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水陸両用軍用車のシュビムワーゲンとは?購入可能な販売元や中古車の価格情報など

シュビムワーゲンは第2次世界大戦中にドイツ軍が使用した水陸両用車です。現存するシュビムワーゲンは博物館やコレクターが大切に保存しています。そんなシュビムワーゲンの購入可能な販売元や中古車の価格情報などを紹介します。

シュビムワーゲンとは

↓渡河中の武装親衛隊のシュビムワーゲン

シュビムワーゲンは第2次世界大戦中にドイツ軍が使用した4輪駆動の水陸両用車です。

制式名称はLeichter Personenkraftwagen K2s (4x4) Volkswagen Typ 166で、日本語に訳すと「軽乗用自動車K2s(4輪駆動)フォルクスワーゲン166型」となります。その水陸両用性能の高さらから「Schwimmwagen」(泳ぐクルマ)と呼ばれるようになりました。

シュビムワーゲンは水陸両用車としてはもっとも成功したクルマの1台で、1941〜1944年までに14,276台が生産されました。

シュビムワーゲンの開発元

↓バルジの戦いにおけるパイパー親衛隊大佐のシュビムワーゲン

カエルのような愛嬌のあるルックスを持つシュビムワーゲンですが、このクルマは軍事作戦上の要請に基づいて開発された純然たる軍用車です。
そして、シュビムワーゲンの開発を担ったのはVWタイプ1(ビートル)の開発でよく知られるフェルディナント・ポルシェ博士率いるポルシェ設計事務所(以下、ポルシェ社)でした。

シュビムワーゲンの生みの親・ポルシェ博士

1940年6月、ドイツ国防軍(ドイツ陸軍)はポーランド侵攻作戦での戦訓から歩兵1個分隊が乗車したまま河川を渡河できる水陸両用車輌の必要性を認識していました。
そこでドイツ国防軍の下部組織「陸軍兵器局開発・試験部第6課(WaPr f 6)」はポルシェ社に対して、キューベルワーゲン(フォルクスワーゲン・タイプ1をベースにしたオープントップの軍用車)をもとにした水陸両用車の設計をポルシェ社に依頼しました。
そして、同年7月からポルシェ社とダンツ社によってシュビムワーゲンの開発がスタートしたのです。

キューベルワーゲン

キューベルワーゲン

同年9月には最初の試作車が完成。
11月に3台のプロトタイプ(Typ 128)がドイツ国防軍に引き渡されましたが、テストの結果、水陸両用車として性能不足が明らかになりました。
さらに、サイドカーの更新用車両を求めていた武装親衛隊(ナチス党の武装組織。第2次世界大戦の勃発時には陸・海・空軍に次ぐ第4の軍隊として軍事作戦に従事)が開発に加わることになり、整備性や不整地走破性の向上を計った改良型(Typ 166)が設計され、1941年8月にその試作車が完成しました。
そして、42年春から先行量産車によるテストが実施され、同年秋から本格的な量産が始まりました。

シュビムワーゲンの構造

シュビムワーゲン

前述の通り、シュビムワーゲンとは「泳ぐクルマ」という意味を持ちます。
その名の通り、シュビムワーゲンは防水性に優れたドアのないバスタブ型のボディを持ち、車体後部に跳ね上げ式の3枚翼のスクリューユニットを装備し、クランクシャフトプーリーと接続することで、動力をスクリューへ伝達させ水上を移動することができました。
ほかにも水上運航を前提としてマフラーやエアクリーナーの位置が高く設定され、万が一のトラブルにも対応できるようにオールも装備しています。

陸上走行においても悪路を走破するために4輪駆動(ベースとなったキューベルワーゲンがRRレイアウトによる2輪駆動)を採用。
パワーユニットは最高出力24.5hpの1,131cc水平対向型エンジンを搭載しました。
その結果、路上最高速度は80km/h、水上航行速度は10km/hという当時としては高い性能を発揮しました。

シュビムワーゲンの中古車

↓ドイツ国防軍のシュビムワーゲン

第2次世界大戦中、シュビムワーゲンはドイツ国防軍や武装親衛隊の前線部隊に配備され、東部戦線(ロシア・東欧を戦場としたソ連との戦い)や西部戦線(フランス・ベルギー・オランダなどを戦場とした連合軍との戦い)などで、装甲部隊の偵察大隊や工兵隊などで運用されました。

生産されたほとんどのシュビムワーゲンは戦争と戦後の混乱の中で失われ、現在までに残っている台数はごく少数に留まっています。

現存するシュビムワーゲンの多くが博物館に収蔵されるか、コレクターの手で大切に保存されています。

そのため、一般の中古車市場で流通することはほとんどなく、欧米諸国ではもっぱら軍事コレクター向きの専門店やクラシックカーのオークションなどで取引が行われているようです。
残念ながら日本国内では中古車市場で売買されたという話は聞いたことがありません。

シュビムワーゲンの価格

シュビムワーゲン

10年ほど前の欧米でのシュビムワーゲンの売買価格は邦貨に換算して1,000万円程度でした。
しかし、近年の世界的なクラシックカーブームにより、シュビムワーゲンの価格も高騰しているようで、現在では2,000万円以上とも、3,000万円以上とも言われています。

ちなみに、ベースとなったキューベルワーゲンの中古車価格は邦貨換算で700〜900万円ほどです。
なお、キューベルワーゲンはインターメカニカ社から忠実なレプリカが販売されています。
こちらは車両本体価格が6万5000ドル(邦貨換算で730万円ほど)です。

インターメカニカ・キューベルワーゲン(レプリカ)

キューベルワーゲン

シュビムワーゲンはプラモデルで我慢?

タミヤ製1/35キューベルワーゲン

シュビムワーゲンについてのまとめ記事はいかがでしたでしょうか? 

戦後70年以上が経過し、シュビムワーゲンは大変な稀少車となっています。
欧米で販売されている車両を買いつければ、シュビムワーゲンを入手することは不可能ではありませんが、費用的にも手間の面でもハードルは高いようです。

仮にシュビムワーゲンを入手したとしても、パーツの供給状態を考えれば、オリジナルの状態を維持して行くのはなかなか難しいと思います(動かせる状態に維持するだけなら戦後のVWビートルのパーツを流用すれば可能ですが・・・)。

しかし、実車は無理でもプラモデルという手があります。
模型メーカーのタミヤからは1/35スケールで忠実に再現されたシュビムワーゲンが発売されています。
価格も1,620円と手頃ですし、初心者にも作りやすい内容になっています。
シュビムワーゲンがお好きな方で、もしまだ組み立てたことがない方は、1度チャレンジしてみて下さい。

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この記事の執筆者

山崎 龍この執筆者の詳細プロフィール

1973年1月東京生まれ。自動車専門誌の編集を経てフリーライターに。自動車専門誌を中心に、航空、ミリタリー、映像作品、オタクカルチャー、政治などの 様々なジャンルに寄稿する雑文ライター。 著書に『最強!連合艦隊オールスターズ』『萌えだらけのクルマ選び』(共にイカロス出版)、『「...

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