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【軽トラで快適に寝れる?】軽バンと軽トラの両方で車中泊してみて寝心地を調べてみた!

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


ここ数年、私は譲り受けたホンダ バモスを度々車中泊旅に使用してきた。

軽自動車は小回りが効いて旅先でも重宝することが多い。

高速の料金が安いことも大きな魅力だ。

そして、最近Boo3(軽トラ用のシェル)のアンバサダーに就任したため、これを装着したダイハツ ハイゼットジャンボでも車中泊をするようになった。

と言うより少なくともBoo3のアンバサダーでいられる限りは、Boo3+ハイゼットがメインになる。

しかし、一般的には軽バン(バモスのような乗用車ナンバーのワゴンも含め)の方が車中泊旅用のクルマとしては軽トラよりポピュラーで、軽トラを車中泊に使う人の方がマニアックのようなイメージもある。

また、軽トラの荷台で果たして快適に寝られるのか、そもそも屋根のない軽トラの荷台で寝るにはどうしたら良いのかといった根本的な疑問を抱く人もいると思う。

そこで、実際に軽バンと軽トラの両方を車中泊旅に使ってみて感じた違いや、軽トラを快適に車中泊に使う方法などをこの記事ではご紹介しようと思う。

軽トラの荷台で寝る方法・居住性

ピックアップトラックの荷台のことを英語ではベッドと呼ぶが、平らな荷台はマットでも敷けば名前の通り快適な寝台になる

しかし、雨風を凌ぎたかったら荷台を覆う何かが必要だ。

ブルーシートやタープなどで荷台を覆っただけで寝てしまう人もいる。

荷台の上ではないけど、こんなイメージ

私も若かりし頃はハイラックス(四輪駆動初代のRN36)の荷台で天気の良い晩は星空を眺めながら寝るなんてロマンチックなことをしてみたり(夜中に雨が降り出し、仕方なく狭いキャビン内に逃げ込んで寝たこともあった)、雨や雪が降りそうな夜は荷台にタープをかけて寝たりしていた。

しかし、現在はさすがにもう少し自分に優しくしている。

この方法はちょっと上級者向きと言うか、マニュアル通りにできることでもない。

他人からやり方を訊いてやるようなことでもないとも思うので、この話題はここまでにして、以下にもう少し一般的な「軽トラの荷台で寝る方法」を挙げ、各々の特徴や利点欠点などを紹介しようと思う。

荷台にテント

ブルーシートやタープだけより文化的な方法として、荷台に普通の一人用や二人用程度のテントを張ってしまう方法がある。

ピックアップトラックの場合は荷台にタイヤハウスの出っぱりがあって、荷台の幅が狭くなっている部分があり案外これがやりにくい。

しかし、軽トラの場合は完全にホイールより上に荷台があるため、タイヤハウスの出っ張りはない。

荷台全面が平らなため、サイズ的には軽トラより大きなピックアップトラックより実はこれがやりやすい(アメリカと違い、オーストラリアなどではボディーとの一体感のないデザインの平らな荷台を軽トラと同じ方式で架装するのがポピュラーだが、ホイールが大きい分軽トラと違って床面はかなり高くなってしまう)。

結構前の話だが、知人のアウトドア関係のライターS氏は、軽トラの荷台に一人用のテントを張って旅をする様子をアウトドア雑誌の連載でやっていた。

寝心地は、当たり前だけど基本的にはテントで寝るのと同じだ。

しかし、なるべく水平な場所を選んで駐車する必要はあるが、地面にテントを張るのと違って平らな地面を探す必要がない利便性があり、高床式になるため地面の湿気がダイレクトに伝わらずに済むのも良い。

マットも寝袋も特別なものが必要なわけではなく、普段テントで寝るときに使っているのと同じものを使えばいつものテント泊と同様に寝られることになる。

と言っても、車中泊がブームになった今となっては、やたらな場所でこれをやると目立ってしまい、傍からとやかく言われることもありそうだから、どこでもこれでOKとは言い難い。

しかし、場所を選べば「荷台にテント」は大変合理的な手段の一つではある。

だが、これもまた「どんなテントだったら張れるのか?」「荷台の上だからペグダウンができないけど、どうしたらいいの?」なんて他人に訊くようなレベルの人はやらない方が良いと思う。

