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キャンピングカーは疲れやすい?乗り心地を改善、対策ができる場所とは

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


「サイズも間取りも気に入ってるけれど、乗り心地がどうにも…」

キャンピングカーオーナーから、このような趣旨の相談をよく受ける。

キャンピングカーのベース車は多くが商用車である。

積み荷は主に人ではなく「物」そして仕事道具なので、サスペンションやタイヤは耐久性や経済性を重視しており、乗り心地は後回し。

シートも乗り降りのしやすい形状や表皮の耐久性が重視され、こちらも乗り心地のよさは二の次だ。

しかも、ほとんどの車種がキャブオーバータイプで運転席・助手席は前輪の真上に位置するため、路面からの突き上げがダイレクトに伝わりやすいことも乗り心地が厳しくなる一因になっている。

さて、そんな車両をベースに作られているキャンピングカーの乗り心地を、少しでも良くするにはどうしたらいいのか

構造そのものを変えることは無理である。

が、何らかの対策が取れないものか。少し探ってみよう。

タイヤを変える

おびただしい数の部品でできあがっている自動車だが、唯一、路面に接しているパーツといえばタイヤである。

車には適正なタイヤサイズと空気圧が決められている。

それをむやみに変えるわけにはいかない

タイヤは車両の重量はもちろん、走行・停止などの運動によって生じる負荷を支えている。

どれだけの負荷に耐えうるかは、それぞれのタイヤのサイズと、それに合わせた空気圧とで成り立っている。

自動車メーカーは、その車種に合わせてタイヤを選択し、それが標準装着のタイヤとなっているのだが、性能を担保しながらではあるが、なるべくコストを掛けない選択がなされている。

さて、タイヤのサイズを変更する・種類を変える、などで乗り心地の改善を狙うことは可能である。

その場合の注意点と考え方について説明しよう。

ゴムのボールに空気が入っている。

空気がパンパンなら(空気圧が高い状態)、そのゴムボールはよく弾む。

逆に空気が抜けてしまっていると(空気圧が低い状態)、ボールは弾まない。

誰もが経験から知っていることだ。

この「弾む」という挙動を乗り心地に当てはめて考えると、ポンポンとよく弾むタイヤは決して乗り心地がいいとは言えない。

そのため、乗り心地を追求するために、空気圧を下げる人がいる。

が、単に空気圧を下げればいい、という訳にはいかない。

タイヤには適切な空気圧が指定されている

運転席のドアのところなどに、空気圧を指定されたシールが貼られているのを目にしているはずだ。

しかし、乗り心地がイマイチだからと空気圧を下げてしまうと、タイヤは能力が発揮できず、負荷に耐えられなくなる=バースト、ひいては事故の原因になる。

だから「空気圧を下げても付加能力が下がらないタイヤ」に変更すればよいのだ。

例えば、カムロード(リア・シングルタイヤ車)の標準タイヤは、195/70R15 106/104L LTそして指定空気圧は600kPaである。

これを、215/70R15 107/105L LTのタイヤに変更すると、空気圧は450kPaと低くすることができる。

空気圧が低いほうが(もちろん程度によるが)乗り心地は良くなる

もう一つの選択肢が性質の違うタイヤに履き替えることだ。

CP規格=キャンピングカー専用規格タイヤ、という商品がある。

ヨーロッパの規格で、キャンピングカーの特性に合わた耐荷重、走行安定性、乗り心地をバランスよく両立している製品だ。

これを国産車に取り入れる場合、カムロードなら215/70R15CP 109Qというサイズが該当する。

指定空気圧は前輪475kPa、後輪550kPaと標準タイヤの指定600kPaよりも低いが、荷重能力は1030kgと充分だ。

ただ、残念ながらすべての国産車両に合ったCP規格タイヤがあるわけではない。

ご自身の愛車に合うものがあるかどうか、検討したい人はまずディーラーに相談してみてほしい。

シートを変える

RECARO

乗り心地を左右する大きな要素のひとつに、シートの良しあしがある。

車好きな人の間でこだわりのシートといえば、ドイツのRECAROあたりが有名だろう。

人体工学に基づいて設計された社外シートに取り替えることで、乗り心地が向上することは広く知られている。

これらのシートはクッション性にも優れ、体をきちんとホールドしてくれるので、姿勢が崩れにくい。

ひいては疲れも少ないというメリットがある。

もちろんお値段もそれなりで、一脚十数万円程度となかなかの額なのだが、ひとつメリットがあるとすると、車を乗り換えてもパーツの交換だけでシートは移設できることだろう。

ベースフレームと呼ばれる取り付けの基礎パーツは車種ごとに決まっている。

もしカムロードに取り付けたシートをハイエースに移設したいなら、高価なシートを買い替える必要はない。

ハイエース用のベースフレームだけ購入すればいいのだ。

実際筆者も、この「シートの移設」は経験している。

あるシートを思い切って購入。

本国ドイツでは医療費としての向上が認められるというシロモノ故めまいがしそうな金額だったが、計3台を乗り継ぎ、走行距離にして25万キロほど愛用した。

長距離ドライブでも疲労が少なく、腰痛に悩まされることもなかったので、結果としては良い投資だったと思っている。

なにより、せっかくの旅先で、到着したものの遊ぶ元気が残っていない、という事態が一番、不経済だと思うのである。

このシート変更、唯一注意点があるとすると、座面の厚さがかなり変わることだろう。

背の高い人(=座高が高い人)は、頭上のクリアランスが変わってしまうし、逆に背の低い人はペダル操作への影響などにも注意したい。

また、製品によっては車体と干渉してしまうといったこともあるので、注意が必要だ。

サスペンションを変える

タイヤやシートよりも本格的な対処と言えるのが、サスペンションの変更だろう。

スプリング、ショックアブソーバー、スタビライザーなど、サスペンションを構成するパーツも多岐にわたる。

それ故に費用もかかり、取り付けには高い技術力が求められるが、大きな効果が見込めるのも確かだ。

実際、キャンピングカー用のサスペンション関連のパーツも数々売り出されている。

が、売られているパーツをただ取り付ければOK、というほど単純なものではない。

ベース車が同一であっても、重量配分はモデルごとに違う。

厳密に言えば、どこにどれだけ荷物を積むかによっても変わってしまうのだ。

重量配分が異なれば、対策に必要なパーツも、取り付け手法も違ってくる。

その上で予算のことも視野にいれつつ、それぞれの車の状態を詳細に分析してセッティングを進めなければならない。

考えなしに取り付けるだけでは、せっかく高い費用をかけても、効果が望めないどころか、かえって危険な状態になることすらある。

サスペンションについては詳しく説明するとさらに長くなるので割愛するが、必ずキャンピングカーの架装や構造に詳しく、かつ、サスペンションにまつわる技術のあるショップを見つけて相談すること。

それが最も安心安全かつ効果も高い、と覚えておこう。

ライター:渡部 竜生

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執筆者プロフィール
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