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車のエアバッグが開く事故をしたら修理して乗る?廃車?ディーラーに聞いてみた
いざという時に命を守ってくれるエアバッグ。一定の衝撃を検知した際に開く仕組みになっており、近年ではカーテンバッグを装備した車種も増え、窓ガラスやピラーからも身を守ることができます。
大きな事故の際に活躍するため「エアバッグが開いてしまったら廃車」という話も耳にします。実際に事故などでエアバッグが作動した場合、廃車と修理どちらを選択すべきなのでしょうか?
廃車・修理を決めるポイントは?
筆者がお世話になっているディーラー担当者によると、「ダメージの程度、車の価値の2つを考えて廃車にするか、修理を行うか検討するとよいでしょう。」とのこと。これら2つの視点から考えてみましょう。
車体へのダメージの程度
まず1つ目は、車に加わったダメージの程度です。なかでも重要なのは「フレーム損傷の有無」だそう。
車のフレーム修理は簡単にできるものではないため、損傷が大きい場合総額で100万円前後かかることもあります。一般的にエアバッグが作動するほどの衝撃が加わった場合は、フレームも損傷していることが多いです。
エアバッグが作動したケースでは、他の部品も損傷していることが多いため、修理代は高額になりがち。エアバッグのみの修理だけでは済まない可能性が高いため、一見大丈夫そうに見える場合でも、自己判断せずにまずは専門業者にみてもらいましょう。
路肩や縁石に乗り上げてエアバッグが作動したケースや、作動したものの車体へのダメージが少なかったというケースでは修理金額を抑えられますが、エアバッグの修理はインパネなども交換する必要があり、30万円以上かかることもあるそうです。
車の時価(残価)
もう1つ大切になるのが、車両の時価(残価)です。修理する際は保険を使用するケースが多いと思いますが、保険金は基本的に車の時価額までしか出ません。
つまり、時価額のほうが修理代よりも高い場合は修理するのもよいですが、修理代のほうが高くなってしまった場合、同程度の車に乗り換えたほうが安く済むこともあります。
特に経年車や中古車は残価が低くなることが多いので、廃車・修理を選択する際は、車両の価値を確かめることが大切です。
実際には廃車にする人が多い?
前出の担当者によると、「エアバッグが作動するほどの事故の場合、修理代が総額100万円を超えることも少なくありません。そのため、その車に非常に愛着があるケースなどを除き、廃車にして、新車あるいは同程度の中古車に買い替えるという方が多いです。」とのこと。
エアバッグが作動した場合は修理代が高額になりやすく、修理せずに廃車にする人が多いことから、「エアバッグが開いた=廃車」というイメージになっているようですね。
修理代が車の時価額を超えると「全損」となり、修理するのは金銭的に損になります。全損の場合は中古車として売却することも難しくなるため、廃車にするケースが多いのでしょう。
30万円程度であれば、修理して乗り続けるのも選択肢の1つですが、修理代があまりにも高額になったり、全損扱いとなってしまった場合は、廃車にするのも1つの手段といえます。
ちなみに、保険を使って修理する場合は等級が下がります。車同士の衝突事故や単独事故を起こし、保険金が支払われた場合は3等級ダウン。割引率も3年間は「事故あり」の保険料になるため、保険料の値上がり分も考慮する必要があるでしょう。
いずれにせよ、「車の時価額と修理費用どちらが高いか」という点が、廃車と修理を分ける1つの目安といえます。事故などでエアバッグが開いたときは、まずは修理する方向で保険会社に相談し、全損扱いとなるような場合は廃車業者などに買い取ってもらうことも検討してみるとよいでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...