更新
フランスで車上荒らしに!車中泊するときの防犯対策と気を付けたいこと
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
車を家として暮らすバンライフで、避けては通れない問題のひとつが『車上荒らし』です。
普段はあまり車上荒らしにあうことなど考えないかもしれませんが、もしもの時に備えておいて損はありません。
私たちも実際に被害に遭うまでは、「車上荒らしにあう」など考えもせず、防犯対策も何もしていませんでした。
「前もって対策をしていれば、もしかしたら被害にあわなかったかもしれない……」なんてことにならない為にも!
被害にあってからでは遅く、ダメージも大きいので、普段から気を付けておきたいことと、防犯対策をまとめてみました。
目次
車上荒らしで考えられる被害の想定
車上荒らしなど非日常の事なので、あまり想像がつきにくいかと思いますが、実際に車上荒らしにあってしまったらどんな被害が考えられのるか?改めて考えてみたいと思います。
家に強盗!?愛車はお家という再認識
バンライフ・車中泊・キャンピングカーでの暮らしは、愛車がお家です。
当然、生活に必要なモノ全てと貴重品などが常に車内にある状態。
つまり、車上荒らしに遭うという事は、家に強盗に入られる事と同じなのです。大切な家に強盗が入ったら……と考えると恐ろしいですよね。
最悪の場合身の危険もあります。ですので、バンライフをする上で、車上荒らしの可能性も頭に入れておくこと、防犯対策をしておくことは、常に意識しておきたいポイントです。
貴重品や電子機器の管理
車上荒らしの1番の目的は、貴重品やスマホ、パソコン、カメラなどの高額な品ではないかと予測されます。
貴重品を盗まれた時のダメージは大きすぎるので、簡単に盗まれないよう、パッと目に付くところには置かないようにして、探す・取り出すのに時間がかかるような場所に保管しましょう。
身の危険もあり得るということ
車内にいる時に車上荒らしにあってしまったら、身の危険もあり得るという事も頭に置いておきましょう。
車上荒らしをしようとしている人が何を考えているのかは分かりません。刃物を持っていたり、その他の方法で傷つけようとしてくる可能性もあります。
考えたくもないですが、身の危険もあり得るという事を知っておくのはとても大切だと思います。
駐車時も気を付ける
車中泊時に限らず観光・買い物に行くときなど、駐車して車から離れている時に車上荒らしにあってしまう可能性も考えられます。
駐車場所についても、人目につかないところは避けるなど、工夫は必要になります。
次は実際に車上荒らしにあった時の様子を振り返ってみたいと思います。
フランスで車上荒らしにあった話
私たちが車上荒らしに遭ったのはフランスの高速道路、サービスエリアで車中泊をしている時でした。
「ヨーロッパの高速道路、サービスエリアで、車中泊時に車上荒らしにあった」という怖い話はたくさん聞いていたのですが、ヨーロッパでは無料の高速道路が多い中、私たちが車中泊した場所は、有料高速道路のセキュリティもあり、キャンパーの為の車中泊専用エリアも用意してあるサービスエリアだったので、まさか被害にあうとは思ってもみませんでした。
その時の状況と盗まれたモノ
上の写真は私たちが被害にあった時に滞在したサービスエリアで撮ったものです。
高速道路のサービスエリアは、だいたいお店の前に大きな駐車エリアがあると思いますが、ここはかなり広く、お店があるメインの駐車エリアから離れた所にキャンパー専用の駐車スペースがありました。
トイレもその近くにあり、緑も多く静かでいい雰囲気だったので、ここで車中泊をすることにしたのです。
他のキャンパーも車中泊していたので安心感もあり、他にも長距離トラックが数台、そのエリアで車中泊をしていました。
その頃は毎日長時間運転が続いて疲れていたこともあり、二人とも夜はぐっすり。
寝ている間に車上荒らしに遭ったのですが、朝起きて外に出るまで全く気付きませんでした。
フロントドアのカギ穴から侵入されたらしく、グローブボックスも開けられ、フロントシートに置いていたバックパックも開けられ、フロント部分はすべてまさぐられていた様子でした。
しかし、盗まれていたのは、フロントシートに置いていた冬用のジャケットとブーツだけ。
グローブボックスにはパスポートや国際運転免許証、車検証などの貴重品。スマホもフロントシートで充電しながら寝ていたので、それらが盗られていたら……と思うとぞっとします。
被害後にやったこと
本来ならば、被害に気付いたらまずは警察に連絡するのがベストなのですが、通報するにはまずオンラインで申請(しかもフランス語!)しなければいけないルールらしく、それから警察が来る形なので時間もかかりそうでした。
その時は急いでいたこともあり、とりあえず警察には連絡せず、盗まれたモノがあったので、保険会社に連絡しました。
無事、被害相当の金額は保証してもらえる事に。やはり保険は大切だなと改めて思いました。
同じ場所で車上荒らしにあった被害者
そのサービスエリアは車上荒らしが頻発している様で、他の被害に遭った方からも声をかけられました。
