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ジャパンキャンピングカーショー2023振り返り!「国産」デュカトベース一斉デビューほか新しい動きが!

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


アジア最大級のキャンピングカーショー「ジャパンキャンピングカーショー2023」が今年も開催されました。会場は例年通り、千葉県の幕張メッセ。

5ホールものスペースを使った過去最大規模の会場は、多くの来場者でにぎわっていました。

さっそく、今回目を引いた車両や装備などについてリポートしましょう。

遂に登場した「国産」デュカトベース

ヨーロッパでシェア7割を持つベース車・フィアット・デュカト

これまでにもヨーロッパ製の完成車両として輸入され、洗練されたデザインや走行性能の良さで高い評価を得てきました。

日本の道路事情に合わせた右ハンドルの商品も多数ありましたが、それでもエントランスは右側のままだったり、どのモデルもトイレ・シャワーは完備されていたりするなど、日本で使うには多少ミスマッチな部分もありました。

輸入キャンピングカーのほとんどがデュカトベース、というほど定着してきたところで、いよいよ昨年、ベース車両の国内正規輸入が開始に

今回のショーでは満を持して、国内ビルダーが架装した「国産」デュカトベースモデルが一斉にデビューしたのです。

ただし、日本で生産するモデルはすべてがバンコンです。

フィアットジャパンが車体のカットオフ(切断。キャブコンは車体を切断して新たに居室を架装する)を認めていないためです。

そこで各社とも、デュカトのもつ広い室内スペース(バンコンでもカムロードベースのキャブコンと同程度!)や、運転席・助手席が回転する、などの特徴を活かしながら、日本のニーズに合わせた

  • トイレレス
  • 左エントランス
  • 停泊時エアコンを標準装備

などを盛り込んでいました。

昨年、正規輸入車の販売が開始されたときから、今回のショーで国産デュカトベースが登場するはずと、目されていたわけですが、誰もが注視していたのは価格でしょう。

これまでにもデュカトベースの商品は数々輸入・販売されてきた。

スッピンの車両を日本のビルダーが架装したら、さて、価格はどれほどになるのか……?というわけです。

結論から言うと、輸入車(ヨーロッパ車)と同等、もしくはやや高め、という結果になりました。

その理由はいくつかあります。

まず、ヨーロッパのビルダーとは生産体制が全く違うこと。

乗用車の製造ライン並みの設備を揃えている欧米と違い、日本のビルダーはほとんどが手作り。

少数生産でしかない以上、一台あたりの単価が高くなるのは当然です。

内装に使う部材なども、従来の国産キャンピングカーとは違います。

部品メーカーから調達するにも時間も手間もかかることも、要因でしょう。

これらの事情を考え合わせれば、むしろ「ほぼヨーロッパ車並み」に価格を抑えただけでも大健闘ではないでしょうか。

いよいよ存在感を増したトレーラー

Indiana

欧米では主流のキャンピングトレーラーですが、わが国ではまだまだ少数派です。

最近でこそ、ボートトレーラーなどを見かけることも増えてきましたが、まだまだ何かをけん引して走る文化は広まっていません。

そのため、ショーでの展示も少なかったのですが、今回のショーではトレーラーが大躍進

おなじみの欧米メーカーに加え、輸入が途絶えていたバーストナー社やニワドー社などが再び表舞台に出てきたのです。

さらに国産トレーラーも増え、なんと30台近くが展示されていました。

一般の自動車メーカーもトレーラー文化には注目しているようで、国産・輸入を問わず、純正オプションにヒッチメンバーを用意するように。

環境が整って人気が上昇してくれば、今後キャンピングトレーラーのユーザーも増えてゆくのではないでしょうか。

ますます充実の電装系

日本のキャンピングカーに不可欠なのが、停泊時用のエアコンです。

夏の暑さがどんどん厳しくなる昨今、軽キャンピングカーでさえ、小型のクーラーを搭載するようになりました。

エアコン装備が進めば、必要になるのが強力なサブバッテリーです。

昔からの鉛バッテリーが定番ではありますが、よりコンパクトなリチウムイオンバッテリーがどんどんシェアを拡大しています。

標準装備、またはオプションとして、リチウムイオンバッテリーを用意するビルダーも増えてきました。

そんな市場の動向を受けて、バッテリー単体の出品も多くみられました

ごくシンプルに、単機能に割り切って低価格を狙った物もあれば、弱点である低温時の特性を補うためにヒーターを内蔵したものも。

スマホとBluetooth接続して、リアルタイムに状態チェックができるものなど、多種多様な製品が登場しています。

また、ポータブル電源の展示も増え続けています。

快適な住環境に欠かせない電力を、どう確保するのか。

この動きはしばらく続きそうです。

問題は価格と納期?

デュカトベースのキャンピングカーの価格の話をしましたが、キャンピングカー全体の価格についても、昨今は値上がりが続いています

円安の影響を受ける輸入車だけでなく、国産車もベース車両の価格が上昇していますし、部品類も全般に値上がり中。

エアコンやリチウムイオンバッテリーなど、ユーザーニーズに応えようと、装備も豪華になる一方なのも、価格上昇に拍車をかけています。

ある程度仕方のないこととは言え、1000万円級のプライスカードが並ぶと、ちょっと気後れしてしまうのも事実。

居室内の装備をなるべく簡略化した「お買い得モデル」を用意するビルダーも見受けられますが、話を聞いてみると「結局はフル装備モデルを購入するお客様が多い」とのこと。

もう一つの心配事が納期です。

キャブコンは納車待ち数か月と比較的短いようですが、バンコンや軽キャンピングカーは1年から2年待ちもザラ。

ビルダー側も生産するだけで手一杯、という事情もありますが、新型コロナウイルスの影響により、自動車メーカーの生産計画がうまく回っておらず、ベース車両の生産遅れが深刻であることも納期の長期化の一因になっています。

新車の納期が長くなるほど「すぐに手に入る」中古車の価格も高騰しがちです。

キャンピングカー人気もすっかり定着し、新たな動きも多かった今年のキャンピングカーショー。

新車購入を考えているなら、早めに手配したほうがよさそうです。

ライター:渡部 竜生

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