もう少し自分で考えたり工夫ができて、一人用や二人用の小さなテントを使い慣れている人向きだ。

これも荷台の上ではなくSUPの上だけど、使えるのはこんなタイプのテントだ

万人向けとは言い難いが、少しアドバイスするなら、普通の軽トラの荷台は平らとは言っても強度を出すためにプレスのラインが入っていて凸凹している。

そのままでは底冷えもする。

下地として荷台にコンパネでも敷いてしまった方がより快適で、断熱性も高くなるので、コンパネ一枚敷くだけでもやったほうが良い。

万人にお勧めできる方法ではないが、若者には、「登山口では軽トラの荷台にテントを張って寝て、同じテントを背負って山に登る」のような旅をどんどんしてもらいたいなどと思ってしまう。

業務用の普通の幌を使うのもありだと思うが、最近は業務用と言うよりほぼレジャー用を想定して作られたようなフレームと幌も存在する。

そういったタイプはデザイン的にもなかなかオシャレだったりもする。

幌はテントのようでもあるけど、中に入ると幌馬車のような雰囲気も味わえるところも魅力だ。

しかし、業務用もカッコイイやつも荷台に普通のテントを張るよりは手軽だが、やはりこれも所詮テントなので、断熱も遮音も軽バンなどの車内と同じではないことは事実だ。

多少の雨漏りや隙間からの浸水なども覚悟する必要がある。

さらに言えば、VANの車中泊で寒いだの外の音や雨音がうるさいだのと言っている人には無理だと思う。

もう少しワイルドな空間だ。

これも最低でもテント泊を経験してからにした方が無難だと思う。

シェル

幌から進化したようなものが、荷台に固いハコ、いわゆるシェルを荷台に被せたり載せてしまう方法だ。

これも私の使っているBoo3のように、幌の布をアルミや木の板に置き換えたような比較的シンプルなタイプと、積み降ろしのできる家を荷台に積むようなタイプがある。

ピックアップトラック用には外観的にボディーと一体感のあるFRPシェルもあるが、軽トラ用は見たことがない(あるのかもしれないけど)。

「家を荷台に積むようなタイプ」は、箱全体を積み降ろしのできるキャンピングカーだ。

このタイプのしっかり作られたキャンピングシェルは、軽バンの中よりずっと居住性が高いばかりか、サイズは小さくても居住空間の快適度は立派なキャンピングカーと遜色がない。

普通の意味でこれが軽トラの荷台で最も快適に寝られる方法ということになる。

そして、荷台に被せるタイプのシェルや軽バンの室内をしっかり作り込んでしまうと、そのままでは車検が通らなくなってしまうケースも考えられるが、箱全体を積み降ろしできるのなら車検には全く影響しないので、手を加えやすいといった利点もある。

また、補足しておくと、このタイプと軽トラベースのキャンピングカーとの最も大きな違いは、「家」は積み降ろしができるため、降ろしてしまえば普段は普通の軽トラとして使えることだ。

そして8ナンバーのキャンピングカー登録にならず、4ナンバーの貨物車登録のままであることも違う点だ。

そして、軽トラベースのキャンパーや軽バンベースのキャンパーと違い、このタイプは簡単に車両の方を交換することができてしまう。

メンテナンスを怠らずに使えば、車両を交換しながら長く使うことができるのも大きな利点だ。

欠点を挙げるとすれば、豪華になれば当然コストもアップし、重量も増して走行性能に影響してしまうこと。

背が高いと走行中の風、特に横風の影響を受けやすくなることだろうか。

しかし、特徴をよく理解した上で使えば、コストパフォーマンスが高く快適で、その魅力は欠点を大きく上回るものだ。

次に、私の使っているBoo3のようなタイプについてだが、この中の居住性は、ざっくり言うと「幌と軽バンの中間的」な感じだ。

Boo3は雨漏りなどはもちろんないが、軽バンほどの機密性がないと言うか、布の代わりにアルミ複合板で作ったテントのような雰囲気といった感じだろうか。

布よりしっかりしているけど、軽バンのボディーの方が心理的にガッチリ守られている感があると感じる人もいそうではある。

とは言え、Boo3の場合は屋根には厚い断熱材がしっかり入っているため、天井の断熱性や遮音性は普通の軽バンよりむしろ高い

私は汎用性の高さを残しておきたいので今のところそうする気はないが、内部の壁面に板の内張りを追加したり、厚い布でもかけてしまえば、さらに断熱や遮音も高まり、居住性はよりキャンピングカーに近くなりそうだ。

