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使い勝手やコスパは二の次?車の未来を先取りしすぎた平成の実験車たち【推し車】
令和時代の現在ではトヨタのC+pod(シーポッド)あたりが該当しますが、平成時代、それも平成10年前後には、20年以上も後の時代を見据えたような実験車がいくつか登場しました。
当時としては奇異な目で見られ、どちらかというとマニア向けの車のような扱いではありましたが、現在になって「こういう車があれば、今なら買うのに」と言われるような、当時の実験的な車を紹介します。
ダイハツ ミゼットII(平成8年[1996年])
工員の技術養成を兼ねたミゼットII工房は、今やコペンファクトリー
キャンキャン吠える犬に追いかけ回され、「すいすいクルクルミゼットII〜♪」と歌われる軽いノリや、狭いキャビンを逆手に取り、身長が高い外国人モデル女性を2人乗せて「ギュッ!ギュッ!」と言わせる2人乗り車など、ユニークなCMも印象深いミゼットII。
メカ的にはハイゼットトラックの超ナロー&ショート版でしたがデザインは全く別物、ユニークぶりにカスタムベースにもなり、ターボエンジンへ換装したミニレーシング軽トラや、V8エンジンを積むドラッグレース車「ミゼッパチ」などを生みました。
工員の技術養成を兼ね、あえて自動化しない手作業を含む生産ラインはミゼット工房と呼ばれ、現在はコペンファクトリーとなっています。
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本日の在庫数 91台 平均価格 73万円 支払総額 30~164万円
スズキ ツイン(平成12年[2000年])
ツインターボとか作る人いましたね…
初代スマートフォーツーに触発された、並列2人乗りのマイクロカーが世界で注目された頃、軽自動車が盛んな日本でも、スズキがツインを発売しました。
ワゴンRなど既存の軽自動車より全長・ホイールベースともに短くて専用部品も多く、イメージと裏腹にパワステやエアコンなど装備が同等だと4人乗りのアルトより高くなるなど、今も昔も安価なマイクロカーづくりは難しいものです。
12V鉛バッテリーを8個使った簡易的なハイブリッドをFF軽乗用車で初設定するなどユニークな取り組みもありましたが、テールゲートを持たずガラスハッチのみなど実用性で不便なところもあり、当時のユーザーには受け入れられませんでした。
- 最新「ツイン」中古車情報
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本日の在庫数 181台 平均価格 63万円 支払総額 23~137万円
日産 ハイパーミニ(平成12年[2000年])
日産初の、そして独自生産した唯一の軽自動車はBEV
現在は三菱との合弁会社NMKVで開発・生産した軽自動車を販売する日産ですが、それ以前のスズキOEM時代よりさらに前、ハイパーミニという独自の2人乗り軽自動車を販売していました。
ただしガソリンエンジンではなくBEV(バッテリーの電気だけで走る電気自動車)、リース以外に一般販売もしており、お値段なんと400万円!
最高速度100km/hで普通にエアコンもついているとはいえ、10・15モードでのフル充電走行距離は115kmですから、165万円(ただしリースのみ)からのトヨタ C+podや、243万円からの三菱ミニキャブMiEVなど現在の軽BEVは安く作れるようになったものです。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...