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そのDIY本当に大丈夫?!安全に旅を楽しむためには自分でする?プロに頼む?

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


「自分の好みや使い勝手に合わせてカスタマイズしたい」

車好きには珍しくない考えである。

もちろんキャンピングカーとて例外ではない。

むしろ「動く家」だと考えれば、普通の車よりも手を入れたくなることも多いかもしれない。

また「ちょっとした故障や不具合なら自分で直す」

これもまた、よく聞く話だ。

実際、ネットのブログやSNSには、カスタマイズ事例やノウハウを公開している事例をよく見かける。

それが車の楽しみ方のひとつであることは充分承知(私もそうやっていじり倒してきたクチである)の上で、少しお話ししてみたい。

車を自分の手でDIY

車を自分の手でいじっても法的に問題ない?

まず「車を自分の手でいじっていいのか?」という点だ。

道路運送車両法第47条によれば「自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない」とある。

つまり、法的には自動車の整備はドライバーが自分でするものだ、ということ。

そもそもいじらなければ整備にならないのだから、ブレーキだろうがエンジンだろうが、自分の車は好きに整備していい。

ただ、「自身の技量をきちんと判断すること」が肝心だ。

一歩間違えれば自分や他人の命にかかわるのが車というもの。それは走っているときだけの話ではない。

ネジの締め方ひとつで大事故に繋がりかねないことは、想像に難くはないだろう。

そもそも整備中だって、工具の使い方ひとつ誤ればケガをすることだってありうる。

だからこそ「整備士」という国家資格があるのだ。

スペアタイヤに交換するもがやっと、という程度の知識や経験で、いきなりブレーキ整備に手を出す人もいないとは思うが、そもそも自信が持てないことに安易に手を出すべきではない、ということを肝に銘じていただきたい。

居住部分のDIYは問題ない?

では、居室部分についてはどうだろう。

日曜大工で腕に覚えがある、と言う人もいるだろう。

キャンピングカーの居室部分の整備については、法的な定めはまったくない。

個人がDIYする上での制約は、ほとんどないといってもいい。

しかしこれも、あまりお勧めはしない。

「ここにちょっと収納があるといいのに…」など、気軽に棚を増設したとする。

使った素材は大して重量もなく、難しい大工仕事でもないので気軽にできそうである。

だが、はたしてそこは、釘を打ってもいい場所だろうか?

ちゃっちゃっと棚をつけておしまい、でいいのか?

なぜそんなことを心配するかと言うと、それは「見えないところに、配線や配管が通ってはいないだろうか?」ということなのである。

自動車部分も居室部分もDC12V(一部24Vの車両もある)が多く使われている。

一般家庭のAC100Vに比べて電圧は低いので、一瞬さほど危険だとは思わないかもしれない。

だがこのDC12V、電気の特性から、実は発火する危険性はAC100Vよりも高いことを理解している人は少ないのではなかろうか?

100と12なんだから、当然12のほうが低いし、と惑わされてはいけない。

感電よりも火災のリスクがあるのだ。

ましてキャンピングカーは「動く」もの。

配線の固定なども、一般家庭以上に慎重になる必要がある

事実、国交省の調査によれば、車両火災(キャンピングカーに限らず)の原因の過半数は「後から付けたアクセサリー類の配線不良など」によるものだという報告もある。

問題は「電気の安全性」だけにとどまらない。

最近は、家庭用エアコンを取り付けたり、サブバッテリーを増設する、という大規模なDIYにトライする人も増えている。

快適性を求めての行為なのはよくわかるが、これらの機器にはかなりの重量がある。

いくらベース車両がトラックや商用バンだったとしても、また、室内に十分な面積・体積があるように見えたとしても、素人考えでの取り付けはおすすめできない。

重量バランスは非常に重要であり、最悪大きな事故を引き起こすことがあるからだ。

キャンピングカーのタイヤには、ただでさえ、車体のシェル(外装)や各種設備、内装の重量がかかっている。

そこに人が乗り、荷物が載る。

その上さらに、そうした重たい設備を加えようとするなら、重量配分は慎重に検討すべきだ。

過度な荷重は燃費に悪影響を及ぼすばかりか、タイヤのバーストを引き起こす可能性だってある。

キャンピングカーは製造の段階で、各車輪への重量配分がきちんと計算されている。

それを後から変更することになるなら、まずはプロ(ビルダーやディーラー)に相談するのが安心だろう。

ディーラーに頼むと、本当に高いのか?

そもそもDIYが趣味だという人はともかく、多くの人がDIYに踏み切る理由としてよく聞かれるのが

ビルダーに頼むと高い
オプション設定があったが、自分でやった方が安い

というものだ。

だが、本当にそうだろうか?

DIYの結果については、すべての責任はやった当人にある

失敗したからといって、誰にも責任は問えないし、まして保証は受けられない。

ただただ「やっちまった…」と反省するしかない。

反省で済めばまだいいが、場合によっては致命的な故障に繋がったり、取り返しがつかない事故になることさえある。かえって高い代償につくこともあるのだ。

その点、プロはそうはいかない。

失敗すればクレームに繋がるし、なにより信頼に傷がつく。

どんな補修修理もカスタマイズも、プロだとて必ず一回で成功させるという保証はない。

そのリスクへの保障まで担保するために、彼らは技術を磨き、必要な資材を常備しているのだ。

そのためにかかる費用は、当然、価格に反映される。

ついでだから言うが、オプション類が高価なのにも、それなりに理由がある。

たとえばインバーター。安価な海外製品がネットショップなどで売られていて、私も使ったこともあるが、ハッキリ言って品質は「それなり=値段なり」だ。

だが、ビルダーがオプションで設定する場合「安価な海外製品なので壊れやすいです。

でも壊れたら交換しますから」が通用するわけもない。

そもそも信用問題になるだろう。

彼ら自身が「信頼がおける」と確信した製品を選んで採用し、さらに万が一の故障時の代替品や部品をストックすれば、当然コストだってかさむ。

物作りの成り立ちを考えれば、当然そうなるであろうことはお分かりいただけるだろう。

ここまで言っておいてなんだが、私はDIYを否定するつもりは毛頭ない。

むしろ積極的に愛車にかかわり、理解を深めることにもなるのでお勧めしたいとさえ思う。

だが、何でもかんでもDIY、には「ちょっと待って」と言いたい。

自分にできること・できないことを見極めること。

少しずつでも失敗と成功の経験を重ねること。

そして何より、「ぼったくり」などと疑わず、ビルダーさんと良いお付き合いをすることが肝心だ。

プロの智恵を賢く借りて、安全に楽しんでこそ、真のDIYだと思うのだ。

ライター:渡部 竜生

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執筆者プロフィール
車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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