そして、軽バンと比較した場合の居住性に関してのこのタイプの大きな利点は、軽バンの荷室より広く、実際にも広いのだが壁が垂直に立っているせいで数値以上にずっと広く感じる点だ。

この差は非常に大きい。

写真だけではこの差をお伝えすることは難しく、これは実際に経験してみないと分かりにくいことなのだが、とにかく広々と感じ、使い勝手の良い快適な空間だ。

Boo3を見て、窓がないことを気にかける人もいた。

頑張ればDIYで付けられないこともなさそうだけど、一応前には窓があり、キャビン越しに外を見ることはできる。

しかし、考えてみたら日中この中に入って外を眺めることなど少なくとも私にはないことだ。

この中に入るのは基本的に夜だけだから窓の必要性は特に感じていない。

昼寝する時はパネルを開け放った状態にするか、真剣に昼寝をしたければやはり窓は要らないことになる。

シェルの価格は安くはないが、軽トラは軽バンより車両価格が安いため、軽トラ+シェルは軽バンより価格面で不利なわけでもない。

自作シェル

前の項目では一応出来上がったシェルを載せたり被せたりすることを基準に話を進めていたのだが、軽トラ用のシェルを自作する人も結構多い

自作する利点は、好きな形やデザインに作れる、自作すること自体も楽しい、コストをセーブできる(必ずしもそうとは限らないが)などが挙げられる。

しかし、防水も、しっかりとした強度を確保することも簡単なことではないので注意が必要だ。

強度に関しては、例えばVANの内装を自分でいじって、それが壊れてしまっても自分が残念な思いや辛い思いするだけで、車両火災を起こすようなことでもしなければ、事故というほどのことになることはあまりない。

しかし、強度の問題で走行中にシェルが壊れたり、重量超過やバランスの悪さで交通事故を巻き起こしてしまう可能性は十分にあり得ることだ。

シェルの自作も魅力はあるが、あまり安易には考えず、特に強度や重量、重量バランスなどについては慎重に考えた方が良いと思う。

そして、自作シェルは各々の出来栄え次第なので、これで快適に寝られるか否かなども一概に語ることはできない。

自作のシェルについては今回はここまでに留めておく。

シェルや幌の場合の寝床について

軽トラの荷台は、基本的に鉄板一枚だ。

何も敷かなければ当たり前だけど背中が痛くて快適には寝られないし、底冷えもする。

テントのところでも書いたが、荷台にコンパネなどを敷いてしまうのはお薦めだ。

そしてその上にキャンプ用のマットやコットを置けば良い。

また、専用のゴムマットもメーカー純正だけでなくて、お求めやすい価格のホームセンターのPB商品など数々ある

敷板とこれらを併用するのも良いと思う。

私の場合は、Boo3のオプションのウレタンマットを荷台に敷いてある。

厚みが4cmもあるのでこれだけで下からの断熱もクッション性もバッチリで、コンパネなどを敷く必要もない。

そして、その上にラグやゴザを敷き、荷物を積むときは養生シートを敷いて使っている。

このマットは絶妙な硬さで、柔らかすぎないから上に物を置いても大きく沈み込まないので荷物の積載にも不自由せず、座ったり膝をついても痛くなく、ちょっと寝転がったりするのにもちょうど良い。

見た目や用途は地味ながらも素晴らしく高機能だ。

硬めの床が好きな人は寝る時もこれだけで十分かもしれない。

私も下半身には追加のマットの必要性を感じないので、今のところ寝るときはホームセンターで買った昼寝用の長い座布団のようなやつと、自動膨張式の半身用マットレスの2枚を重ね、それにプラスしてサイズもピッタリだったので、薄いクッション入りの幼児のお昼寝用のゾウさんのアップリケ付きのゴザ(昔娘が使っていたもの)を敷いて寝ている。

