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「俺の屍を越えてゆけ」儚く散っていった内燃機関やBEVでもない車たち【推し車】

時に地道に開発され、時には華々しく発表される自動車の次世代技術ですが、その全てが市販車へ搭載されたとは限りません。

誰も買わないような高価なオプションであれ設定されればまだいい方で、ついに市販車へ使われなかった技術も多数あり、特に燃料事情へ左右され、常に次世代技術の開発が進む自動車用パワーユニットにも、有象無象の「新技術」が生まれては消えていきました。

現在の自動車はガソリンエンジンやディーゼルエンジンのような内燃機関から、何らかの形でバッテリーとモーターを使う電動車へと移りゆく最中にありますが、そのいずれでもない「実現しなかったパワーユニット」を、今回は紹介します。

ガスタービンエンジン/ハイブリッド

直接駆動からハイブリッド用発電機まで可能性の追求は続いた

トヨタスポーツ800を改造、ガスタービンエンジンを発電機に使ったGTハイブリッドカー(1977年)

1930年代に開発された航空機用ジェットエンジンの性能が1950年代に安定すると、中核部のガスタービンがさまざまに応用され、自動車用次世代エンジンとしても期待されます。

乗用車で熱心だったのは米クライスラーで、日本を含む世界各国で実証実験車を走らせ、国産メーカーでは日産が高速長距離バス用、トヨタが初期のハイブリッドカー用発電機、後に直接駆動のコンセプトカーも発表します。

ただ、ジェットエンジンの動力軸から出力を取り出すガスタービンエンジンは、振動が少なく高出力、多様な燃料が使えるメリットだけでなく、猛烈な騒音やレスポンスの悪さ、致命的なことに燃費も悪いというデメリットもジェットエンジンから受け継ぎました。

結果、そんな酔狂なパワーユニットを積んで市販したのはガスタービンバイクの米マリン・タービン・テクノロジーくらいで、今後レンジエクステンダーEV用の発電機としても将来性はほぼ皆無でしょう。

スチームエンジン

蒸気圧を作れれば何でもアリな雑食パワーユニット

3代目230型セドリックに搭載された、2気筒スチームエンジン(1975年)

原子力発電所を単純に考えれば、原子炉で沸かしたお湯の蒸気圧で発電機のタービンを回す「原子力湯沸かし器」でしかない、という例があるように、蒸気機関は何か燃やすか熱して蒸気圧を作れれば何でもアリ、燃料を選ばない特性が魅力です。

1970年代オイルショックの頃には、ガソリンエンジンの発達まで最強パワーユニットだった蒸気機関の復権を狙う動きがあり、サーブや日産など割とマジメに蒸気圧ピストンエンジンの実証実験モデルを開発しました。

「蒸気圧が上がるまでトルクが出ない」という最大の問題も、初期動力に圧縮空気を使う一種のマイルドハイブリッド化で克服すれば、あとは内燃機関より大トルクというモーターに近い特性もあって有望でしたが、石油価格の安定で開発は尻すぼみ。

現在も蒸気機関マニアの手で速度記録挑戦車が作られるなど発展は続いており、代替燃料を使いやすいパワーユニットとして、意外と将来性があるかもしれません。

フライホイールバッテリー

出典:flickr.com Author:Alden Jewell CC BY 2.0

モーターで全て、または一部を走行する電動車の動力源には、さまざまなバッテリーや燃料電池が実用化されているものの、電気を貯める方法は他にもあります。

そのひとうが「電気エネルギーを一時的に回転運動する物理エネルギーへ変換」するフライホイールバッテリーで、単純に言えば真空格納容器内のフライホイールの回転数を上げれば「充電」、フライホイールで発電機を回せば減速する代わりに電気を取り出せます。

鉄道やバス、トラックで蓄電池の代わりに搭載する実証実験車も作られましたが、主動力源としてはバッテリーとしても大きく重すぎて実用化には至っていません。

ただし、小型の加速用蓄電装置としてレーシングカーのアウディ R18 e-tronクワトロに使われた例があり、2012年にル・マン24時間レースで総合優勝するなど実績も残していますが、結局はリチウムインバッテリーが発展するまでのつなぎにすぎませんでした。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...
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