更新
DIYで側壁と天井を張り替え!!ユニークな方法でコストと重量カット!!
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
車検を機に始めた愛車E25型キャラバンの居室(本来は荷室の部分)の大改装。
内張りを剥がし、床をカーペットから木の板に張り替えるところまでは終了した。
今回の記事では、天井と側壁部分の張り替えなどの様子を報告しようと思う。
天井を張り替えた部分
中古で手に入れたこの車はハイグレードなモデルであったため、天井は板を留めただけのようのような感じではなく、ほぼ窓から上全体を覆うような形に成形されたパネルのような物が取り付けられていた。
そのパネルは後部座席のエアコン吹き出し口からリアゲートまで一体感のあるような形で繋がっている。
実用性の向上より、カーペットと同様、商用車を少しでも乗用車っぽい内装に近づけるために努力しているような装飾だ。
しかし、ヨーロッパ車(乗用車)などに多い、古くなると天井に張った布が垂れてきてしまうようなこともなく、これはこれで悪くない。
とは言え、ハイグレードなモデルを選んだ理由は、「〜カーペットと内張りを剥がす〜 編」でも述べた通り、こういった装飾を好んだからではない。
その他の必要な装備が省かれた車を選ぶと、要らない物を外すより、後から付け足したり交換する方が面倒で、逆にコストが嵩んでしまう可能性もあると少なくも私は考えたからだ。
特にローグレードの商用車で困るのはシートが粗末なケースが多いことだが、シートの交換は手軽にできることではない。
やたらに交換すると違法改造になってしまう。
しかし、後部座席はハイグレードなモデルを選ばないとほぼ確実に粗末であるため、乗用車に乗り慣れた人(自分自身ではなく乗せた人)からは不評を買うことになってしまう。
シートに関しては、これからベース車両を選ぶ人にも特に注意していただきたい点だ。
それで、本題の天井を覆うこのパネルのようなものについてだが、留めてあるのは少しゴツ目のプラスチックのピン。
内張り剥がし工具のセットの中のこの辺りを使えば、ピンは簡単に抜くことができ、パネルを剥がすのも簡単だ。
そして、サイドドアの開口部の位置(右側は前の窓と後ろの窓との境の柱の位置)で、このパネルは2つのピースに分かれていた。
要するに側面のパネルが分断されるのと同じ位置でこのカバーも前後2つに分かれている。
後ろ側のピースはリアゲートを開けた時用の小さな室内灯が後端に付いている以外、面倒くさそうな部分はない。
しかし、前側のピースには大きな室内灯の取り付け部分があり、さらにその前にはエアコンの吹き出し口用のまた別体のパネルがあり、このエアコンの吹き出し口用のパネルを外してしまうとかなり面倒なことになりそうだ。
前側のピースを外すと、エアコンの吹き出し口パネルとの繋ぎ目の処理がかなり面倒そうであり、大きな室内灯の再取り付け方法をどうするか、或いは他のものに代えるかなどの問題もある。
しかし、側面もちょうど区切りとなる位置であるため、天井もここで区切って後ろのピースの部分のみを張り替えても変なことにはならないと判断。
張り替えに使う材料の長さも180cm弱程度になりそうなので、ここで区切るのは好都合だ。
といったことで、今後もしかしたら前のピースも張り替えるかもしれないが、差し当たり今回は後ろのピースの部分のみを張り替えることにした。
天井用の素材
車の内装材として使える木材は厚みが3㎜以上であることは、「〜床を張る〜 編」で書いた通り。
右の側壁は棚もなくなり、露出部分が大きくなる予定なので、少なくとも右の壁面には最初からパネリング材を貼る計画でいた。
天井もそのまま繋がった感じでパネリング材を貼ることも当然考えた。
しかし、天井右側にはこれまで通りSUPのボードをほぼ常に収納する予定のため、大半が
隠れてしまっていることが多い。
左側も棚で隠れてしまう部分が多いため、天井が露出して見えている面積はそう多くはない。
ということで、手間とコストと重量をセーブする意味合いもあり、天井には難燃材としての基準に適う3mm厚のベニアを貼る張ることにした。
床板を切り出す際のカーペットと同様、こうして元々付いていたパネルを型紙にして、取り付け用のピンの位置を貼り付けるベニアにマークし、そこにドリルで穴を開ける。
そして、同じピンを使って天井に留めることにした。