ゾウさんゴザは必須ではないが、感触が良い。

これでクッションは十分、夜中に目覚めても、家のベッドにいたのかわからなくなる寝心地になる。

もちろん枕と快適な寝袋も必須だ。

シェルや幌をかぶせた軽トラの荷台で快適に寝られるか否かは、床をどうするかが一番の決め手だと思う。

軽トラの荷台(荷室)の寸法について

かつてはホンダもスバルも三菱もマツダも軽トラを製造していた。

しかし、寂しいことに現在軽トラを製造しているメーカーはダイハツとスズキのみになってしまった。

なので、現行のスバル サンバーも三菱 ミニキャブもその他も皆ハイゼットトラックかキャリイのOEMだ。

そして普通のハイゼットトラックとキャリイの荷台は、どちらも荷台長1,940mm、荷台フロア長2,030mm、荷台幅1,410mmと全く同じで、これが規定内で可能な究極のサイズのようだ。

N-VANの助手席をダイブダウンした状態を別としたら(助手席部分のみだから幅は狭いため、幅が1,410mmある軽トラの荷台と対等に比較することはできないが)、こんなに長く平らな荷室のある軽バンはない。

1.9m以上もあれば余程高身長の人でなければ余裕で体を伸ばして寝ることができる。

幅も1.4mあり、無理なく二人が並んで寝ることのできる広さだ。

一方、普通のハイゼットトラックとキャリイは、どちらもシートの背もたれがほぼ直立でリクライニングしない。

また、二人乗車するとキャビン内に荷物を置くスペースはあまり残らない。

これは軽バンと比較した場合の小さくない弱点となってしまう。

実際、以前使っていたサンバーは、走行性能的には長距離走行もこなせる実力がありながら、運転手の体に優しくなくて(ハンドルに覆いかぶさるような運転姿勢で、少しゴツい靴を履くとステアリングシャフトに膝がつかえることがあった)長距離走行に向かないことが残念だった。

ところが、ハイゼットトラックにはジャンボ、キャリイにはスーパーキャリイというキャブが後方に延長されたタイプがある

どちらもシートをリクライニングできてキャビンは十分に広く、二人乗っても貴重品や手回品を置くスペースが確保されている。

これまでの軽トラの運転席のイメージを覆す快適性があり、使い勝手も格段に向上している。

しかし、キャブを延長すれば当然ながらその分荷台の長さは短くなってしまう。

Boo3の載ったハイゼットジャンボを見た知人ほぼ全員が口にするのが、「笠原さん、この中でどうやって寝るの?」とか「斜めに寝たり、足を曲げて寝ることになるの?」だ。

確かにハイゼットジャンボの荷台長は1,650mm、スーパーキャリイの荷台長はさらに短く1,480mmしかない。

そういった疑問が湧くのも当然だ。

しかし、コンパネや6尺の脚立程度は載せられなければ、実用のトラックとしては半人前扱いとなってしまう。

そんなクルマをダイハツやスズキが作るはずがない。

ハイゼットジャンボもスーパーキャリイも延長されたキャビンの下の方は、キャビン内に大きくえぐられたような状態になっていて、荷台フロア長はハイゼットジャンボで1,990mm、スーパーキャリイで1,975mm確保されている。

コンパネを余裕で積むことができる長さだ。

そして、そのえぐられた部分に足を入れるようにして寝れば体を曲げずに真っ直ぐに伸ばした状態で寝られることになる(必然的に寝る方向は荷台の後部に頭を向けることになり、前後の向きは選べない)。

ところが私の足は靴のサイズではなく素足の寸法で27cmあり、実際に試してみるまでは、この高さ20cmちょっとのスペースに足が収まるのか少々不安ではあった。

しかし、普通は爪先を真っ直ぐ立てて寝ることなどない。

高さ20cmちょっとのスペースでも全く問題はなかった

少々お見苦しいような写真で恐縮だが、これが27cmの足が無理なく収まっている証拠写真だ。

まとめ

先にも書いた通り、積み下ろしのできるキャンピングシェルを載せてしまうのが軽トラの荷台で最も快適に寝られる方法で、そのキャンピングシェルの出来具合にもよるが、しっかりできたキャンピングシェルであれば、居住性は軽バンより確実に上回る。

Boo3のようなタイプのシェルも非常に快適で、私はこちらの方が軽バンより居住性は上回ると思うのだが、神経質な人にとっては軽バンの方が快適と感じるのかもしれない。

また、車中泊に使うクルマにとって、もう一つ非常に重要な要素がある。

走行性能や運転中の快適性だ。

今回これについては触れることができなかったが、旅の快適度を大きく左右することなので、軽トラと軽バンの運転中のフィーリングの違いなどについてもいずれまとめてみたいと思う。

ライター:笠原 サタン

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執筆者プロフィール
車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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