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【フィアット 600】トポリーノの後継車はRR採用の画期的モデル
目次
イタリアのトップカーメーカー「フィアット」の歴史
![フィアット 600D オートモビルカウンシル2019](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/202B735D-30C2-470B-8EE5-8DDB12883C80.jpeg)
イタリア・トリノに拠点を置くフィアットの創業は1899年。ジョヴァンニ・アニエッリを中心とする実業家グループにより設立されました。
第一世界大戦では軍需製品の製造で巨大企業に成長。車にとどまらず、電車・航空機・トラクター・ディーゼルエンジンにいたるまで生産するコンツェルン(巨大複合企業)を形成します。
大戦後はミッレミリアなどレースにも積極的に参戦し知名度を広め、また大衆車である通称トポリーノと呼ばれた500を発表し大ヒットを飛ばすなど、イタリア最大のカーメーカーとしての地位を確立させるのです。
現在、フィアットはクライスラーとともに「FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)」を形成。トヨタ・フォルクスワーゲン・ルノー・GMに次ぐほどの企業となっています。
フィアットはフィアット独自モデルのほかにも、アルファロメオやジープ、アバルトなど世界中に愛好家を持つ著名ブランドを展開することでも有名です。
トポリーノの後継車として誕生したフィアット 600
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フィアット 600は、大ヒットを飛ばした500に目新しさがなくなったのをうけ、後継モデルとして1955年にデビュー。デザインを担当したのはトポリーノ同様、フィアットのカーデザイナーであったダンテ・ジアコーザです。
斬新的な発想と理念をもつ彼は、車体にモノコックボディを採用。コンパクトながら4シーターを確保するため、駆動方式に後方エンジン・後輪駆動となるRRレイアウトとし、トポリーノより短い全長ながらスペースの拡大を図りました。
フィアット 600は、当時の価格を59万リラ(日本円で約34万円)とし大ヒット。1969年にいたるまで約260万台を生産するモデルとなったのです。
バリエーションには初代600の他に、小型ワンボックス型となるムルティプラ、モデルチェンジ後の600Dが存在します。
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フィアット 600は、1960年に600Dにモデルチェンジを実施。1964年にはそれまで後ろヒンジ前開きだったドア開閉を、前ヒンジ後ろ開きへと変更がされました。
画期的アイデア満載のパワートレイン
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フィアット 600はコンパクトカーでありながら、画期的アイデアが満載された車です。
先見性のあるモノコックボディに、スペースを有効に使用するためのRRレイアウトは斬新な発想。サスペンションは前をスプリングにスタビライザーを兼ねる工夫を施した横置きリーフリジット、後ろをコイルスプリングとなるスイングアクスルとすることで、シンプルでありながら低価格におさえることができ、操作性にも優れていました。
エンジンは、初代の600が排気量633cc 直列4気筒OHVとし、最高出力は19hp。車重の軽さなどから最高速度は100km/hを達成しました。1960年にリファインされた600Dでは、排気量が767ccにアップし最高出力は29hp、最高速度は110km/hとしています。
フィアット 600の相場価格は稀少のため高め
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フィアット 600は稀少であるため、出回る場合も250万を超えるケースが多いようです。
オートモビルカウンシル2019に出展された個体は1962年製の600Dとなり、価格は287万円となっています。
![フィアット 600D オートモビルカウンシル2019](https://cdn.car-moby.jp/wp-content/uploads/2019/04/54FA4AB6-6481-4FE5-A598-87695AFD47FA.jpeg)
斬新なコンパクトカー フィアット 600の成功は、1967年全く新しくなった2代目500いわゆるチンクエチェントに生かされることとなります。