この方法なら作業も至って簡単だ。
そうして天井にベニア1枚を貼り付けるとこんな感じ。
板の幅は90cm位だから、中央に貼れば当然両側に結構大きく隙間が空いてしまう。
たまに、どう見ても大失敗の絵画の修復やリノベーションなどを目にすることがあるが、これだけ見たらまるでそんな感じだ。
「キレイな天井だったのに、やっちゃたねぇ。」なんて声も聴こえてきそうな光景だ。
しかし、順を追って工程を紹介して行くと、その後の状態はまだここでは見せられないことになるが、後々ちゃんと見るに耐える状態になって行くので心配は要らない。
左側の側壁
室内の左側には、これまで右側に設置していたアングルで組んだ棚を移設する計画だ。
そして棚の前側には木製のチェストを設置する予定で、棚の後側には、ほぼ常にコンテナボックスを2段に積み上げて積載する予定となっている。
シミュレーションで棚を仮置きした状態が上の画像で、チェストとコンテナボックスは置かれていないが、左側面は天井以上に露出部分が少なくなることが分かる。
ここにわざわざパネリング材を貼っても無駄だ。
極端なことを言えば左側は内張りを張り替えずにそのままでも問題ない程度だけど、大半が棚で隠れてしまう窓の部分は何かで覆わなければならない。
そこで、左側面の大部分は天井同様に3mm厚のベニアで覆うことにした。
まずは元々付いていたMDF(木の粉を固めたような板)の表面を覆っていた合皮のような生地を剥がし、その中に貼ってあった薄いスポンジも剥がす。
このMDFは再利用して、これをベースにベニアを固定する算段だ。
そしてベニア(ほぼカットはなく、そのままのサイズ)には両面テープを貼り、ベニアが窓枠の上にくる位置にMDFと貼り合わせる。
言葉ではわかりにくいと思うが、設置すると下の画像のようになる。
もちろん両面テープで貼り合わせただけでは強度が弱いのでビスを併用するのだが、3mm厚の板同士にビスを打っても強度が弱い。
ましてや片方は脆いMDFだ。
そこで、MDFの内側何箇所か裏から端材で当て木をし、そこにベニア側からビスを打っている。
これでベニアがMDFから外れてしまうことはなさそうだ。
その後に元々MDFが留められていたピンを車体側にパチンパチンとはめていけば設置完了。
その状態が上の画像だ。
タイヤハウスの少し上辺りから下はMDFが丸出し状態になっているが、大半は棚とチェストで隠れてしまうので、棚から後ろの部分のみ後からここを隠す板を貼れば良いだけだ。
ドアの開口部と3mm厚のベニアとの間を埋める部分は、元々プラスチックのカバーが付いていたのだが、やはりそれを型紙にして5mm厚のベニアを切り抜いて設置した。
ここは少し難易度の高い工作でもあったのだが、そういう時は集中して作業を進めてしまうこともあり、気付いたら途中の工程の写真を撮っていなかったようだ。
ここはハンドナッターでナットを埋め込むのではなく、ドリルビスで留めてしまった。
ドリルビスとは名前の通り先端がドリルの刃先のような形状になったビスのことだ。
下穴程度は開けた方が良いが、インパクトドライバーがあれば、鉄板にも半ば強引な感じで打ち込めてしまう便利なビスだ。
そして棚とチェスト(引き出しは抜いてある)を置いてみるとこんな感じになるが、棚の上部の天井付近は板が貼られていない部分が大きく空いたままだ。
そこで、これまでベッドのフレームに使っていたアングルが余るため、棚の前面の支柱を長いものに交換(後ろ側の支柱は壁に当たってしまうため、これ以上の長さにはできない)し、その上部に横方向にもアングルを取り付けることを思いついた。
そして、天井板との間に上の画像のように板を取り付けると、このように天井板の貼られていない部分は表側からは隠れて見えなくなる。
もちろんこのままではなく、棚の最上段となるところには蓋や側壁を付けるなどまだ手を加え、中が見えなくなるようにする予定だ。
しかしこの時点で、天井中央にベニアを一枚貼っただけの時点の残念な光景からはかなり遠のき、また、こちら側の天井板の空いた部分は塞ぐ必要がなくったことになる。
右側の側壁
右の側壁は露出も多いので、ホームセンターでアウトレット価格になっていた杉のパネリング材を貼ることにした。
パネリング材は上下端が上の画像のようになっていて、繋げられようになっている。
そして、設置方法は左の側壁同様に元々付いていたMDFを下地に利用して車体に取り付けることにした。
当然ながらタイヤハウスなどの部分の形に合わせて材料を切り込む必要がある。
基本的には板同士を繋げて一枚の板のようにして、それを切り抜けば良いのだが、それでは材料の無駄が多くなり過ぎてしまう。
そこで、タイヤハウス上の部分を基準にして、上は基本的にそのまま積み上げ、タイヤハウスから下の部分は予め短く切った材料を繋げて行き、MDFを型紙して切り抜いた。
パネリング材同士は接着剤で固定し、左側壁のときと同様にMDFの裏側に所々当て木をし、パネリング材とビスで固定。
そして左側壁のときと同様にMDFに付いたピンを車体側にパチンパチンとはめていけば、窓から下の部分はほぼ完成。
そして、理由はまた「全て完成編」のような内容の記事で説明する予定だが、パネリング材の一番上に少し被るような形で1×4材を設置すると、四角い窓の下の縁のような状態になる。
その後窓の前後両端を覆うようにパネリング材を積み上げて行く。
ここの固定はハンドナッターで埋め込んだナットを利用。
しかし、パネリング材同士は接着剤で繋げてあるため、全部の板をビスで固定する必要はない。
そしてその上にまたパネリング材を2段積み上げると上の画像のようになる。
細かな仕上げもしていないため、中途半端な感じはあるし、ここだけ取ってつけたような雰囲気も少し漂うが、ここだけ「木の家風」になった感じではある。
天井その他の部分は塗装をするか思案中だが、杉のパネリングは木の香りが残るように無塗装のままの予定だ。
実際、現在ドアを開けると車内から木の香りが漂い、非常に良い感じになっている。
香りも良いが、湿気を吸ったり吐いたりしてくれて、それも良いのではないかと思っていたりもする。
それが裏目に出なければ良いのだが…。
今回の施工のポイント
工事はまだ完了していないが、現在の車内の様子は概ねこんな感じ。
設置された棚は工具や資材の置き場になっている。
しかし、後はほぼ仕上げの工程のみといった状態で、山場は超えた感じだ。
その山場とは、やはり側壁の張り替えと窓のカバーだ。
床板の設置にもそれなりに知恵と技術を要しはしたが、壁板をどうするかについてはさらに知恵を絞り、技術的なことだけでなく、コストと重量の増加をセーブする方法にもお金ではなく頭を使った。
また、窓を覆う方法は、この工事に関する記事初回の 〜カーペットと内張りを剥がす〜 編でも述べた通り、簡易的な改装では数々の失敗も繰り返してきた。
しかし、今回はこれまでより踏み込んだ内装工事を決行したため、もう同じような事態にはならないはず(と思っている)だ。
以前、知人の大工さんが、「プロは固定概念や常識のようなものに捉われてしまいがちだが、それのない素人はプロの思い付かない面白い工法を思い付くことがあり、逆に感心してしまうことがある。」のようなことを言っていたことがあった。
手前味噌になるが、今回我ながらユニークな工法と思ったのは張り替える壁板の設置方法だ。
普通だったら、元々付いていたMDFなどの内張りは剥がしてしまうだけで、別な方法で新たにパネリング材などを貼っていくのが一般的なやり方だと思う。
元々付いていたMDFをベースにして、新しい壁板を取り付けるなど、素人だからこそ思い付いた方法ではないかと思っている。
車によって事情は異なるので、このまま同じことをできるとも限らないが、DIY派の人の参考になるのではと自負している。
また、こういった工夫をすること自体も自分で施工をする楽しみでもある。
などと考えていたら、このタイミングで記事の閲覧はもちろん、投稿も可能なDrimoのアプリ(今のところiOS用のみ)ができた。
アプリをダウンロードしていただき、読者の皆様からも面白いアイディアやユニークな工法などを投稿していただけたら、より楽しくなって行くのではないかと思っている。
ライター:笠原 サタン
キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信!
- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
- キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジンです(https://news.drimo.jp/)。実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるラ...