好ましいため、ウエスなど繊維が落ちないものを選ぶようにしてください。
マスキング
マスキングは塗料を塗りたくない部分に貼るために必要になります。
窓やミラー、ライトなど貼る場所は多いので、マスキングも多めに用意しましょう。
刷毛・ローラー
塗装をきれいに塗るのに重要な刷毛とローラー。
刷毛は細かい部分を塗るために使用するので、塗料に合った細いものを用意しておきましょう。
また、ローラーは毛の長さによって完成度が左右するため、短め(短毛ローラー)を用意するといいですよ。
※今回使用したのは【特殊マイクロファイバーローラー】毛丈4ミリ/長さ4インチ
ビニール手袋
塗装やワックスオフなどが手についてしまうと、なかなか落ちません。
手荒れの原因にもなるので、必ず手袋は着用して作業をしましょう。
服についた塗料も落ちないので汚れてもいい服装で行うようにしてくださいね。
その他
三脚:車体の天井を塗る際に必要
ビニールシート:車体の下に敷いて地面への汚れを防止
塗料用のバケツ:塗料を持ち運びながら塗れるように人数分用意
細い筆:作業しづらい細かい部分などの塗装用
全塗装の手順と失敗しないコツ
それでは、ここからは車中泊仕様車の全塗装の手順を1からご紹介していきます。
手順としては6つの手順があります。
1.マスキング
2.足付け
3.ワックスオフ
4.塗料を塗る
5.2度塗り、3度塗りを繰り返す
6.マスキングをはがして完成
それぞれの作業ポイントも紹介しているので全塗装を始める前に一度チェックしておきましょう。
マスキングはとにかく丁寧に!
マスキングはとにかく丁寧に貼っていきましょう。
マスキングの貼り方で完成度が9割決まると言っても過言ではありません。
特に窓の周りは完成後に気になるポイントなので、丁寧に貼っていきましょう。
足付け(やすりがけ)は削り残しがないように
車のボディを#600の耐水ペーパーでやすりをかけます。
このときに車体が傷だらけになりますが、表面を荒らすことで細かい凹凸を作るので心配ありません。
表面積が増えて塗料と接する面が多くなるので、塗料がしっかりとつくようになります。
よりきれいな仕上がりにするためにも、全体的にしっかりと傷がつくようにやっておきましょう。
ワックスオフ
ウエスにたっぷりとワックスオフをしみこませて車体全体を拭いていきます。
足付けで出た古い塗料やホコリなどの汚れを丁寧に拭き取っていきます。
毛くずのでるタオルなどを使うと、ほこりを余計に車につけてしまうので注意してください。
ここまでが塗る前の下準備となります。
一度塗り始めると後戻りできないので、下準備は時間をかけて丁寧にやっておきましょう。
塗料を塗っていく
下準備が完成したら、いよいよ塗装開始です。
水性塗料の場合は塗料1に対して5~15%の割合で水を足して薄めていきます(塗料1kgに対して約0.05~0.15L)。
塗料がさらさら過ぎると塗るときに液だれができてしまうので、水を多く入れすぎないように注意してください。
1度目の塗装はムラがある状態で問題ありません。
全体的に薄く塗っていけば大丈夫です。
2度塗り、3度塗りをする
1度目の塗装が完了したら最低でも1時間(気温や湿度にもよる)ほど時間を空けて2度塗りをしていきます。
乾いていない状態で重ね塗りをしてしまうと、前に塗った塗料がはがれて凸凹になってきれいに仕上がらない可能性があるので要注意です。
しっかりと乾いたのを確認してから再度塗るようにしましょう。
乾く前にマスキングをはがす
完全に乾く前にマスキングをはがすようにしてください。
その理由は「マスキングと一緒に乾いた塗料のはがれてを防ぐため」です。
完全に乾いてしまうと、せっかく塗った塗料がマスキングと一緒にはがれてしまう可能性があります。
2度塗りもしくは3度塗りが完了した時点で、マスキングをはがすようにしましょう。
※このときに塗り残しやきれいに塗れていない場所が出てくるので細めの筆を用意して塗るといいです。
雨の当たらない場所で一晩乾かす
車体の全塗装は完了です。
最後に車体が雨に濡れない場所に停車させて完全に塗装を乾燥させましょう。
水性塗料の場合は一晩が目安とされています。
とはいえ、「雨に濡れない場所なんて近くにない」という方も多いかと思います。
なので、次の日の天気予報など確認しながら雨の降る可能性が低い日を選んで塗装するといいですよ。
【ここは失敗した!】全塗装における注意点
本記事の筆者が全塗装で失敗した!という部分を紹介します。
同じ失敗はしないように、全塗装をする方はチェックしておいてくださいね。
失敗ポイントは以下の3つです。
1.マスキングで完成度が決まる
2.液だれには細心の注意をする
3.気温が高く、すぐに乾いてしまった
それぞれ簡単に解説していきますね。
マスキングで完成度が決まる
マスキングを適当に貼ってしまった部分は当然完成度も低く、雑な仕上がりになってしまいます。
特に窓枠などのゴム部分にマスキングを貼るのが難しく、手を抜いてしまいました。
結果的に塗料がはみ出て納得のいかない完成となってしまいました。
また、ライトなど外せる方は外してから塗装するのがいいかと思います。
ライトとボディの隙間はマスキングも貼りづらく、塗料も塗りにくい部分が多いです。
ライトやエンブレムなど取り外せるものは塗装前に取り外した状態での作業を検討してみてもいいかもしれません。
液だれには細心の注意をする
液だれが発生したまま気づかずに、そのままの状態で塗装が乾いてしまうと修復が難しいです。
液だれした形のまま残ってしまいます。
それを防ぐには刷毛やローラーで塗っているときも液だれがないか塗料のたまっている部分はないか細かく確認しながら作業を進める必要があります。
あとから気づくパターンが多いのでローラーや刷毛を使う作業は慎重に塗っていきましょう。
気温が高く、すぐに乾いてしまった
特に天井の面は太陽の熱で塗った瞬間にどんどん乾いていきます。
乾く前に塗料を伸ばさないといけないのですが、数秒で乾いてしまったため塗料が固まるという失敗場所が多く残りました。
気温が高いときの塗装の注意点
①塗料に入れる水を多めにする
②度に広い面を塗ろうとしない。
この2つのポイントを意識して作業するといいでしょう。
1ヶ月経過した塗装の状態
全塗装をしてから、1か月後の車体の塗装面の状態です。
塗装剥がれは特にありません。
ですが、硬いものを塗装したボディに当ててしまうと塗装が削れてしまうこともあります。
ドアから出入りする際や、大きな荷物を入れるときなど、特に注意が必要になります。
まとめ
車中泊仕様車の全塗装について紹介してきました。
全塗装をしてみたいけど、失敗は避けたい、不安だなという方の参考になれば嬉しいです
車中泊仕様車の全塗装をやってみた感想としては「思ったよりも簡単」です。
なので、自分の車を好きな色にカスタムして車中泊をより楽しみたい、という方には全力でおすすめしたい全塗装です。
業者にお願いするよりも圧倒的に価格を抑えてできるので全塗装、試してみてはいかかでしょうか。
※今回使用したのはタカラ塗料の水性塗料になります。
水性塗料以外での全塗装の場合には手順や使用するものが異なる可能性もあるためご注意ください。
ライター:さん子
キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信!
- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
- キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジンです(https://news.drimo.jp/)。実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるラ...