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ジャルジャル福徳秀介×VW タイプ2:Vol.2「◯◯が空っぽ!後輩芸人の大失敗」MOBYクルマバナシ
【Profile】ジャルジャル 福徳秀介1983年10月05日生まれ。兵庫県芦屋市出身。
愛車:フォルクスワーゲン タイプ2(2013年式)、ミニクーパー クラブマン(2009年式)
Vol.2「◯◯が空っぽ!後輩芸人の大失敗」
愛車にまつわる思い出や、印象深いエピソードはありますか?
よく後輩達とバーベキューに行くんですけど、一人が車内に焼き肉のタレをこぼしたことがありましたね。
え?! 車内で?!
こぼした張本人が家から持って来た焼肉のタレなんですけど、バーベキュー会場に向かってる道中で、すでになんか匂ってたんですよね。みんなも「くっさいなぁ」「どんだけキツイ焼き肉のタレなのよ」みたいにざわついてた。
それでやっと会場に着いて、お肉も焼いて、さぁ食べようか!ってなったときに、タレの容器が空っぽなわけです。当然、どういうことだって慌てますよね。で、そういえばさっきあんな臭いしてたやん……!って。一気に青ざめました。
おいおいおい!って車を見に行くと案の定、床が焼肉のタレまみれ。でもまぁ、丸洗いしたらええかと、マットを取ろうとしたんです。なんですけど、ワーゲンバスって椅子を根こそぎ取らんとマットが取れない。もう拭きまくりました。錆びる恐怖もあったし。
地獄のようですね……。シミにはなりませんでしたか?
黒いマットっていうのもあってシミはバレにくいんですけど、匂いはだいぶ残りましたね。しばらく充満してて、めっちゃ嫌でした。
タレは袋に入れてたんですけど、キャップが緩くなってたみたいで。しかもその袋に、穴が空いてたんですよ。じわじわとゆっくり、2時間半かけて浸透していったんでしょうね。
よく行かれるメンバーで、使い回しのタレだったんですね。
そうです、そうです。前回の残りみたいな。
ちなみに、どなたが……?
たぶん全然知らないと思うんですけど、山口大将軍という(笑)。
山口大将軍さんが、その方がこぼしたんですか。
山口大将軍がこぼしました(笑)。はい。
山口大将軍さんには今後ぜひ気をつけていただきたいですね(笑)。バーベキューはいつも、何人くらいでされるんですか?
お決まりの5人がいまして、みんな芸人です。それでワーゲンバスって馬力が弱いので、5人乗るとMAX70キロくらいしか出なくなっちゃう。高速道路でみんなビュンビュン走ってるのに、ワーゲンだけおっそい。
一応9人乗りなんですけど、ためしに満員乗せてみたら40キロもでえへんくて(笑)。全然駄目でしたね(笑)。
しかしながら、それはそれで可愛いですね。
可愛いですよね。愛おしい。
あとね、風にもめっちゃあおられるんですよ。強風の日は窓を開けて風の通り道を確保しないと、揺れて揺れてしゃーないんです。それから鉄板も薄いから、小石が当たるだけでバーン!!って轟音がして、みんなビクッて。
ぺらっぺらの車です。
維持されるうえで、一番苦労されている点はなんですか?
やっぱりクーラーですね。恐ろしいことに、付けると信号待ちでエンストするんです。風量が1、2、3で切り替えられるんですけど、1だとたまにで、2は100%エンストです。
なので夏場は窓全開。冬場はもう、我慢。どうせ止まるんでしょって。足下寒いですけどね。
福徳さんはいつも短パンのイメージがあるので心配です。
おっしゃる通りいつも短パンなので、足が強いっていうのはあります。自然と慣れちゃいました。
ワーゲンバスは、エンジンの熱が車内にこもるようなことはありますか?
これ、エンジンが後ろに詰まれてるんですよ。だから夏は3列目がくそ熱い。バーベキューの鉄板くらい熱くなる場所もあって、ホンマに触れたもんじゃないくらい。一番後ろは窓も開けられないので、3列目には人を乗せへんようにして。
その代わり、冬はちょっとだけ暖かいです。あ、でも隙間風がある……。正直めちゃめちゃしんどいです(笑)。
ルームミラーも小さいですね。
ちっちゃいんですよ(笑)。2列目のシートの真ん中に、頭を支えるヘッドレストがあって見づらいし、取れないし。邪魔で邪魔で。
ラゲッジスペースの下にエンジンが搭載されているため、走行中の床面は熱くなることが予想される。バーベキューの食材である野菜や肉などは、決して安心して置けないはず。
トランク下に位置する1.4L直列4気筒エンジン。使用燃料はガソリンでもエタノール燃料でも、あるいはその混合でも問題ないという優れもの。これは同車が販売されていたブラジルが世界最大のバイオエタノール輸出国で、エタノール車に対する優遇税制が採られていたことが影響する。
意外とややこしいところが多いというか。
ハッキリ言うて、造りはめちゃくちゃです(笑)。ただ、前の座席に3人並んで乗れるところとか好きですね。
工事のおっちゃんとかたまにやってますよね。可愛いな〜って思ってた。困ることはありますけど、やっぱり幼少期に憧れてたのもありますし、許せちゃうことの方が多いですね。
ワーゲンバスに乗っていると声をかけられると仰っていましたが、どんなことを聞かれますか?
「何年式ですか?」って、大体ワーゲンバスのオーナーさんに聞かれます。ワーゲンバス同士ですれ違う時は、お互い「おー、素敵ですね」って目配せを。思いのほか、都内で結構走ってるんです。よく会う人もいて、「この前どっかで見たな」ってなんとなく覚えちゃいました。
顔見知り的な。
それでいうと、車見知りぐらいな(笑)。見に覚えのあるワーゲンバスが停まってる家を偶然見つけたこともあって、「あの車や!」とか。
ワーゲンバスには、おっちゃんと海外の方がよく反応してくれる。あとは子供達が「幼稚園バスだー」って。どうやらスクールバスと勘違いしてるみたい(笑)。そういえば一番最初に声かけられたんは、幼稚園児の子でしたね。「こんな車あるんだ」って。
子供心をくすぐるディティールですよね。女性ウケはいかがでしょうか?
女性ウケはめちゃくちゃ悪い。基本的には男性しか乗せてないです。
やっぱりちょっと恥ずかしいと思いますよ。乗り心地も悪いし、エンジン音がブオーンって鳴ってるので、でかい声でしゃべらなあかんし。仲間と出かける時なんか、帰り際にみんな声枯れてるんですよね(笑)。どんだけデカイ声出してるんだって。
音楽もめちゃくちゃ大きくせな聴こえてきーへんし、ホンマ騒がしい車ですよ(笑)。
普段はどういった時に乗られるんですか?
大体、夜に一人で(笑)。あとは仕事に向かうときですね。週1間隔で「今日はワーゲンで行こう」みたいな日があって。というのも、1日のスケジュールを考えた時に、高速道路を走れそうなときがあるので、そういう時に。
ゆったり気ままに走れそうなときですね。
そうです。ワーゲンって街乗りにはめんどくさいんですよ。ミッションだから一時停止とかの作業がめんどくさいし、スピードが出ないので移動も遅いし。めっちゃ時間がかかるから、仕事のあいだが詰まってるときは乗れません。
それから、場所も選びますね。新宿とか絶対に行かないです。何をされるか分からない。
こわい経験などをされたことがあるのでしょうか?
過去に一度、歌舞伎町の吉本本社の近くで、おっさんに無言でサイドミラーをパーンって叩かれて。ホンマに謎だし怖かったので、そこから二度と乗っていってないです。
でも後藤は愛車のアルファロメオで歌舞伎町に来るから、頭おかしいや。しかもホテル街のコインパーキングに停めてるし、信じられへん。大事な車で繁華街に行くかっていう。
後藤さんはそれで1回エンストしたんですよね。前回インタビューさせていただいたときに、笑いながら仰っていました(笑)。
ホンマ信じられへん(笑)。
後藤さんもかなりクルマ愛が強かったですが、福徳さんは指一本触れさせたくないというか、過保護にされてるんですね。
でもなんとなく、いつかこれ一台でいきたいなとは思ってるんです。だけど、どうかな(笑)。鍵もしょぼいし……。まだまだ実用には向いてないですよね。
ブラジルで56年間生産されたタイプ2。半世紀以上存在する車名も珍しいが、さらに驚くべきはそのデザイン。ほとんど変わっていないスタイルに敬意を払いたい。
先ほど「優れもの」と評したエンジンだが、福徳さんは少々手を焼いている模様。それでも『いつかはこれ一台でいきたい』というのだから、そのクルマ愛は本物だ。
ただの移動手段としては難しいですよね。うーん。エンジンを乗せ換えてしまうとか……? それこそ、福徳さんのお兄様が住まわれているメキシコだと、日産のエンジンとかに乗せ換えちゃうそうですよ。
えー!
故障した車ですとか、生産終了しているパーツが往々にしてあるそうで。メキシコの日産工場で作られているエンジンを、そのまま入れちゃうことがあるそうです。
ワーゲンバスも、車屋さんに持って行くと「エンジン壊れたらどうしましょう」って話になるんですよ。「もしかしたら対応出来ないかもしれないです」みたいな。関東で一番ワーゲンバスに詳しいと言われているショップがあるんですけど、そこでも「自信ないですね」「まぁいろいろ調べてはみますけど」って言われまして。
福徳さんのワーゲンバス(2013年式のラストエディション)は日本に2台しかないとのことでしたので、頑張って欲しいですね。
その、もう一人のオーナーさんがどうしてるかが知りたい。
情報を呼び掛けますか?(笑)
いや本当に知りたいですね、その人の対処法を(笑)。
福徳さんと同じタイプ2に乗られているオーナー様、ぜひお問い合わせください(笑)。ちなみにですがワーゲンバス一本でいきたいということで、「もしもこんな機能があったらいいな」とかありますか。
理想は、ホンマ鍵ですね。ピッて押したら全部閉まるキーレスにしたい。
ぼくの車はドアを一個ずつ閉めてまわらないといけなくて……。友達を拾おうとするときがかなり不便なんです。自分の鍵を開けてから助手席にまわって、最後に後ろまわって……みたいな。鍵が届かないんですよ。
一回エンジン切って、キーを抜いてぐるっとまわってカチャっと。
スペアキーは使わないんでしょうか?
スペアは一応、何があるか分からんから家に置いてるんです。めんどくさいんですけどね。鍵さえまともだったら……。
ちなみに後藤さんは、「渋滞の時に羽が生えたら」と。
そんなロマン系でいいんですか(笑)。えっじゃあ、縮んでほしいですね、きゅって。
ワーゲンバスは高さが2メートルあって、立体駐車場とか車高でひっかかるので、どこでも停められるように縮んでくれたら嬉しいです。
ホンマはもともと屋根に荷台みたいなのが付いてたんですけど、屋根付きのパーキングとか停めれへんから、取っちゃった。
その時は、福徳さんも一緒にきゅっと?
いや、ぼくは縮まない(笑)。車だけがささやかに小さくなってくれたらいいな。
ワーゲンバスを愛するあまり、指一本触れさせたくないほど過保護になった福徳さん。山口大将軍さんがおこした“焼き肉のタレ騒動”では、気が気じゃなかったはず?! 次回“MOBYクルマバナシ”第3話では、福徳さんが生まれ育った兵庫県芦屋市のご実家のお話や、ご家族との思い出、相方・後藤さんへの愛を語ってくださいました。どうぞお楽しみに!
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Vol.3「喧嘩は一度もなし!自画自賛のお気に入りコント」
取材:米永豪、田神洋子
撮影:HIROYUKI KONDOH
文:田神洋子
ジャルジャル後藤淳平さんのインタビューはこちら!
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...