普通車で旅に出ていたその方は、サービスエリアを利用している隙に車上荒らしにあい、パスポート・財布・スマホなどすべて盗まれ、帰りたくても帰れない状況になってしまったのだとか。
警察に連絡して被害届も出したようですが、車上荒らしが頻発しているこのエリアでは、盗まれたモノが返ってくる可能性は低いだろうとのこと。
現金もカードも身分証も、すべて盗られたのでどこにも行けず、自国の家族から送金してもらうにも身分証が必要で送金してもらうこともできず……。どこにも動けず、かなりダメージを受けている様子でした。
ヨーロッパで聞いた恐ろしい車上荒らしの被害と怪しいおじさんの話
ヨーロッパでよく聞く車上荒らしの恐ろしい手口
ユーロッパでよく聞く車上荒らしの手口に、車中泊している車内にガスを充満させ、意識を失った所で強盗に入るというものがあります。
これは珍しい手口というわけではなく、よくある手口だというので、本当に怖いです。
特に高速道路のサービスエリアでこの被害に遭った方が多く、旅先の情報を調べていると、気を付けるようにと注意喚起しているのをよく見かけます。
実際にいろいろな場所で、荷台が開けられて中身が空っぽの盗難に遭ったであろうトラックが何台も放置してあったり、窓が割られた車や、燃けた車がそのまま放置してあるのをたくさん見かけました。
ドイツで車中泊時に遭遇した怪しいおじさん
以前ドイツの高速道路のサービスエリアで車中泊をしていた時の話です。
深夜、大きな荷物を持ったかなり怪しいべろべろに酔っ払ったおじさんが、愛車の周りをずっとウロウロしていて、しかも謎の言語でずっと話しかけてきました。(こういう時は無視して相手にしないのが1番です)
そしてどこにも行く様子がない。大きなバックをなぜか私たちの愛車の下に置いていたので、「人の車の下に荷物を置いて何をしているのか?爆発物など変なモノが入っているんじゃないか?そもそも車もなく深夜に酔っ払って高速道路で何をしているのか?」など、かなり警戒していました。
その時はパトロール中の警察官がいたので報告し、その後、無事に連れていかれました。
あのおじさんは何が目的だったのでしょうか?車上荒らしもこの怪しいおじさんも、人間が1番怖いとつくづく実感する体験でした。
また、ドイツのサービスエリアでの車中泊時には、何者かが就寝中にサイドドアを開けようとしてきたことも。
ひやひやする場面に何度か出くわしましたが、幸い、今まで直接危害を加えられるようなことはありませんでした。しかし、それはただ運が良かっただけ。もしかしたら、命に関わるようなことになっていたかもしれません。
車中泊旅をする上で普段から気を付けたいこと
車中泊旅に限らず、安全に旅をする上で普段から気を付けたいことを改めてまとめてみました。
身分証明書や書類のコピー、控えを用意しておく
もしもの時に備えて身分証明書や重要な書類(車検証など)のコピーは必ず用意しておきたいものです。
それに加えて、失ったら困るであろうカードなどのナンバーや必要時の連絡先なども控えて、コピーと一緒に保管しておくと安心です。
控えは、万が一免許証などの身分証明書が入った財布やパスポートを落としたり盗まれたりした時にあると心強く、旅に出る時には必ず、コピーを原本とは別のところに保管しています。
貴重品の場所・車を離れる時の注意点
寝ている間に侵入された時の事も考えて、貴重品は絶対に盗られない場所に保管しておくことをオススメします。
同様に車を駐車して離れる時は、見える場所に高価なものは置かないのもポイントです。
私たちが車上荒らしに遭った時は、フロントシートにバックパックがあり、ジッパーはちゃんと閉じていたのですが、全て開けられていました。
外から見たときに「なにかありそうだな」と思わせたら、狙われてしまう可能性が高いので、そもそも見える所には普段からあまりモノを置かない様にした方が良いかもしれません。
私たちも被害にあってからは、バックパックを置いたまま車を離れる際には、すべてのジッパーを予め開けておいて、「なにもありませんよ」アピールをしています。
ヨーロッパでは買い物に行くときや観光をするときなど、駐車場で車上荒らしに遭ったという話をよく聞きます(特に大都市)。
予防として
- 人通りの少ない治安があまり良くなさそうな場所には駐車しない
- 駐車場は有人で有料のところに停める
- 係りの方にチップを少し多めに払い、気をつけて見てもらう
などしています。
車上荒らしに遭わない為の防犯対策
車上荒らしに遭うまではあまり考えてなかった防犯対策。
その後改めて真剣に考えて、実践しているコト・取り入れたいコトなどを挙げてみたいと思います。
安全な場所に泊まる
日本ではあまり当てはまらないかもしれませんが、ヨーロッパでは、大都会の有名な観光地などでスリや車上荒らしの被害に遭うことが多いです。
都市部は気軽に停められる駐車場もあまりなく、駐車料金も高い、車も多い、渋滞もする、道も複雑。
どちらかと言うと、都市部へ車で行くのはデメリットの方が多いので、一番安心な防犯対策は、都市部には車で行かない事です。
それでも都市部に観光などで行く場合は、近場のキャンプサイトに泊まり、車はキャンプサイトに置いて、公共交通機関を利用して街に出るのが余計な心配をしなくて済むし、安心です。
