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コンパクトカーでも車中泊は可能!大きな改造なしで実際に車中泊をしてみた!
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
コロナ禍で旅行の自粛が続いているなか、ソーシャルディスタンスを保ちながら旅行やキャンプを楽しめるキャンピングカーの需要がどんどん高まっています。
ですがキャンピングカーは大型のものになると600万円ほどと高額。
ハイエースやバンタイプの軽自動車をキャンピングカー仕様に改造した車でも300万円以上はします。
「普通の車しか持ってない」
「キャンピングカーを買う余裕も置く場所も無い」
そんなあなたでも車中泊をすることはできます!
今回は実際に車中泊仕様ではない普通の車を改造無しで車中泊をする方法を紹介します。
車中泊のための道具も安価なものでそろえているので、お得に車中泊が可能です。
ぜひ参考にしてみてください。
50万円未満で買える中古コンパクトカーを用意
今回、車中泊に使用したのは日産のコンパクトカー「ティーダ」という車です。
2008年製のやや古い車で現在は国内の生産は終了しています。
ですが今でも流通数はけっこう多く、中古で30万~50万円程度で全国で誰でも簡単に入手できる車種です。
ノートやマーチの兄弟車なので、大きさはマーチをイメージするとわかりやすいかなと思います。
今回使用したのは後期型で、全長4250mm、全幅1695mm、全高1450mm、1.5Lのガソリンエンジンです。
俗に「5ナンバー」といわれる普通車の中でも一回り小さい車格であり、形もスタンダードなハッチバック。
まったく車中泊のイメージはないと思います。
ですが後部座席を倒せばフラットになり、ハッチバックなのでトランク部分も就寝スペースとして活用できるため、想像以上に広く使うことができます。
ちなみにティーダの場合はトランクの床部分が大きく凹んでいて段差があるのため、そのまま寝ころぶと頭が下がってしまいます。
そこで私の場合は、事前準備として平らにするためにガムテープでまとめた段ボールで段差を埋めて、その上に100円均一ショップで売っているフロアマットをつなぎ合わせて敷き詰めました。
段ボールとフロアマットの間には、寒さ対策としてアルミのシートを敷いています。
ティーダを車中泊仕様にカスタム
では車中泊ができるように後部座席部分をカスタムしてみます。
まず後部座席を折りたたみます。
次に運転席と助手席を一番前までスライドさせて、背もたれを一番後ろまで倒しました。
そのまま背もたれを倒すだけではピッタリと後部座席の前に収まらないので、少し力を入れて押すと比較的きれいに収まります。
このときヘッドレストはあらかじめ外しておきました。
そのあと、100円均一ショップなどで売っているチャックを開けると布団のように広がる折りたたみ式クッション(500円)を敷きます。
これで大体平らにすることができました。
ほぼ100均でそろえた車中泊グッズ
私は北海道在住で、2018年に起こった北海道胆振東部地震で、断水や電気が通じない状態になってしまったことがあります。
その際は、スマートフォンの充電にさえ難儀しましたが、当時持っていた軽自動車があったおかげでスマホに充電することができ、友人と連絡が取れ、同じく断水や電気が止まってしまった友人と合流して助け合うことができました。
そうした経験があるので、自家用車を車中泊仕様にするに当たって、一番意識したのは「地震に遭っても避難場所として役立つ装備」です。
食事グッズ
まずガスコンロとガスボンベとペットボトルの水。
また小さなフライパンや皿などの食器類も積んでいます。
水があればとりあえず生き延びることができるので被災しても避難所に頼らず自力で生活できるスペースを確保できるのは大きなメリットです。
ちなみにこの食器は100円均一で発売しているペット用の折りたたみ可能ないわゆる「えさ皿」です。
縦に広げると底が深くなり、使わないときはスペースを取らないのでかなりおすすめです。
実際にタレを入れて焼肉にも一度使用してみましたが、特に問題なく使えました。
そのまま熱湯を入れるのは難しいかもしれませんが、食事の取り皿として利用する分には大丈夫だと思います。
このように本来は違う用途のグッズでも、視点を変えることで有効活用できます。
プライバシー保護グッズ
また、外から誰かに見られると気になるのでプライバシー保護のための目隠しを段ボールと黒いガムテープを使って自作しました。
窓にハマるように大きさに切るだけの簡易的な装備ですが、視線だけでなく窓際の冷気も少しは防げたかなと思います。
フロントガラスのようにスペースが大きな所はサンシェードを使用して目隠しにしました。
これらも全て100円均一ショップで購入できます。
防災グッズ
防災グッズも兼ねるものとして、まず電気問題を解消するためにシガーソケットから電気を取れるようにするコンバーターを導入。
通常のコンセントのほかにUSBを挿す場所もあるので、スマートフォンやノートパソコンの充電を複数同時に行うことができるので重宝しています。
また、もし停電すると街灯なども消えてしまい、夜は真っ暗です。
なので明かりの確保はかなり大事だと地震の際に身をもって体感したので、電池式のランタンを購入しました。
これで停電になっても、自宅や車中、屋外問わず照らすことができるので安心感が増します。
同じ理由で懐中電灯も常備しています。
車に単三電池を置いておき、常に使えるように気を付けています。
使用したガムテープや段ボール、要したクッション、マット、食器などの殆どが100円均一ショップでそろいました。
ガスコンロとボンベ、コンバーターなどは通販で購入。
その総額は6,000円程でした。
ガスコンロとボンベと500円の折りたたみクッションで総額の約半分を占めたので、いろいろとそろえた割にかなり安くすんだと思います。
実際に車中泊してみた感想
結論から言うと、実際に車中泊してみて感じたのは、思ったより快適だったということです。
車中泊をしながら友人とゲームをして楽しく過ごせました。
クルマの中でちゃんと眠れるだろうかと不安もありましたが、何事もなく車中泊を終えることができてよかったです。
空気が澄んでいて夜の空は星もきれいで非日常の体験ができ、本当に楽しい時間でした。
予想以上に上手くいって大満足でした。
今回、友人1人に付き合ってもらい2人で車中泊をしてみましたが、まったく問題なく寝られました。
ちなみに身長は私が165cmで友人が176cmです。
また、車中泊当日の気温は15度くらいだったのですが、毛布を膝にかけて普通にコートなどを羽織っているだけの状態で問題なく過ごせました。
北海道の田舎の夜は冷えるので、寒さ対策として寝袋も用意していましたが不要だったようです。
ちなみに今回車中泊を行った場所は、オートキャンプ場です。
トイレなどの設備が整っていて、初めての車中泊に最適だと思いました。
さすがにこの車の中では本格的な料理はできないのでカップ麺での食事になりましたが、この狭いスペースや簡単な装備でも、キャンプだけでなく災害などの非常時にも数日過ごす分には問題ないという実感を得ることができました。
不満な点もありました。
ティーダは天井が低いため、普通に座ると首を曲げなければいけませんでした。
これが一番の不満点でした。
普通に座れないということは想像以上にストレスです。
これは車高が低いコンパクトカーならではの悩みかなと思います。
最近は軽自動車もかなり背が高くて広いので、そちらの方が車中泊には適していると思いました。
しかし、筆者(身長165cm)よりもう少し小柄な人ならティーダくらいの車高でもそれほど不満なく過ごせるでしょう。
まとめ
コンパクトカーを車中泊仕様にしてみた結果、思っていたより快適に過ごすことができました。
ワンボックスカーや、ハイトワゴンなどのようなスペースに余裕がある車と比べるとやはり大変だと思いますが、スペースに余力があまりない車でも工夫次第では車中泊が可能であるということが伝わったならうれしいです。
私は北海道に住んでいるので、今のままの装備で冬場の車中泊は難しいと思いますが、それ以外の季節なら夜を越えることができそうです。
車中泊に憧れがあるけど、そこまでお金をかけられないし、キャンピングカーなんてかぐには買えない!という私と同じような方は、一度お試しで今持っている自家用車を車中泊仕様にすることを考えてみてはいかがでしょうか。
秘密基地にいるかのようなワクワク感があって楽しいですよ!
※実際に車中泊を実施したのは新型コロナウイルス流行による緊急事態宣言が発生する以前の出来事です。写真も当時のものであり、コロナ禍における外出を促す意図はありません。
ライター:翌檜/AsunaroWorks
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- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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