夜、安心して眠れるのかそうじゃないかでは、かなり精神的に違いがあると思います。暗闇の中、車の周りで聞こえる物音や人影に「誰?何をしている?」などと心配しなければならない状況はかなり不安でストレスです。
都会のキャンプサイトは金額も高くなりますが、安心と安全をお金で買う。ゲートがありセキュリティ対策もしっかりとしたキャンプサイトに泊まるのが1番安心できます。命には代えられません。
大都会以外でも、キャンプサイトに宿泊しない場合は、その場の空気を感じて、少しでも怪しいなと思ったら、その場から移動して別のキャンプスポットを探すようにしています。
安全に旅するうえで私たち人間の勘は侮れず、少しでも「雰囲気が良くないな」と思ったら、その勘を信じるようにしています。
DIYで作るシークレットボックス
愛車をDIYする時に念のため作っておいたシークレットボックス。
車内の家具などは全て木製で作ったので、大量の現金や絶対になくしてはいけない書類などを隠しておける場所を作りました。
からくり屋敷のような感じで、パッと見てもよく見ても、絶対に分からないような作りにしてあります。
車内にシークレットボックスがあると、もしもの時にも盗まれる可能性が減るのでオススメです。
アラーム・防犯カメラ・犬
先述したとおり、私たちは爆睡している時に車上荒らしに遭い、すぐには気付きませんでした。寝ている時に強盗に入られるのは、恐怖でしかありません。
どうやったらこのような事態を避けられるのか、かなり考えました。
・アラーム
その後いろいろと防犯対策を考えて、寝ている時にドアが開いたら鳴るアラームを導入しました。少しでも危険な雰囲気がある所で使用しているのですが、アラームの安心感はかなり大きいです。
・防犯カメラ
まだ導入できていないのですが、愛車を離れる時に欲しい防犯カメラ。スマホでライブ映像を確認できて、万が一侵入者が入った時にはライトアップされてブザーが鳴り、アラート通知。
また、愛車とコンタクトを取り、侵入者に直接もの申せる防犯カメラもあるそうです!
・犬
車上荒らしに遭った後、1番考えたのが犬について。
もともと犬を飼いたいという話はあったのですが、防犯対策でも犬がいるとアラームよりも安心だよねという結論に至りました。
犬種にもよりますが、ガードドッグとして活躍している犬もいて、彼らは野生の勘で危険を察知する能力にたけているようです。
バンで大型犬を飼うのは厳しいので、相棒はふわふわで小さくかわいいけれど、ガードドッグとしても活躍するジャックラッセルがイイねという話で落ち着いています。
実際にたくさんのキャンパーが犬と一緒に旅をしていました。旅の相棒に、ステキなパートナーになる事間違いなしですね。
カギ穴・南京錠・カウベル
こちらは実践していませんが、防犯対策として考えたことのひとつでもあります。
・カギ穴
フロントシートのカギ穴から侵入されたので、カギ穴をカバーできる物があればより安心だなと思いました。
・南京錠
アメリカでバンライフをしている方がしていた対策で、外からドアが開けられない様にチェーンと南京錠で確実にロックしている様子を見かけました。
少し面倒なので実践していませんが、本当に危険な地域では有効だなぁと思った方法です。
・カウベル
カウベルとは牛に付ける鈴のようなもの。
就寝時にフロントドアの両サイドをチェーンで開かないように内側からロックして、もしドアを開けようとしたら音が鳴るように、カウベルなど音が鳴るものを付けておいたら寝ていても気付くんじゃないかという発想ですが……。コチラも面倒で実践していません。
車内にいる時に使える車用のアラームがあれば、カウベルは必要ないですね。
車上荒らしに遭わないために普段から気を付ける
最悪の場合、身の危険もある車上荒らしや強盗。
考えたくもないですが、最悪の場合を想定して、普段から気を付けて行動することが大切だと、実際に車上荒らしにあってから気付きました。
世界は優しい人たちで溢れていますが、中には危険な人もいるのが現状です。特に、路上や公共の場で車中泊をする場合、誰が、何をするかなんて誰にも分かりません。
窓を割られて侵入されたらどうしようもないですが、被害に遭わないようできるだけ普段から気を付けて行動し、防犯対策もしっかりと行うことは本当に大切です。
1番安全で、余計な心配もしなくて良いのはキャンプサイトに泊まる事ですが、旅先で気に入った場所がそのままお家になるのがバンライフ・車中泊旅の醍醐味でもあります。
安全で楽しいバンライフを送るためにも、防犯対策はしっかりと考えておきましょう。
皆様が安全でステキな旅をおくれますように!
ライター:Betty
キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信!
- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
- キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジンです(https://news.drimo.jp/)。実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるラ...